初日は晴天、2日目は時折雨、3日目にいたってはほぼほぼ雨と、過去2年間快晴に見舞われてきた中で初の雨天となった『ULTRA JAPAN2016』。とはいえ、過去最高の12万人動員を見事完遂したことは、『ULTRA JAPAN』のポテンシャルの高さを物語っていると言えるだろう。
3年目を迎えた『ULTRA JAPAN』だが、今年はより音楽的なバラエティに富んでいたことが印象的だった。
それは各ステージ、“ULTRA MAIN STAGE”、“RESISTANCE”、そして“ULTRA PARK STAGE”のラインナップでも明らかだったが、ことメインの“ULTRA MAIN STAGE”における各アーティストの選曲も同じことが言えたと思う。
例年EDMが主体となっていた中で、多くのアーティストがトラップやトワーク、ディープなサウンドを組み込み、ひいてはヒップホップにまで触手を伸ばしていたこと。それは明らかにこれまでとは違う、今後の潮流を大いに予感させるものだった。
今回は3日間3ステージで約70組のアーティストが出演したが、その中でとりわけ大きな盛り上がりを見せていたアーティストをあげるとすれば、初日のDJスネイク、2日目のハードウェル、そして3日目のマーティン・ギャリックスだろう。
初日は初来日のカイゴに注目が集まったが、確かに彼の心地よいサウンド……1曲目から代表曲“Stole The Show”でオーディエンスを惹き付け、その後もトロピカルをふんだんに感じさせつつもハウスを主体としたプレイに気持ちよく踊らされ、ラストは“Firestone”で大円団。
白Tシャツがよく似合う彼の姿さながらの爽やか過ぎるなんとも素晴らしい内容で、なかには歓喜のあまり涙する者までいたが(スクリーンにその模様が映し出されフロアは喝采!)、そんな心地よい空気をぶち壊したDJスネイクの圧倒的なパワーは驚異的だった。
<次ページ> カイゴが作り上げた極上の空間を一気に破壊したDJスネイク驚愕のセット