アンダーグラウンドからEDM〜メジャーシーンまで、様々な才能が入り乱れ活躍した2015年。

今回FLOOR編集部では人物に焦点を当て、もっとも輝いていたアーティスト10組をピックアップ。
「FLOOR ARTIST OF THE YEAR」として3回にわけて紹介し、この1年のシーンを振り返っていこう。

01|DIPLO

彼の一挙手一投足がシーンを変える
もはや絶対的アーティストに

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2015年はメジャー・レイザー、そしてスクリレックスとのユニット:ジャックUで獅子奮迅の活躍を見せたディプロ。
前者では、とにもかくにもDJスネークとの“Lean On”が大ヒット。ダンス系メディア、とりわけYouTube、Spotifyといったストリーミング系メディアでは圧倒的な支持を得て(Spotifyでは新記録を樹立)、同曲収録のアルバム「Peace Is The Mission」も大きな話題に。

一方で、ジャックUとしてもファースト・アルバムをリリースし、ジャスティン・ビーバーをフィーチャーした“Where Are U Now”がダブルプラチナを獲得した。

2000年代後半以降のM.I.A.をはじめとする一連のプロデュースワーク、そしてリミックスなどで、絶えずフレッシュなサウンドを世に送り出し、シーンに旋風を巻き起こしてきた彼だが、2015年はその勢いが増すばかり。

しかも、プロデューサーとしての役回りだけでなく、前述の2つのユニットで自らシーンの最前線へ踊り出し、新たなフィールドへと進んだ感もある。

依然EDMが猛威を振るうなか、ムーンバトン〜トラップ〜トワークと新たなサウンドを展開するとともに、その圧倒的なクリエイティビティで存在感を発揮。

メジャー、アンダーグラウンド、そしてEDM、あらゆるシーンから一目置かれる絶対的なアーティストとして、もはや断固たるポジションを確立した。
それは2016年も変わることなく、彼の発信するサウンドが今後の動向を占うであろうことは明らかだ。

02|KENDRICK LAMAR

早くもレジェンドへ
2015年最も輝いた若きリリシスト

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人種問題や貧困問題、世界(アメリカ)が抱える様々な社会問題に深く切り込み、そのコンシャスなメッセージで聴くものの心を震わせると同時に、音楽的にもヒップホップ〜ファンク〜ソウル〜ジャズとあらゆるサウンドを内包し紡がれた叙情詩で世界中を震撼させたケンドリック・ラマーの新作「To Pimp a Butterfly」。

全米アルバムチャート2週連続1位、全英アルバムチャート初登場1位、その他各国のチャートを賑わせ、結果2016年のグラミー賞では、最優秀アルバム賞、最優秀ラップ・アルバム賞をはじめとする最多の11部門にノミネート。
2015年の音楽シーンにおいては、彼がベストだったと称讃する見識者も数多く、世界の主要メディアが選出した2015年のベストディスクにもそのタイトルは数多く挙げられている(Pitch Fork:1位、THE GARDEN:1位、NME:2位、TIME:3位)。

ちなみに、エイサップ・ロッキーやピートロックも今作を絶賛。そして、アメリカの現大統領バラク・オバマも2015年最も好きだった曲として、「To Pimp a Butterfly」に収録の“How Much A Dollar Cost”を挙げたとか。

2011年にインディーデビューを果たし、すぐさまメジャーと契約。その後リリースした2枚のアルバムも高い評価を受けていた彼だが、3枚目となる今作を持ってケンドリック・ラマーの名はシーンに深く刻まれたと言っても過言ではないだろう。

03|Aphex Twin

まさかのグラミー賞獲得
シーンを代表する鬼才が世界を席巻

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AFXことエイフェックス・ツイン、本名リチャード・D・ジェイムス。
1990年代より活躍し、その斬新な音楽性は鬼才という名をほしいままにし、数多くのフォロワーを生み出した。

その年代を謳歌したダンスミュージック・ファンにとっては、まさに“神”と言えるであろう彼が、約13年ぶりの新作「Syro」を発表したことは2014年の大きなトピックだった。

同作はUKをはじめ世界各国の過去のチャートで最高順位を記録し、様々なメディアの2014年年間チャートを席巻。
ひいては、2015年のグラミー賞においてベストダンス・エレクトロニックアルバム賞を獲得した。

メジャーとは一線を画す彼が、デッドマウス、マッド・ズーら並みいる強豪をおさえグラミーを手中にしたことは、シーンにとっても1つの事件だったと言えるだろう。
そして、そのリリースから1年を待たずして「Computer Controlled Acoustic Instruments pt2 EP」を発表。

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さらに、極めつけにはAFX名義で10年ぶりの新作「ORPHANED DEEJAY SELEK2006-2008」をリリースと、これまでのブランクが嘘だったかのような精力的な活動を見せたエイフェックス・ツイン。

それらの作品は各メディアのチャートに食い込むことはなかったものの、アンダーグラウンドの雄として2015年を代表する1人に挙げることは正しい選択だったと思う。
彼にはこの勢いをそのままに、今後も引き続き作品を発表し続けることを切に願うばかりだ。