昨夏、表参道VENTの3周年アニヴァーサリーに出演し、見事なプレイを披露したアンドリュー・ウェザオール。あれから約半年……2月17日未明に肺塞栓症のため亡くなった。

アシッドハウス、レイヴ、さらにはマンチェスタームーブメントを牽引するなど、世界の音楽シーンに多大な影響を与えた巨匠アンドリュー・ウェザオール。
ニュー・オーダーやハッピー・マンデーズ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ビョーク、そしてプライマル・スクリームのリミックスやプロデュースで大成功を収めるとともに、80年代のロンドン・アンダーグラウンドを席巻した同人誌Boys Own、90年代にはレーベルJunior Boy’s Ownでも才覚を発揮。Junior Boy’s Ownからはケミカル・ブラザーズやアンダーワールド、Xプレス2らを輩出し、ダンスとロックの蜜月をいち早く成し遂げた。

セイバーズ・オブ・パラダイス、トゥー・ローン・スウォーズメンといったユニットでも活躍していたが、やはりファンの心に残っているのはアンドリュー・ウェザオールとしての活動だろう。あらゆるジャンルをカバーし、音楽の酸いも甘いも熟知した広い知見と愛が生み出すDJプレイは世界中を魅了。ここ日本にも度々来日し、その都度多くのファンを楽しませてくれた。かくいう筆者も彼のプレイを何度か体験しているが、とりわけ十数年前の初体験の際にはあまりの予想外&マジカルなプレイに心打たれまくったことを覚えている。

まだまだ56歳、その悔やまれる死に各界から哀しみの声が相次いでいる。

心よりご冥福をお祈りいたします。