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——今回ULTRA SWEEPERSとして『ULTRA JAPAN』に参加してみて、率直な感想は?

みなさん楽しむために来場されているなか、我々がマジメにゴミを捨てるなと伝えることがいいことなのか、それとも悪いことなのか……当初、そこは本当に悩みましたね。
普通にやったら、みなさんのテンションを下げてしまうんじゃないかと。

だから今回は楽しくゴミを拾う、あくまでみなさんと同じノリで、楽しみながら掃除をしていることを伝えながら活動していたら反応はかなりよかったですね。

——そもそも今回はどういった経緯でこの企画が始まったんですか?

僕はこれまで様々なイベントでパフォーマンスのコンテンツを作らせていただいてきましたが、それは全てただただ楽しいこと、純粋に楽しめることばかりでした。

でも、今回は『ULTRA JAPAN』のクリエイティブディレクターである(小橋)賢児さんからフェスにおけるマナー、ゴミの問題は世界でも見受けられるが、来てくれている人の居心地の良さを考えたり、日本人としても世界の見本となるようにどうにか改善していきたいというお話を伺いまして。
それを説教のように伝えてもよくないというところで、エンターテインメント性のあるゴミの啓蒙ができないか、そう相談されたのが始まりでした。

最初に話を聞いたときは僕自身大切なことだと思いましたし、スゴい世界観だなと思いましたね。
今まで僕が考えて来たただ面白いものを作るのではなく、必要とされているものにしっかりとエンターテインメントを落とし込むためにいろいろと考えました。

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——そうして今回のULTRA SWEEPERSが誕生したと。そのメンバーはどんな方々なんですか?

我々はFOOL UPON WORLDというパフォーマンスアート集団で、そこに参加してもらっているパフォーマーたちです。

なかにはジャグリングの日本チャンピオンや新体操の世界一だったり、さらには有名な振付師がいたり、それぞれのフィールドで活躍している人たちが集まっています。みんなこのコンセプトに賛同し参加してくれました。

——そんな一流の方々が集まっていたとは正直思いませんでした。

ですよね(笑)。みんな一流で、舞台と音、そして照明があれば最高のパフォーマンスをしてくれる方ばかりですが、今回はそうではなく現場。
ステージがあるわけではなく、現場は生ものですし、当初どうなるのか想像するしかなかったので正直不安もありましたが、お客さんの反応、ゴミをキレイにするというひとつのコミュニケーションがとれたときにパフォーマンスは一気に光ったんですよ。
それが見受けられたとき、大丈夫だ、やってよかったと思いましたね。

——今回は全身迷彩の衣装もすごく目立っていて、会場内でも目を引いていました。

ファッションに関してはスタイリストさんにお願いしたんですが、それが想像以上にハマりましたね。
遠目から見ると何の集団だ?って思うほど異様な雰囲気の集団でしたが、そんな彼らがいきなりパフォーマンスを始めてゴミを拾う。その姿を見て“カッコいい”という言葉もいただきましたし、ゴミを拾うということが徐々に認知されていった気がします。

そして、何度も繰り返すうちに我々を見たらゴミを拾わなきゃと言ってくれる人が増えて。それが最も嬉しい瞬間でしたね。

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