8月12日より話題のオンラインストリーミングサービス「Netflix」にて配信中の、1970年代のアメリカを舞台に、ヒップホップ黎明期における若者たち姿をフィーチャーしたNetflixオリジナルドラマ「ゲットダウン」。

今作はディスコ全盛の時代にサウス・ブロンクスの若者たちがヒップホップという新たな遊びを手に入れそれぞれ成長していく、まさにその起源を丁寧に描いた作品。

恥ずかしがり屋で根性なしの主人公がいつしか人前でマイクを握り、自己主張ができるようになる姿などは見ているものの心を奪い、なおかつヒップホップだけでなく恋愛や友情なども随所に散りばめられ、その初々しくももどかしい姿に心打たれる仕上がりに。

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監督は『ロミオ+ジュリエット』や『華麗なるギャッツビー』などを手掛けたバズ・ラーマン。
彼の指揮のもと、今回は全体のクリエイティブ&監修にはナズやグランドマスター・フラッシュが参加。

ドラマ内では数々のオールドスクール・クラシックが多用され、それでいて現代のサウンドも配合されたりと、ヒップホップ・ファンにはまさに垂涎極まりない作品となっている。
前述の、かのヒップホップ・レジェンド:グランドマスター・フラッシュも今作を見て鳥肌が立ったと語り、当時の記憶が蘇りその場にいる感覚になったと絶賛。

すでに全米では話題沸騰中の今作だが、つい先日その公開日にはNYにてプレミアム試写会が行われ、さらには『GET DOWN PARTY』が開催。
今回はそんな貴重なイベントに参加したDJ SARASAに緊急インタビュー!

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今作のこと、そしてNYでのイベントのこと、さらには8月22日にラフォーレ原宿で行われることが急遽決定した公開記念イベント『THE GET DOWN Party powered by SPEAKEASY』についても聞いてみた。

——今作はヒップホップ黎明期における若者たちの群像劇となっていますが、SARASAさん自身リアリティは感じました?

私自身カナダの高校に一年間通っていたんですが、そこで経験した“青春”自体、まさにドラマで描かれていたようなものでした。
その雰囲気は今も昔も変わらないのかもしれませんね。

私がヒップホップと出会った時期が彼らと同じというのもあるかもしれないけど、主人公たちがある日友達に連れられて、初めてブロック・パーティを目にしたときの反応などは、ブレイクダンスの“ブ”の字もわからず友達に誘われて初めて行った暗い地下のブレイクダンスの練習場の記憶が蘇りました。
もちろん、その後の私の運命を変えるきっかけになるとは知らずに。

このドラマは当時実際にその場にいたグランドマスター・フラッシュやナズなどが監修していることも大きいと思いますが、描かれているパーティのシーンなどはすごく忠実だと思います。

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——このドラマで描かれるカルチャーを作っていく過程、そこで共感した部分などはありましたか?

私は仕事でいろいろな国に行くことが多いんですが、アメリカ人は“ゼロ”から何かを作り上げるのがいまだに得意なんだと思います。
だからこそ、ヒップホップは生まれたんだと思う。

逆に、日本人は何かを取り入れてさらに良くすることが得意だと思うので、このドラマをみなさんがどれだけ共感するのか気になるところです。

あとは、お金も資源もありふれている日本でゼロから何かを作ることができるのって、逆にお金を使わずに自然に何かをしたときぐらいなのかなって思いました。

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——では、今のダンスミュージックシーンが見習うべきところとかありました?

怒られてでも遊ぶ姿勢、それは見習うべきですね。

——ドラマ内ではラップをするシーンが多く見られますが、実際のラッパーが出演されているわけではないんですよね。

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