日本人アクトたちも見逃せない。そしてラビリンスにおける本当の意味でのDJとは……
まずは『The Labyrinth』のレジデントDJであるSO。
この夏、ドイツの『Nachtdigital Festival』を皮切りにチェコ、そして名門クラブTresorでのギグを含めたツアーを終えたばかりの彼も、毎年、本フェスティバルへの意気込みは相当なものだ。
もう一人、毎年重要な役割を担っているのが、90年代から活躍するアンビエント~チルアウトの名手HIYOSHIだ。
幻想的で優しいサウンドで空間を包み込みオーディエンスの体をクールダウンさせる。
そして、いまや世界のトップDJへと躍進しつつあるDJ NOBUも今年初の出演が決まっている。
彼は自身のSNSで
「この数年間あの場で遊びとはいえ真剣に音楽を受け取り学んだ事をアウトプットできたらと思います。
あの環境でテクノを鳴らす事が出来るのはDJ冥利につきるし、想像は膨らむばかりです」
と意気込みを語っている。
オーディエンスのみではなく、出演アーティスからもリスペクトを集める『The Labyrinth』。
ここまで注目アーティストを中心に紹介してきたが、ティピと共に煌々しく照らされるサウンドシステム:ファンクションワンも本祭の重要な要素であり、今年はさらにパワーアップすることも追記しておこう。
そして何よりも『The Labyrinth』における真のDJは、オーガナイザーのRussだ。
なぜなら、このフェスの醍醐味はその人選だけでなくタイムスケジュールもあげられる。
というのも、朝から夜までいつ踊り、いつクールダウンするか、参加者たちの欲望を徹底的に考え抜いたスケジュールが組まれている。
ある1日を例にあげると、清々しい朝に緩やかなアンビエントミュージックで始まり、陽が昇るとともに日中は実験的なノイズからダブテクノへと展開。そして夜の帳が下りる前に激動のピークを迎え、あたりが闇に包まれる頃には音楽も徐々にクールダウンしていく。
しかも、それを演じるDJたちは1時間だけのものもいれば、4時間プレイするものもいる。なかには、シチュエーションに合わせて2セットをプレイするアーティストも。
つまりこれは状況に応じて、ロング~クイックまで各々がシーンにあわせてミックスし、ときにバージョン違いの楽曲を重ね、より濃密な空間を生みだしたりと様々。
それはフェス全体をDJプレイに置き換えると、『The Labyrinth』の真の意味でのDJはオーガナイザーRussであり、アーティストはレコードだと考えることができる。
そういった視点で考えると個々のアーティストの評価以上に、フェスティバル自体が評価されていることも頷けるし、一度でも参加したことがあるオーディエンスがこの本祭にアディクトし、その迷宮に再び戻ることを1年間待ち続ける気持ちもよくわかる。
幸運にもチケットをゲットした方、迷宮の扉はすぐそこに待っている。
EVENT INFORMATION
The Labyrinth 2016
2016.9.17-19(SAT-MON)
OPEN 22:00
苗場グリーンランド(新潟)
前売 ¥19,500
[LIVE] Shackleton / Pole / Orphx / Petar Dundov / Ishq
[DJ] Donato Dozzy / Peter Van Hoesen / Svreca / Patrick Russell / Petar / Dundov / DJ Nobu / John Elliott / So / Hiyoshi