いよいよ9月15日〜17日に開催される『ULTRA JAPAN』。

5年目を迎えた今年もゼッドにアクスウェル・イングロッソ、DJスネイク、アーミン・ヴァン・ブーレン、さらにResistanceにはニーナ・クラヴィッツにスヴェン・バス、ジョン・ディグウィード、ニコル・モドバー、カール・クレイグら魅惑のラインナップが実現。

そんな『ULTRA JAPAN』開催前に、過去4回を振り返りつつ、改めてその魅力や知られざる裏側を探るべくULTRA JAPAN 2018実行委員会にインタビューを実施

貴重な話の数々、これを読んで会場へ行けば、『ULTRA JAPAN』がさらに楽しくなること間違いなし。記念すべき5回目の『ULTRA JAPAN』をみんなで楽しもう!

Q.毎年豪華なラインナップですが、どうやって出演者を決めているんですか?

「基本的には、本国マイアミのUltra Music Festival(UMF)チームと僕ら日本のスタッフで話し合いながら決めています。ただ、初年度はマイアミの意向がかなり強かったですね。

マイアミの考え方で言うと、ヘッドライナーは実力史上主義的ではありますが、常に新しいスターを作ろうとしていると思います。

その代表的な例がDJスネイク。彼は2017年に大トリを務めましたが、そこで初めてヘッドライナーに選ばれ、そこから彼のポジションも変わったと思います。

その他にも、マーティン・ギャリックスやアヴィーチーもULTRAが見出したアーティストと言えますね」

Q.過去4回のラインナップで不安だったことや、チャレンジングだったことは?

「正直なところ、日本のマーケットは世界と比べ、良くも悪くも特殊な部分があると思います。そんな中で今振り返っても最も挑戦だと思うのは、2年目のスクリレックスとDJスネイクですね。

当時、日本ではEDMの認知度は高まりつつも、ベースミュージックやトラップがそこまで浸透していなかったので彼らのようなサウンド、世界的な潮流を日本に伝えるべくブッキングしました」

Q.ULTRAとアーティストとの関係性はどのような感じなんでしょう? 特にカール・コックスとの繋がりはとても深いと聞いていますが……。

「ULTRAはファミリー意識が強いというか、アーティストとの付き合いが本当に深く、何より大事にしています。それが成功に繋がっているんだと思います。

なかでも、カール・コックスとの繋がりは他アーティストとは次元が違いますね(笑)。

というのも、彼とは『UMF』立ち上げ時からの付き合いなんです。ULTRAの創設者が彼の大ファンで、ずっと追いかけていたとの話を聞いたことがあります。ただ、最初に出演したときは予想していたほど盛り上がらず、意気消沈してしまったところもあったのですが、翌年見事に大成功を収め、そこから深い絆が生まれたそうです」

Q.マイアミUMFはここ10年で大きく変化していますが、何かきっかけはあったのですか?

「7年前、ブッキングマネージャーにアダムが就任したことで大きく変化しました。その頃、ちょうどシーンも大きく変わりはじめ、その流れをいち早く察知したのがULTRAでした。

ただ、それ以前にもマイアミでは『WMC(Winter Music Conference)』の文化が根付いていて、そこに新たなコンテンツとして『UMF』を落とし込んでいたという歴史があります。
現在は『UMF』が『WMC』のライセンスを買収し、今後は『UMF』が世界の音楽をリードしていくという意識の強さを感じています」

Q.過去4回の『ULTRA JAPAN』の中で、最も大変だったことは?

「それは2017年の台風直撃ですね。各ステージで、強風の影響によりこれ以上風が強くなったら中止にせざるを得ないかもしれないという状況がありました。

実は、そのとき全ステージに中止を伝えるためのアナウンサーを準備し、アナウンスする文言はどうするかまで考えていたんですよ。フェスはお客様の安全が第一なので。

とはいえ、お客さんの気持ちを考えれば最後までやってほしいはず……みなさんの気持ちと天候のリスクを考えた結果、続行することを決意しました。ただ、過酷な環境のほどみなさん燃える、それがフェスあるあるですよね(笑)。

そして、スゴかったのは、悪天候でもお酒の売上も下がらなかったこと。雨が降っているにも関わらず、会場内ではあまりの熱気に湯気が沸き、その結果お酒の売上も落ちなかった。それはオーディエンスの力強さの賜物だったと思います。

その他に印象に残っていることと言えば、2015年のデヴィッド・ゲッタですね。当時、彼の20年来のパートナーであるツアーマネージャーが前日に亡くなってしまったんです。そこで世界のULTRA史上、初めて全消灯し、1分間の黙祷を捧げました。

その後デヴィッド・ゲッタがものスゴく素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたんですが、それは日本のオーディエンスの力が彼に乗り移ったんだと思います。デヴィッド・ゲッタも人生の中で忘れられないステージになったと語っていました」

Q.ステージの装飾も毎回豪華絢爛ですが、どのようにして作っているのですか?

「ステージのセットは、年間数百本以上のイベントを行う、僕らが本当に信頼しているチームで作り上げているんですが、彼らは世界でもトップクラスの技術力を持っているんですよ。それは『ULTRA JAPAN』1年目の時点で、世界中のULTRAの中でも“日本はヤバイ”と評判になったほどで。

マイアミでステージデザインを担当しているリチャードは、日本のチームにはどんなデザインを投げても大丈夫、どんなイメージを投げても対応できると信頼してくれています。

さらに、日本のチームは全員一丸となっていいものを作ろうという意識も高く、それが強みでもあります。また、システム構築のクオリティも高く、他のULTRAでは一度音が止まると再開までにしばらく時間がかかるのですが、日本では音が止まっても15秒足らずで復帰させる、それは世界でも例をみないことなんです。

これは忘れもしないことですが、2016年にマイアミに行った際に、本国の施行チームから“俺らのステージも負けてないだろ”と言われたんです。その言葉からして日本のチームがいかに素晴らしいのか、完全に認められていると改めて実感しました」

Q.ラインナップ以外のことで、『ULTRA JAPAN』で最も意識している、大切にしていることは?

「お客様目線でいることですね。誰もが楽しく過ごせるように、全てに対してクリエイティブでいることです。

それこそ導線にも配慮した空間作りなど。東京でスタンディングのイベントを行なうことは大変なビジネスでもあるので、訪れた方がいかに快適に過ごせるか、ホスピタリティにはとても配慮しています。

僕ら自身、みなさんが会場をキレイに保ってもらえるようにキャンペーンなどを仕掛けたり、女性も安心して楽しめるようレディースエリアを設けています。
これは『ULTRA JAPAN』においても重要なコンテンツであり、その延長には困っている人がいたらみんなでカバーする、そういった意識をみなさんに持っていただければと思っています」

Q.『ULTRA JAPAN』は会場内で様々なアートを展開してますが、そこにはどんなこだわりがあるんでしょう?

「『ULTRA JAPAN』とアライアンスを組んでいる企業と想いを共有し、会場内の世界観を作り上げています。アートに関して言えば、昨年からOnitsuka Tigerさんとご一緒させていただいていますが、僕らと先方の意識がアート、ミュージックの共存というところで合致し、現代アートも積極的に取り入れています。

もともとマイアミでもアートやドネーションへの意識は強く、僕らはそれをいかに日本らしく表現できるかを重要視しています。他の歴史あるフェスでは確固たる世界観が完成している中で、『ULTRA JAPAN』ならではのものを表現していく、そう考えたときにOnitsuka Tigerさんのような企業がULTRAを理解し、参加してくれるのは本当に嬉しいことだと思っています。

『ULTRA JAPAN』は僕らだけで成立しているわけではなく、アライアンス企業各社がULTRAというプラットフォームを使ってそれぞれのブランディングを新たに作りあげる……そこは他のフェスとは違う魅力であり、お客さんの楽しみでもあると思っています。

ちなみに、もうひとつ他のフェスとの大きな違いとしては、『ULTRA JAPAN』はグッズ販売以外のオフィシャルブースを出していません。というのも、僕らは飲料やお酒のメーカーがそれぞれ自分たちで売りたい、推したい商品をプロとして売ってもらうことが一番美味しいものを提供できると思っているからです。

オフシャルバーを作ることで収入があがる、それがフェスの定説ではありますが、僕らはあえてそれをせず、その分各社が自信を持って商品を売る、そういう仕組みを作ったんです。これは日本のフェスでは初めての試みだと思いますし、『ULTRA JAPAN』の世界観を作るひとつの要素でもあると思います」

Q.この4年間で大きく変化したことはありますか?

「『ULTRA JAPAN』は当初からダンスミュージックへの入り口としての役割を担っていると思っています。そういう意味では裾野は広がったのかなとも。
過去4回の開催でオーディエンスの思想や意識も変化しましたが、それはあくまでオーディエンスの話。『ULTRA JAPAN』自体は変わらずにいることが大事であると思っています。進化する中でも変わらずにいる、それは難しいことでもあるんですけどね。

変化というと難しいんですが、しいて挙げるならば“ファッション”と“音楽性”ですね。ファッションは常に変化していくものですし、音楽面ではトラップとベースミュージックの存在が大きいです。僕らはそういった世界の潮流を捉えながら、なおかつ日本人が好きな音楽を常に提供し続けています」

Q.いよいよ『ULTRA JAPAN 2018』の開催が間近となりましたが、今回の注目点は?

「一昨年はカイゴ、昨年はスティーヴ・アオキと、毎回必ず初出演アーティストをラインナップしてきましたが、今回は満を持してゼッドが登場します。

過去に単独公演でも大きな人気を博している彼が『ULTRA JAPAN』のステージでプレイする……これまでとは違うスケール感、日本最高峰の舞台は、ゼッドのプレイをより一層素晴らしいものにしてくれると思っています。
それはこの記念すべき5周年にオーディエンスに届けたいと以前からこだわっていた部分でもあります。

その他にもギャランティスやニッキー・ロメロ、ジョナス・ブルーといったメロディラインで勝負している、日本人好みのアーティストをラインナップし、一方でDJスネイクやアーミン・ヴァン・ブーレン、そして全世界のULTRAの中でも初出演となるニーナ・クラヴィッツをはじめとしたResistanceを含め、音楽的なバラエティも充実していますので誰もが楽しんでいただけるはずです。

また、実は細かいところでのコラボも考えています。特に、日本人アーティストの間でサプライズを考えているので、彼らのステージにもぜひ注目してください。

ULTRA JAPAN初上陸から5年、ひとつの節目を迎え、今回は集大成のような意味合いもあります。そこで、この5年間で青春を謳歌した方々に、ダンスミュージックの楽しさをもう一度体験してほしい、『ULTRA JAPAN』で体験した楽しさを、5周年の節目にもう一度、大切な仲間とともに味わってほしいと思っています。

今回のラインナップでゼッドにこだわったのも、彼の曲は5年前から色褪せないものばかりで、その輝きをみなさんと共有し、ダンスミュージックの素晴らしさ、楽しさを改めて感じたいからです。

自信を持ってお届けする5年目の『ULTRA JAPAN』、ぜひみなさん一緒に楽しみましょう」

EVENT INFORMATION

ULTRA JAPAN 2018

9月15日(土)〜17日(月・祝)

OPEN 10:00 / START 11:00

TOKYO ODAIBA ULTRA PARK

ADV(3DAY)¥42,000 (2DAY)¥29,000 (1DAY)¥15,000 (VIP:1DAY)¥30,000

Afrojack / Armin van Buuren / Axwell Λ Ingrosso / DJ Snake / Galantis / John Digweed B2B Nicole Moudaber / Nicky Romero / Nina Kraviz / Steve Angello / Sven Väth / Tchami x Malaa: No Redemption / Zedd / Butch / Carl Craig / Cash Cash / Eats Everything / Jackmaster / Jonas Blue / Nastia / Oliver Heldens / Popof / Alyn / Drunken Kong / Goldfish + Blink / Joon Kwak / Junior & Kyle / Justin Oh / Kaiser Waldon / Ken Ishii / Ksuke / DJ Lead / Osamu M / Raiden / Ren Yokoi / DJ Sodeyama / akkyu Ishino / TeddyLoid / Tim Thail / TJO / USEA / Yamato / Yasutaka Nakata / DJ Yogurt and more

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