初冬の候、今年は福岡・博多も連日殊のほか寒さが厳しくも、ひとたび会場に足を踏み入れるとそこは一転、まるで南国、リゾートさながら。
しかも、今年の流行語“インスタ映え”よろしく、店内はなんともオシャレな造作があしらわれた空間に……。

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これは、いまやフェスラバーの間では夏の風物詩となった世界屈指のリゾートフェス『CORONA SUNSETS FESTIVAL』のサテライト・イベント『CORONA SUNSETS SESSION』。
これまで東京や大阪などで開催されていた本イベントが12月15日(金)、福岡・博多に初上陸。2017年の『CORONA SUNSETS』を締めくくるべく、Nulbarichやiri、向井太一、KITONOAを迎えスペシャルなパーティーが開催された。

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CORONAをモチーフとした装飾が散りばめられた店内は、至るところで写真撮影に励む観客たちでいっぱい。オシャレでいて快適、ホスピタリティも抜群で、なおかつフィンガーフード&イベント限定カクテルでおもてなし。

そんなプレミアムな空間で仲間と語らうもよし、お酒を楽しむもよし、もちろん音楽と戯れるもよしと、『CORONA SUNSETS FESTIVAL』仕込みの至れり尽くせり&心地よい空間作りはさすがの一言。

しかも、そんなパーティーが入場無料。体験できるのは、応募の上選ばれた幸運な人のみ。それだけに今回の応募総数は2000通を超えていたとか。

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パーティーはKITONOAのプレイでスタート。
序盤はムーディーに、往年〜最新まで時代を超えたアーバンなセットで空気を作り、温かみを感じさせつつも時折見せるタイラー・ザ・クリエイターなどに思わずニヤリ。徐々にダンサブルなサウンドを織り交ぜつつウォームアップ。

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会場内には“#コロナ エスケープ”というキーワードが各所に散見していたが、“エスケープ”というのは「日常の謙遜からのエスケープ(脱出)」という意味で、自ら強く望んだ末に訪れることができる、まさにそこは極上の空間。それは、観客たちの笑顔を見れば一目瞭然。

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そんな空間作りの最大の要素となっているのは、やはり“音楽”。
KITONOAに続くは最初のライヴアクト、iri。今年はNikeのキャンペーンソングに起用され、『CORONA SUNSETS FESTIVAL』にも出演するなど、より一層開花した彼女は“無理相反”を皮切りに“Wandering”、“Never end”などを立て続けに披露。

そのソウルフルな歌声に身体を委ねるオーディエンス。夕陽にたゆたう時間も良かったが、夜の帳が落ちた後もまた雰囲気満点で、アットホームな空間がiriのストレートな歌声と見事にマッチ。
途中アコギを手にしての“フェイバリット女子”、さらには“会いたいわ”、“ナイトグルーヴ”などを熱唱し、ラストは“fruits”。存在感たっぷりのステージで最後までフロアを魅了し続けた。

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次に登場したのは地元・福岡出身、Iriとは異なる快活なサウンドでオーディエンスを煽動する向井太一。
冒頭“FLY”に“FREER”、“Can’t Wait Anymore”とアップテンポなサウンドで飛ばし、その後はアコースティックな“君にキスして”で一気にしっとり。この緩急もまた彼の魅力と再確認。

その後、再びアップな“YELLOW”、そして“Great Yard”や“SLOW DOWN”など様々な音楽性を垣間見せ、そのポテンシャルの高さを証明しながら、最後は11月にリリースしたばかりの最新作「BLUE」収録の“空”で見事に〆。

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そして、ラストはNulbarich。
今夏のフェスで大活躍。最も躍進したアーティストと言っても過言ではない彼らのステージを前に、もはやフロアは超満員。とにかくジャジーでファンキー、なおかつソウルフル。ジャズ〜アーバン、ブラックミュージックの系譜を辿りながら、ポップやロック、ダンスの要素も織り交ぜつつ、さらには鮮烈で美しくも儚い情感もたっぷり。その音楽性はまさにスペシャル・ワン。

“Lipstick”に“I Bet We’ll Be Beautiful”からの“Spread Butter On My Bread”。ときに間髪入れず、そのまま地続きで曲を繋ぐ即興感もまた最高で、それも全く異なる楽曲をフラットに繋ぐことこそ彼らの十八番。
その後も“On and On”や“NEW ERA”など、個性溢れるグルーヴ感で会場をロックし、ラストは“Follow Me”で大円団。弾けるビート、絶え間ないグルーヴに集まったオーディエンスのハートは震え、博多の夜は名残惜しくも幕を閉じた。

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コロナが標榜する“This is LIVING(これが人生だ)”。

人生は人の数だけあり、それぞれ違うが、いかに有意義なものにするか……忙しない生活の中でもいかによりよい時間を過ごすのかが人生の命題だ。
それをひと時でも叶えるべく開催される『CORONA SUNSETS SESSION』。音楽やお酒で仲間と楽しむのはもちろん、徹底的にビジュアライズされたフォトジェニックな空間もまた昨今のSNS世代にはたまらないものだったに違いない。

そして、それは福岡に先立ち11月25日(土)に東京・青山BA-TSU ART GALLERYで行なわれた『CORONA SUNSETS SESSION』もそう。
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PAELLAS、FIVE NEW OLD、Kan Sano、EITAという4組のアーティストが極上の空間を演出していたが、双方から感じられるのはその居心地の良さ。そして、アーティストとの絶妙な距離感が成し得るライヴ感。

その他にも様々な魅力がたっぷりで、誰もが思い思いの時間を謳歌していた『CORONA SUNSETS SESSION』。
次はいかに優雅な時間を提供し、人生を彩ってくれるのか、2018年も期待したい。