現行ダンスミュージックシーンを席巻する一大潮流:EDM。そのムーブメントの中で長らく中心を担ってきた国、それがオランダだ。

特集第一弾では、そんなオランダでダンス・ミュージックが成熟してきた背景を紐解いた。
また、続く第二弾ではオランダが誇る14組のアーティストのうち7組の功績と代表曲を解説している。

第三弾となる本稿では、第二弾で紹介しきれなかった7組の活躍と、それぞれの必聴曲に触れていこう。

なお、ハードウェルについては2本の特集があるのでそちらを参照してほしい。
特集① 世界が認めたNo.1DJ ハードウェルの驚愕のキャリアとは
特集② EDM界を席巻する若き帝王 ハードウェルが王者たる所以

Above & Beyond

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1|美しきメロディで魅了するシーン屈指の実力派トリオ

ジョナサン・グラント、トニー・マッギネス、パーヴォ・シリャマキの3人のミュージシャンによって2000年に結成されたアバヴ&ビヨンド。当時、世界的に大流行していたトランス・シーンにおいて、オリジナリティ溢れるメロディセンス、そしてアッパーかつドラマティックなサウンドで確固たる地位を築くことに。

現在もトランス〜EDMシーンで衰えることなくその手腕を存分に発揮しているが、美しくも壮大で涙さえ覚えるそのメロディは時代を超えて愛され続け、その実力はマイアミで開催されている一大ダンスアワード「International Dance Music Award」でも毎年高い評価を受けている。
名実ともにダンスミュージック界最高峰のメロディーメイカーと言える。

2|アンダーグラウンドからポップシーンまで、世界を席巻

彼らのブレイクのきっかけとなったのは、2001年に手掛けたマドンナ“What It Feels Like for a Girl”のリミックス。世界中のフロア、さらにはメジャーシーンでも大きな話題となり、彼らはその後ダイドやブリトニー・スピアーズといった世界的アーティストのリミックス、さらにはプロデュースを行うことに。
その活躍はダンスミュージックシーンの枠組みを超え、メジャーシーンにも大きな足跡を残している。

また、アクトとしての人気も高く、「Ultra Music Festival」や「Electric Zoo」、さらには「Glastonbury Festival」といった世界的フェスでヘッドライナーを務めており、2014年にNYで開催された単独ギグ「ABGT100」もチケットは即完。世界中の音楽ファンが彼らのギグを求めている。

3|トランス〜EDM さらにはクラシック そして再びダンスの頂へ

活動初期はトランス界で台頭した彼らだが、その後シーンの移り変わりとともにEDMへと移行。
だが、2013年に発表したアルバム「Acoustic」では、そのタイトル通り突如アコースティック・サウンドへと変貌。これには世界中が驚嘆しつつも、各メディアから賞賛の嵐。現行シーンで活躍するトップアーティストたちも拍手喝采し、スクリレックスに至っては、彼らのライヴに飛び入り参加し、そのスタイルをステージ上で絶賛したとか。

そんな彼らが、新作「We AreAll We Need」では再びダンスミュージックへ。盟友ゾーイ・ジョンストンとの表題曲をはじめ、今作ではさらに進化したアバヴ&ビヨンドならではの最新ダンスミュージックを披露している。

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Above & Beyond「We Are All We Need」
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Nicky Romero

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一躍メジャーに踊りでたEDMシーンの寵児

バーで働きながらDJとしてプレイ、さらにはトラック製作の道に踏み込んだニッキー。
2010年にリリースした“My Friend”がデヴィッド・ゲッタやティエストたちにプレイされ、アヴィーチーとのコラボ“I Could Be The One”がUKチャート1位を獲得。
現在はレーベルProtocolを主催しつつ、三大EDMフェス『Ultra Music Festival』、『Tomorrowland』、『Electric Daisy Carnival』ではヘッドライナー。また、リアーナやブリトニー・スピアーズらをプロデュースするなど、ポップ界隈でも精力的に活躍中。『ULTRA JAPAN 2015』で待望の初来日が決定した。

Tiesto

tiesto

世界で初めてオリンピックの大舞台でプレイしたリビングレジェンド

EDM/トランス界レジェンドDJのひとり。『DJ Mag』のランキングでは2002年から2004年にかけ、3年連続でDJの世界一に選ばれた。
そんな中2004年に開催されたアテネ五輪では、何十億という人々の視線が集まる中、オープニングセレモニーで史上初めてDJとしてプレイ(その姿はスーパールーキー:マーティン・ギャリックスの心に火をつけた)。
最新アルバム収録の“Written In Reverse”ではハードウェルやマシュー・コーマとコラボ。某誌によると総資産約106億円、年収もハードウェル以上の稼ぎ頭だ。

Blasterjaxx

blasterjaxx

トップ10入りも間近? 躍進めざましい俊英ユニット

トランス~プログレッシヴハウス系新進ユニット。2013年の『DJ Mag』ランキングに初エントリーでランクイン、昨年は71位→13位と実に58ポイントアップの大躍進を遂げた。
『Electric Daisy Carnival 2014』『Ultra Music Festival 2014』『Creamfields 2014』といった大型フェスに出演。昨年公開した“Titan”のMVは600万再生を突破している。
実は浜崎あゆみのリミックスを手がけたことがある。

R3hab

r3hab

フロアでの機能性に定評あり!バウンス界の旗手

昨今猛威を振るうバウンス系EDMアーティストの一人、リハブ。
カルヴィン・ハリスやティエスト、LMFAO、さらにはマドンナやレディー・ガガなど、メジャーアーティストのリミックスを多数手がけその実力を発揮。トラックメーカーとしても一流で同じくバウンス系のデュオ:ヴィナイとコラボした“How We Party”や“Samurai (Go Hard)”など、フロアでの機能性の高さに定評がある。
『electric zoo beach Tokyo』での来日が決定しており、幕張海浜公園で最先端のエレクトロ・ハウスが轟く!

Dyro

dyro

シーンの一翼を担うハードウェルの秘蔵っ子

世界トップDJ:ハードウェルやW&Wとともに、レーベルRevealed Recordingsの中心的なアーティストのひとり。
シンガーソングライター:ヘザー・ブライトを迎えハードウェルと共作した“Never Say Goodbye”がヒットし『DJ Mag』では初エントリーでトップ30入り、2014年は30位→27位と着実に支持を獲得中。
昨年末にはベースジャッカーズとコラボ曲“X”をリリース、ともにツアーに出演中だ。

Ummet Ozcan

Ummet-Ozcan

チャートを賑わす名トラックメーカー

トランス出身のスターDJ。2011年に“Reboot”がBeatportで7週連続1位に。近年でもリハブやナーヴォとコラボした“Revolution”がBeatportで3週以上に渡って総合チャート1位を獲得するなど着実にフロアをロック。
YouTubeで公開中のMVが1億7000万再生を突破中のこのトラックに続き、昨年は“Raise Your Hands”や“SMASH!”を立て続けにリリース、各地のフェスやクラブを席巻した。