そこに詰まっているのは“ミライノサクラ”……東京タワーという日本が誇る大木のもとに用意されたその立方体は、まるでおもちゃ箱のように楽しく、びっくり箱のように驚かされ、そしてそれは苦難に喘ぐエンターテインメントの明るい未来を指し示すかのような、いつかはその意味と意義がはっきりとわかる、そんなブラックボックスのような……もしくは今後のエンターテインメントの兆し、球根のようなもの……なんて様々な思いが駆け巡った配信ライヴ「#ミライノサクラ」。
4月11日(日)、“一生に一度の桜を未来へ”をテーマにglo™がblock.fmとともに開催したこのイベントは、日本のエンタメを牽引する東京タワーの麓より配信。会場にはキューブ型のステージが用意され、その中でSKY-HI、☆Taku Takahashi、tofubeats、ぷにぷに電機、RHYME SOの5組がライヴを敢行。人数限定で招待客も招かれ、みんなドライブインでライヴを堪能。
まず登場したのは、ぷにぷに電機。あらゆる音楽をフラットな感覚でものの見事に乗りこなし、新しくもあり懐かしくもあるサウンドがキューブを通し、そこにVJ映像が重なると、その世界観はエモ言われず、“君はQueen”や“empties”はとにかく最高。
続くネット世代の先輩tofubeatsはさすがなもので、東京タワー映えするオリジナリティ溢れるカラフルなセット。そして、ラストの“水星”で感無量。音楽の素晴らしさを最確認させてくれた。
さらには圧巻だったRHYME SO。キューブの中でライヴを行い、その模様が加工されてキューブの外側にリアルタイムに投影される、そんなステージを彼らは最も見事に乗りこなし、それはまさに新たなアートフォーム。音楽と映像、そしてパフォーマンスとのリンクがとにかく絶妙。“Fashion Blogger”など彼らの楽曲が迸る中でも、格別だったのは“Just Used Music Again”で、スターダストの“Music Sounds Better With You”との超絶マッシュアップは胸熱だった。
後半、SKY-HIがラストに向け、さらにギアを上げる。“何様”や“Sky’s The Limit”などの他、カニエの“Power”やビースティの“Ch-Check It Out”、ニルヴァーナの“Smells Like Teen Spirit”といったアンセムをマッシュアップし、サクラとあってか彼にしては珍しいチェリーブロッサムな衣装で壮絶なパフォーマンスを披露。
そして、最後は☆Taku Takahashi。冒頭から宇多田ヒカルの“DISTANCE (m-flo remix)”で、プレイバック「エヴァ」、もしくはソーシャルか、いやはやいつの日か抱きしめるようになるためなのかと、いろいろ妄想していたらハウス〜ヒップホップ〜ドラムンベースまで縦横無尽していて、ラストもまた宇多田ヒカルの“桜流し”のリミックスと、サクラ締めで大円団。
見上げればオレンジ色のサクラのような東京タワーが輝く中、フェスの大きなステージもいいけれど、決して大きくはない立方体からでも素敵なライヴは発信できるし、そのステージ、表現も無限大。様々な可能性も感じた1日だった。また次の機会が楽しみ!
「#ミライノサクラ」