壊れたテレビや扇風機に黒電話など、古い電化製品を使って新たな楽器を生み出し、パフォーマンスを行ってきたアーティスト/ミュージシャンの和田永。彼が10月16日に常陸大宮市の合併10周年イベントで行ったライヴの動画が公開中だ。
和田は大学在学中から活動をスタートし、2009年からはオープンリールレコーダーを楽器として用いた音楽ユニットOpen Reel Ensembleの一員として活躍。
ブラウン管テレビを楽器として演奏するパフォーマンス作品「Braun Tube Jazz Band」にて第13回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞。
ISSEY MIYAKEのパリコレクションの音楽を担当するとともに、バルセロナで開催されている世界最高峰のメディアアートの祭典『Sonar』や『Ars Electronica Festival』といったアートフェスティバルにも出展。
これまでに黒電話のベルを電子制御して奏でる『黒電話リズムマシン』や換気扇とオーバーヘッドプロジェクターとDJミキサーを組み合わせた『換気扇サイザー』など、ユニークな楽器を生み出してきた。
そんな彼が2015年にスタートさせた新しいプログラムが「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」。
これは和田があらゆる人を巻き込みながら古家電を楽器へと進化させ、量産し、新たな奏法を編み出しオーケストラを作り上げていくプログラムだ。
その活動拠点となる「NICOS LAB in 日立」が大手家電メーカーHITACHIの町、日立市にある。さらに和田は現在開催中(11月20日まで)の『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』に作品を出展しており、10月16日には『KENPOKU ART 2016』と常陸大宮市の市制施行記念日のコラボイベントに出演。
当日は常陸大宮市の道の駅で『エレクトロニコス・ファンタスティコス!in 日立』の出張ワークショップが行われ、パフォーマンスが行われた。
パフォーマンス中には、8月にお披露目されたばかりの新楽器:扇風琴も登場。羽の回転によって起こる光の明滅を電気信号(音)に変えて音を出すというシロモノだ。
現在、日立シビックセンターにて彼の作品『日立電輪塔』が展示中。
また11月19日(土)には同マーブルホールにて、『エレクトロニコス・ファンタスティコス!in 日立』の集大成となるライヴが行われる予定だ。