先日、渋谷のスクランブル交差点で突如発表されたエイフェックス・ツインの約17年ぶりとなるミュージックビデオ。
これは彼が世界同時リリースした最新EP「Cheetah EP」の収録曲“CIRKLON3 [ Колхозная mix ]”のために作られたもので、監督はなんと年齢12歳の少年。
ちなみに彼は映像内に出演もしており、エイフェックス・ツインのマスクを被ってダンスを披露している。
このミュージックビデオは6月21日、渋谷の街頭ビジョンで世界で初めてゲリラ披露され、その模様は日本でも大いに話題になった。
そんなエイフェックスのミュージックビデオと言えば、欠かせない男がいる。
それはビョークやマドンナ、オウテカやスクエアプッシャーなどのミュージックビデオや、ソニーや日産自動車などのCM、Audiとコラボしたインスタレーションなど幅広く活躍するイギリスの映像クリエイター:クリス・カニンガム。
2人はこれまでに幾度となくミュージックビデオをはじめとする映像作品でコラボし、数々の傑作を生み出してきた。
今回はエイフェックスの久方ぶりのミュージックビデオの発表を記念し、このゴールデンコンビによる映像を改めて振り返ってみたい。
その類い稀なる映像の数々は、今見てもやっぱりスゴかった!
Come to Daddy
エイフェックス・ツインの顔をした子供たちが集団で暴れている路地裏で、老婆がTVから出てきた男に威嚇される不気味なMV。
クリス・カニンガムが16歳くらいのころ、森の中でハンマーを持った子供たちに追われたことに着想を得たとか。
1998年、「MTV Video Music Awards」の最優秀特殊効果賞にノミネート。
Windowlicker
エイフェックス・ツイン顔の水着ギャルがいっぱい出てくるパンチの効いたMV。
冒頭のリムジンがやたら長かったり、登場する男たちがやたらFワードを連呼したりする点は、ヒップホップのMVにありがちな要素をパロディ化したものだそう。
2000年には「Brit Awards」の最優秀ブリティッシュ・ビデオ賞候補に。
Monkey Drummer
エイフェックス・ツインの“Mt Saint Michel + Saint Michaels Mount”を使ったクリス・カニンガムの映像作品。
内容は6本の腕と股間にドラムスティックを装備したロボットがドリルンベースを演奏するというもの。
ノルウェー出身のドラマーSigtryggur Baldurssonがドラムを叩く映像に機械の体を合成して作られた。
Rubber Johnny
Warp Filmsからリリースされたクリス・カニンガムの映像作品。
突然変異で身体を自在に変化させることができるようになった子供が閉じ込められた地下室で、自分自身を楽しませるために踊る様を描く。
エイフェックス・ツインが本作に楽曲を提供しており、映像と楽曲のシンクロぶりも見モノ。
Aphex Twin
『Cheetah EP』
Warp Records / Beat Records
発売中
エイフェックス・ツイン
AFX、ポリゴン・ウィンドウなど複数の名義を使い分け、テクノ〜ドリルンベース〜アンビエントなど多彩な楽曲を発表しエレクトロニックミュージックシーンを牽引するWarpの象徴的人物。2014年、13年ぶりのオリジナルアルバム「Syro」がグラミー賞を受賞。2016年、最新EP「Cheetah EP」をリリース。