1月30日(日)で20年に渡る歴史に幕を閉じる、多くのファンに愛された新木場ageHaに愛を込めて……。
FLOORなりに新木場ageHaの栄光の歴史を振り返る「アゲハ・クロニクル」。ラスト第四弾は、今なお記憶に残るあの感動をもう一度、そしてageHaのフィナーレに寄せて。
※第一弾はhttps://floormag.net/ageha-chronicle01/
※第二弾はhttps://floormag.net/ageha-chronicle02/
※第三弾はhttps://floormag.net/ageha-chronicle03/
ダニー・テナグリアにデリック・メイ、ジュニア・ヴァスケス、カール・コックス、ファットボーイ・スリム、ポール・ヴァン・ダイク、アーミン・ヴァン・ブーレン、フランキー・ナックルズ、ティエスト、デヴィッド・ゲッタ、エルナン・カタネオ、カスケード、デッドマウス、ディプロにスティーヴ・アオキ、アンダーワールド……2002年12月のオープン以来、登場したアーティストは数知れず。日本屈指のエンターテインメントの極致は絶えず熱狂、沸騰、歓喜の渦に。
20年といえば、人がこの世に生を受け、大人になるほどの時間。その膨大な時の中、そこでいかに日本のシーンが熟成され、同時にどれだけの人の笑顔を生み出し、成長を促してきたのか……それを考えただけでもageHaの存在の大きさに頭が下がる。
そして、その長い歴史の中ではダンスミュージックシーンも大きく進化。こと後期、テン年代におけるその象徴、最たるものが“EDM”で、それは世界中に多くのファンを生み出し、パーティの枠組みを拡大していったが、日本でそれを助長、確固たるシーンへと押し上げたのは間違いなくageHaあってこそ。既存のクラブの概念を刷新する広大なスペースを誇るARENAはEDMの高揚感、一体感、享楽感を、その抜群の音響、開放感、演出を持って倍増。格別の歓喜を創出した。それこそオーディエンスの歌声が響き渡るあの空間に何度喜び、感極まったことか(“Titanium”とか“Clarity”とか、そして“One More Time”とかがかかるともう大変!)。
そうした中で当然記憶に焼き付いているパーティも数知れず。例えば2013年の「CLASH × GAN-BAN NIGHT」。若かりしポーター・ロビンソンの愛しくも狂気的なセットとエレクトロを通過したデジタリズムの生き様に震えるほどヒートしたし、2014年の「THE WONDERLAND」でのスティーヴ・アオキ、2015年の「WORLD CLASS」のジョーズも鼻血が出るほどのディープインパクトだったが、とりわけ発狂間近の悶絶モノだったのはアフロジャックの初ageHa。“Take Over Control”、“No Beef”、“Rock the House”からの“Turn Up the Speakers”の頃で、あの極彩色で圧倒的なユーフォリアたるや……世界のビッグフェスを沸かせてきたその手腕を体感できる悦びはまさに悦。その後もageHaには度々出演していたが、毎回本当に素晴らしかった。
その他にも猛烈に強烈過ぎたイエロー・クロウの初来日、アニバーサリーでのW&Wも圧巻だったし、とりわけ衝撃的だったのはオリヴァー・ヘルデンス。イントロから鳥肌もので、あまりの楽しさに周囲がちょっと輝いて見えたというか、時間を忘れて踊った思い出が。“Gecko”に“Koala”、“Flamingo”マジ最高。その他にもニッキー・ロメロやドン・ディアブロ、アラン・ウォーカー(“Faded”大合唱)、そして忘れちゃいけないサンホロ。あれは本当にヤバかった。
まさに世界が渇望するビッグフェスティバルアクトのオンパレードだが、もちろんEDM以外にもルチアーノやリッチー・ホウティン、ニーナ・クラヴィッツ、さらにはMAWなどハウスにテクノ、そして世紀を跨いで活躍する大物の数々。そのどれもが輝かしかったし、パーティも多種多様でVelfarre・CyberTRANCEとコラボしたり、「TOMORROWLAND PRESENTS UNITE -THE MIRROR TO TOMORROWLAND-」なんてものも。そして思い出すのは年に数度開催されるサイケデリック。それこそ「MOTHER」や「OZORA」、「TIP FESTIVAL」など、あの溢れ出る多幸感、陶酔感もageHaだからこそ。
まだまだ、まだまだ思い出は尽きないが、それほどまでに人々の記憶に残る、言い換えれば純粋に楽しく、そして幸せなパーティを数多く開催してきた証左。その思い出の中には素晴らしい音楽、さらには人と人との出会い、人生を変えるようなこともたくさんあったと思う。ただ、ラブストリーは突然のように、終わりも唐突にくるもので、このコロナ禍を生き抜く中、ageHaは借地契約満了に伴いその活動を終了する。とても残念ではあるが、音楽、そしてエンターテインメントはこれからも続いていくだけに、ageHaで生まれた出会い、そして残された遺伝子がこれからの世の中の至るところで花開くことを期待したい。
ただ、最後に新木場ageHaのあの空間を……あの真紅のスピーカーに思わず身体を熱くするあのサウンド、みんなで飲んだバーカウンター、夏の戯れプール、様々な刺激的な出会いがあったテントなど、その全てをしっかりと焼きつけておくべく、愛と涙に溢れるであろう1月28日(金)、29日(土)、30日(日)、ラストの3日を楽しみたい。
泣いても笑っても、新木場ageHaはいよいよ30日(日)でフィナーレ!
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ageHa