ミレニアムの喧騒も落ち着き、誰もが希望に満ちた21世紀を歩み始めていた2002年。その師走に新世紀をより謳歌すべく東京・新木場に誕生したageHa。それから約20年……数多のハイライト、感動を生み出し、時に歓喜とともに感涙で溢れた日本屈指のエンターテインメントスポットが2022年1月30日、惜しまれつつも借地契約満了に伴いその活動を終了する。

これまでFLOORも度々レポートし、それこそスタッフが普通に遊びに行っては楽しませてもらったが、その感謝とリスペクト、さらには愛を込めて……今回はageHaのヒストリーを参考に記憶を振り絞って栄光のageHaの歴史を振り返ってみたい。

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#AGEHAFINAL
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まずは記念すべきオープニング。ageHaの本拠は“新木場”。まさか新木場、されど新木場。その立地に湾岸ミッドナイト復権に胸膨らむ人がいた一方で渋谷・新宿・六本木などのクラブ激戦区から離れ「とおっ!」ってな意見も飛んだが、現地に行くとその声は驚嘆に。絢爛豪華なその内装は当時のクラブとは全く異なる仕様で、アリーナに吊るされたあの赤いスピーカーたるや……華美なディスコ大箱を彷彿とさせながらも21世紀版に見事にバージョンアップした姿に誰もが喜び、期待した。

始まりは聖夜。クリスマスキャロルが流れる頃にレセプションが行われ、その後のプレパーティには“Jaguar”でおなじみDJローランド(めっちゃジャガってた)。さらにはハウス界の巨匠ティミー・レジスフォードにルイ・ヴェガ、そしてディーヴァ:ジョセリン・ブラウンにロレッタ・ハロウェイと恐悦至極の大盤振る舞い。極め付けはカウントダウンにグランドオープン、そこに登場するは当時マイアミWMCやULTRAで大活躍のロングプレイ大王、往年のハウス〜ハードハウスファンにとっての神というよりモンスター、ダニー・テナグリア。グランドオープンにして3,000人を動員となんともageHaらしいスーパーな幕開けだった。

当時を振り返ると、芝浦GOLDなどを経て西麻布Yellow、青山MANIAC LOVEといった名門がありつつ、一方で今やトー横でお馴染みの場所にはLIQUIDROOMやCODEがあったり、渋谷には老舗とともにWOMBの出現で新たなシーンが胎動するなど個性豊かな店舗が跋扈するクラブ戦国時代。その上、テン年代のように大規模ダンスミュージックフェスが多発していたわけでもなく、そんな中でことさら広大なスペースを誇るageHaはある種のテーマパークとして日本のクラブシーンに確固とした存在感を放っていた(特にあの天井高は圧巻だった!感動した!)。

また、オープンしてすぐさま日本ハウス界の至宝EMMAとデトロイトテクノの王デリック・メイが3ヶ月間レジデントというかつてない試みも話題に拍車(当時デリック・メイが日本に住んでた説があったり&本人は品川に住みたいって言ってた(取材者談))。その後もジュニア・ヴァスケスにカール・コックスなどな滅多に日本で見ることのできないビッグネームを招聘するなど、さすがageHa、貫禄十分(特に初期のageHaはジュニア・ヴァスケスのイメージ大、ヴァスケスのラスト日本公演もageHaでその日もスゴかった!)。

そんな中でも記憶に残っているのは2004年4月の「DOUBLE TROUBLE 04」。その名通り海外のビッグネームがダブルで登場するというこのイベント。当時“E Samba”に“Da Hype”、そして“Stupidisco”と胸熱チューン連発のジュニア・ジャックが登場し(あとはKid Crèmeも)、超絶享楽的な夜に腰砕けになった思い出が。あとは、その翌年ぐらいにはアーマンド・ヴァン・ヘルデンも来ていた気が……。

その後もageHaの看板イベントとして一斉を風靡した「DIMENSION K」、トランス界の大物が続々登場した「MAGNIFICENT」、テクノの狂典「CLASH」、そして「BIG CONNECT」、アーバンスマッシュパーティ「FEVER」など人気パーティが続々とスタート。その他にも一夜限りのビッグパーティがいくつかあったのに思いだせないという体たらくに自分でもうんざりするが、ヤバかった思い出というのは残っているもので、とりわけ感動したのは「MAGNIFICENT」でのアーミン(ヴァン・ビューレン)様。記憶に新しいのは2018年「ULTRA JAPAN」のスーパーセットだが、ageHaでの初陣(たしか)2005年、当時は登り竜としてゴリゴリ活躍していた血気盛んなの頃で鬼トランシー。そして、2007〜2010年にはDJ magのTop 100 DJsで前人未到の四連覇と破竹の勢いを見せ、そんなスーパースターになっても度々再登板。常に超パワフル&エモで大歓喜・大喝采だった記憶大。

さらには今なお現役バリバリ、当時は世界最ファンキーの名を欲しいままにしていたファットボーイ・スリムの2デイズも(2005年)。あの頃のファットボーイは2002年に25万人を集めた伝説のギグ「Big Beach Boutique」を敢行し、まさにノリノリ。大物繋がりでいえば、2006年にはダンスミュージック界の帝王ティエストもプレイ。2006年にはEDM前夜のハウス貴公子デヴィッド・ゲッタが来ていたり、その後もいち早くデッドマウスやディプロを招聘するなど本当に多くの大物がプレイ。きっときっとみんなここで世界に名だたる大物DJを初体験、ageHaは数多くの世界的DJバージンを奪った場所と言えるはず……。

続きは次回!

とにもかくにも新木場ageHaは泣いても笑っても1月30日をもって活動終了。日本の一時代を創ったその最後の目に焼き付けろ!

ageHa

http://www.ageha.com