実業家として大成し、38歳で光芒一閃、本気でDJ・アーティストの道へ。異色のキャリアで異彩を放つMARVY。これまでのインタビューでは彼のルーツ、経歴、そしてDJとしてのアイデンティティなどを伺ってきたが、ラストとなる第三弾では2026年に始動した新たなパーティ「CARNIVAL」をクローズアップ。

“民度が高い人たちが集まるパーティを作りたい”

下手をすれば誤解されそうな言葉だが、その裏には確固たる思い、社会経験豊富なMARVYの信念ともいえる真意が隠されていた……。

さらに、今回はMARVYが理想のパーティと語るメキシコ・トゥルムの「Zamna」についても言及。世界中のアーティストが集い、1年のダンスミュージックの潮流を占う上でも注目されているその全貌、そしてそこで今年垣間見えた2026年の流れとは? 世界のトレンドを追求するMARVYだからこそ知り得る、ダンスミュージック最前線!


>>>実業家からDJへ…異色の経歴が糧となり世界を目指すMARVYインタビュー#1 そのルーツ&大きな挑戦に迫る

https://floormag.net/marvy0001/

>>>MARVYインタビュー#2 日本で根付かせたい愛のあるダンスミュージック、そして正解のない音楽の可能性

https://floormag.net/marvy0002/

◆日本で最もイケてるパーティ、空間に…

――2026年2月現在、「CARNIVAL」はプレと#1の2回開催されていますが、映像や演出、雰囲気など、その世界観は海外のパーティのようですね。

MARVY:世界は常に意識しています。最終的には世界のトップアーティストがプレイしたいと思うパーティにしたいので。「日本でイケてるパーティといえばCARNIVAL」というような存在を目指しています。

――パーティを行う上で重視していることはありますか?

MARVY:たくさんありますが、わかりやすい指標のひとつというか、僕は持論としてクオリティが高いパーティには“美女”が集まると思うんです。そして、クラブにも絶対に美女が必要。やっぱり男性は美女が好きですからね。美女がいるか・いないかでモチベーションは全然違うし、それも立派な魅力のひとつじゃないですか。

では、どうすれば美女が集まるのか。美女はやっぱり美しいもの・素晴らしいものに集まると思うので、そうした部分のクオリティに関しては妥協したくないですね。

――「CARNIVAL」が目指す理想のパーティは?

MARVY:もちろん満員のフロアでみんなが楽しむことは前提で、ただ、騒がしい音楽で上がるのではなく、”クールでイケてる空間に対して上がる”という感性を体現していただきたいです。なんだ、この異様な雰囲気は、CARNIVALでしか体感できない空気だ。って大人の色気満載の空間こそこの東京に作っていきたいですね。

自分がいいと思うものを発信して共感者を増やすことに僕は生きがいを感じるし、そこに存在価値を感じるんですよね。ビジネスでもそうでした。共感してもらうことが大切なんですよ。そして、最終的には圧倒的な存在になりたいですけど、必ずしも一番になる必要はなく、一人でも多くの人に共感して楽しんでもらいたい。それだけですね。

――まさにDJってそういうものですよね。自分の世界を作ってみんなで一緒に楽しむ。DJとしてはどうなりたいですか?

MARVY:「彼は周りを楽しませることに尽力してる」、「いい人間性だよね」と言われるのが一番嬉しいんですよね。

――人間性重視、人柄を見てほしいと。

MARVY:僕は“for you”、“ギブ(give)”の気持ち・精神が何よりかっこいいと思うし、みんながその気持ちを共有することが世界をよりよくするために最も必要なことだと思うんです。だから“世界一ギバー(giver)なDJ”と思われたい、愛のあるDJになりたいです。

――CARNIVAL」はMARVYさんの他、Nao NomuraさんとTENTENさんがレジデントをつとめていますがみなさん個性的ですね。

MARVY:Naoさんは大阪のDJで、東京では知らない方もいると思うんですけど、その実力は確実に世界に通用すると思っています。

――海外のDJのようなプレイをしますね。

MARVYただ単にアゲるって簡単なんですよ。わかりやすい曲をかければいいので。でも、CARNIVALはメッセージを発信して、トレンドを楽しいでほしい。自分の知らない世界の発見と新鮮な刺激と興奮を感じてほしいので、それが体現できる人、そう考えた時にNaoさんは最適だなと。

TENTENはまだ21歳ですけど、人間性も面白くて、すごくピュアで、本当にイケてるDJですね。何より40歳の僕が教わることが本当に多いんですよ。僕は彼は日本で一番世界を見てると思います。常に世界中のフェスやクラブを巡って、最新のダンスミュージックを掘りまくってますから。

一般的に“感度が高い”と言われる人がいると思うんですけど、僕はそういう人の多くは努力をしてきた人だと思うんです。ごく稀にそうじゃない人がいるかもしれませんが、基本的に努力しないとその領域に辿り着けないと思うので。何かを追求することで感度が高くなるし、彼らは“深み”、人生における“新しさ”や“違い”を求めている。そういった人たちにCARNIVALを届けたいですね。

語弊を恐れずにいえば、僕は民度が高い人たちが集まるパーティを作りたい。それは細分化すると社会性、節度があって、なおかつ努力している人たちのことで、イコール“利他”の精神がある人だと思うんです。他人のことをしっかりと考えられる人こそ世界をよりよくすることができると思うし、僕はそういう人たちが集まれる、楽しめる環境を築きたいんです。

――それは至高の空間ですね。

MARVY:それに近いのがメキシコ・トゥルムの「Zamna」で、本当に素晴らしい空間なんですよね。

◆1年のシーンのトレンドを占う“トゥルム”とは?

――“トゥルム”ってどんなところなんですか?

MARVY:例えるなら昔のイビサのようなところですね。開発前夜、盛り上がり始め当初の。トゥルム自体は海沿いの街で、カンクンから車で1時間ぐらいのところにリゾート地があるんですよ。そこはタクシーもあまり通っていないし、Wi-Fiも弱い、まだまだ未開の地で、そこで年始に様々なパーティが開催されているんです。

一部のアーティストの間では“年始はトゥルム”という文化が定着していて、近年ミーハー化されてしまったと噂されるイビザに比べてピュアにダンスミュージックを楽しむ、感度の高い人が集まっているんです。僕も始めて行った時は本当に衝撃的でしたね。バックステージに行くと全員めちゃくちゃオシャレでイケてる人ばかり。「Afterlife」のクローズパーティなんか本当にすごくて、20歳の頃に初めてクラブに行った気分になりましたから。

とにかく刺激的で、自分の知らない世界があってワクワクしたし、何より「自分もここで通用するアーティストになりたい!」と人生の新しい目標ができて、それがエネルギーの新たな源になった。CARNIVALもそういう場所にしていきたいんですよね。

――今年も行かれたということですが、印象に残っているパーティは?

MARVY:トゥルムでは10日間に渡っていろいろなパーティが開催されているんですけど、まずは「Zamna」という大きなプラットフォームがあるんですね。その中に「X」や「Mayan Warrior」、「NO ART」、Marco Carolaの「MUSIC ON」とかが詰まっている感じなんですけど、年始に開催されているのでDJたちの2026年の方向性の発表の場でもあるんです。ここから1年の新しい潮流が生まれる。そういったことふまえて今年一番良かったのはANOTRですね。圧倒的に。

――どんな感じのセットだったんですか?

MARVY:ハウスですね。ディスコハウスっていうのかな、それが現代風にアレンジされた感じ。他にも多くのDJがハウスをかけてました。

――ハウスの流れは近年ちょっとありますよね。

MARVY:そうですね。一周して戻ってきた感じがありますね。あとはメロディックテクノ/ハウスの反動もあると思います。クールなサウンドからの変化。今後はハウス回帰の流れが加速するかもしれないし、その辺りはCARNIVALでも発信していきたいですね。

あと、今年のトゥルムで面白かったのは、David Guettaが「Zamna」でDJしていたんですよ。どんなプレイをするのか見に行ったら、「Zamna」なのでちょっとテクノに寄せたセットになっていたんですけど、それは誰も求めていない雰囲気が流れていて。みんなDavid GuettaにはDavid Guettaらしいプレイをしてほしいっていう空気があって、テクノっぽいテイストに少しがっかりしてた様な風潮が見えたんですよ。

なぜそうなったのか自分でも考えてみたんですけど、David GuettaにはDavid Guettaという“ブランド力”があって、きっとそれはもうシーンとか関係ないんですよね。“レジェンド”と言われる存在は“その人らしさ”が求められている。もちろんDavid Gueetaはオーディエンスを楽しませる為に寄せたと思うのですが、それを見て、やはり自分のカラーを一貫性持って貫き通す事の大切さも学べたし、個性を確立するとあの大きな場でも、寄せる必要や、型にハマる必要もないのが音楽という自由の素晴らしさだなって気付きもあって、僕のように“シーン”にとらわれているようではまだまだ未熟で、レジェンドになるとそれを凌駕する。それもまたひとつの目標になりました。

◆人生をかけて…MARVYのあくなき挑戦

――現在はDJだけでなく楽曲制作も行っているんですよね。

MARVY:今はDJより、むしろいい曲を作ることに集中しています。(2025年にリリースした)Armada Music傘下のDAYS like NIGHTSから2枚目のリリースは決まっているんですけど、もっともっとリリースしていきたいし、自信がある曲がまだまだあるので楽しみにしてほしいです。

――楽曲制作ではどんなことを意識されているんですか?

MARVY:僕は“クール”、“ムード”、“エネルギー”の3つの要素がある曲が個人的にタイプでして、この要素を意識してますね。

――楽曲制作は始めてどれくらいですか?

MARVY:3年ぐらいで、今はパートナーと一緒に作っています。その方がいい曲が作れるので。「一人で作らないとアーティストじゃない」と言われる方もいますが、僕は制作にも正解はないと思いますし、お客さんによりよいものを聴いてもらうために1人より2人の方がよければその方がいい。お客さんに良いと思ってもらうために最善の方法を尽くすのがベストだと思っています。

――楽曲制作は大変じゃないですか?

MARVY:楽しくて仕方ないですね。自分が思い描いているビジョンに近づいている感覚がたまらないです。後々振り返った時に「あの時は努力してたな」と思うかもしれないですけど、今は全く努力しているとは思ってないし、むしろ楽しい。それこそ毎日パソコンに8時間ぐらい張り付いていても全然苦にならないですね。

やっぱり世界に僕のことを知ってもらう、世界と戦うためには良い曲を作ることが必須で、今の最優先事項は曲作りですね。

――楽曲制作もジャンルに固執することなく?

MARVY:そうですね。ただ、やっぱり流行に左右されることなく個性を大事にしています。流行に寄せてしまうと賞味期限も早いので。今の音楽というより、自分の人生経験・音楽経験をもとに考えています。

――最後に今後の展望を教えてください。

MARVY:まず、CARNIVALは自分が若い頃に感じた新鮮さ、クラブの面白さ・醍醐味が味わえる場所にしたいですね。2010年代以降、特にコロナ禍以降はクラブ/パーティの存在価値が変わってしまったので、新たなイケてる空間を再構築して、それをみんなと共有したいです。それは必ず誰かがやらないといけないことで、だったら僕が人生をかけて、私財を投げ打ってでもやっていきたい。腹はもう括ってます。それが僕の生きがいであり、さらには10年、20年かけてでも世界に通用する良い音楽を届ける人間になると決めているので、その道を進むだけですね。

なお、MARVYが主催する「CARNIVAL」の第三弾が新宿ZEROTOKYOにて3月13日(金)で開催。今回は世界が注目するイタリアの美しき女性デュオGiolì & Assiaが出演!

MARVY(マーヴィー)

ハウス・テクノのDJとしての活動と並行して起業家としても活躍。SPACE GYMを設立し、2023年に株式会社Five Lineを2桁億で売却。現在はSPACE GYMを経営し、そこから本格的にDJ活動に専念。国内主要クラブでプレイしつつ、近年は世界にも展開。また、2024年からはプロデューサー活動に注力し、2025年にはArmin Van Buuren率いるArmada Music傘下のDays Like Nightsからリリース。2026年には新宿ZEROTOKYOにて“成熟した価値観と品格ある大人が楽しめるクラブカルチャー”をコンセプトとした主催パーティ「CARNIVAL」をスタートしている。

https://www.instagram.com/marvy_hisashi/