#1ではその稀有なルーツ……ビジネスで大きな成功を収め、38歳にして本気で新たな道へと歩み出したキャリアを振り返ったが、#2ではより一歩踏み込み、MARVYのDJとしての流儀・アイデンティティ、そして音楽への真摯で深く、熱い想いにフィーチャー!
“人間性が出る”と語るDJセットへのこだわり、彼が導き出した黄金のルーティン、さらには今最も注目しているメキシカンDJが放つ音楽とは?
そして、人生における音楽の意義。彼自身“何度も助けられた”という音楽の世界で成し遂げたいこととは……?
>>>実業家からDJへ…異色の経歴が糧となり世界を目指すMARVYインタビュー#1 そのルーツ&大きな挑戦に迫る
https://floormag.net/marvy0001/
◆愛のある優しいダンスミュージックを…
――DJする際の選曲はどのようにして決めているんですか?
MARVY:DJのセットって人間性が出ると思うんですよね。自分が好きな曲をかけるか、お客さんを楽しませるためにかけるか、それだけでも全然違いますし、クールにしたい、ディープにしたいなど自己表現の場でもある。そうした中で僕はやっぱりみんなを楽しませたい。それが伝わって心が通じた瞬間は何より嬉しいですし、そこにやりがいを感じますね。
――メロディックハウス/テクノからインディーダンス、アフロハウスまで柔軟に繋いでいる印象がありますが、どんなことを意識してプレイしていますか?
MARVY:お客さんの立場になって考えるようにしています。例えば、僕がお客さんだとしたら同じジャンルが1〜2時間続くと飽きてしまうんですよ。だからジャンルに固執しないし、やっぱり激しい音の後はちょっと休みたいじゃないですか。そういったことを考えて構成していますね。
基本的には最初はウォーミングアップ。そこから少しずつアゲていってピークを作り、ピークが長すぎても疲れてしまうのでタイミングを見て癒し。ちょっとチルしてもう一度ピークを作っていく感じですね。
あとは、みんなやっぱり自分が知っている曲、定番の曲が好きなので、新しい曲・知らない曲をかけつつも後半に僕からのプレゼントとして人気の曲を2〜3曲かける。これが自分の中での黄金ルーティンです。
そうやってあらかじめ決め込むのは面白くないと思われる方もいますが、僕は経験上、このストーリーが一番お客さんが喜ぶ、満足度が高いセットだと思っています。だから、この流れに楽曲を乗せていって、その結果「MARVYのセットはストーリーがある」と言ってもらえると最高ですね。

――影響を受けたDJはいますか?
MARVY:最近いました。“LUCH”というメキシコのDJで、すごく温かくて個性がある、いい人間性を持っていて、それがセットに出ているんですよ。とにかく優しくて、めちゃくちゃ影響を受けましたね。
――ダンスミュージックで“優しい”ってめずらしいですね。
MARVY:この前トゥルムで初めて生で見て、ものすごく愛を感じたし、すごく心地良かったですね。幸福感があって、温かい映画を観ているような感じ。それでいてちゃんとピークもあって盛り上がる。彼の楽曲の中では“The future”という曲がとにかく愛があって好きですね。
僕はこういうダンスミュージックで心地良く踊ることができたら最高だと思うんです。でも、残念ながらみんなの視野に入っていない。だから、こういう音楽があることを伝えていきたい。メッセンジャーとして情報を繋ぐ人がいないので、僕がそのパイオニアになりたい。
僕は幸運にも社会でひとつの結果を残すことができましたが、そうした人が次のステージで何をするのか。そのメッセージが世の中に出ることが日本は少ないと思うんですよ。だからまずは僕がそのメッセージを伝えたい。自分が好きなことに本気になって、新しい時代を作って。それこそ本当の“ウェルビーイング”だと思うし、僕はそのロールモデルになりたいんですよね。
◆自分で正解を作り出せる…音楽の魅力
――自分が憧れられる存在、目標とされる存在になると。
MARVY:目立ちたい気持ちはあまりなくて、みんな楽しく生きられることに気づいてほしいというか、仕事だけが楽しみじゃない、新しい世界があることに気づいてほしいんです。音楽は人生における多くの気づきを与えてくれるものであり、何より気持ちがアガるものじゃないですか。
僕自身、何度も音楽に助けられ、クラブで社会性やコミュニケーションを学び、多くの出会いがあった。その素晴らしさを単純にもっと伝えていきたい。本来、クラブはもっと気軽に楽しめる場所だと思うんですよ。ヨーロッパではおじいちゃん・おばあちゃんもクラブにいる。それが羨ましいし、日本だってそれは実現できると思うんです。だからそのために頑張りたい。
世の中の全員から共感を集めることはできないですけど、同じ価値観を持った人で世界、市場を作ることはできると思うし、僕はそれを拡大していきたい。そのために最も魅力的な人が集まるオーバーグラウンドとアンダーグラウンドの狭間を行きたいし、それは常に動く流動的なものですが、それこそが最先端だと思うんですよね。例えば今だったら「Zamna」とかがそうで、すごく絶妙なところにある。
僕は知らない世界を知ることが楽しくて、それはジャンルに固執する必要が全くないし、僕自身何も決めない。シーンは常に変化していくので柔軟性を持って楽しんでいけばいいと思うんです。僕は最初にディープハウスが好きになったけど今は全然違うし、これからも変わっていく。そういうこだわりがないことに否定的な方もいると思いますが、それは価値観が違うだけで、僕は同じ価値観の人と新しいものを作っていけたらいいなと思っています。
――日本はわりと固定概念が強いですよね。それこそハウスはハウス、テクノはテクノとか。
MARVY:そういう固定概念も壊していきたいですね。音楽の良いところは良いものはちゃんと評価される一方で正解がないところだと思うんです。言い換えれば、お客さんにいいものを提供し続ければ評価され、それが正解になる。そして、そこで個性が出せるアートでもある。
ビジネスでも言えることですが、成功のパターンは無限にあって、型にとらわれずに自分が良いと思うことを表現することが個性になると思うので、そこで共感してもらえる方々に喜んでもらいたいです。
――自分で正解、新しいものを生み出せるものであると。
MARVY:例えば、幼少期から音楽を学んできた人がアーティストになれるという概念があると思うんですけど、アーティストへの道はひとつじゃないですよね。僕は逆に一度ビジネスの世界・社会に出て、そこで経験したことがたくさんあって、それがあるからこそ今の僕の音楽がある。人生はストーリーであり個性。僕はそれを活かしていきたいんですよ。
――その人にしかできない音楽があるということですね。
MARVY:そう考える方が夢があるじゃないですか。「音楽をやりたいけど時間がない」、「音楽を始めるには歳をとり過ぎた」と思ってしまうことがあるけど、そうした考えも成功体験を作れば変わると思うんです。僕は38歳から音楽と本気で向き合い始めましたけど、例えば45歳で世界で認められれば、それがひとつの成功体験になって多くの人に夢を与えることができる。音楽は自由であるべきだし、とにかく既存の固定概念を壊していきたいですね。
――その手段であり、筋道のひとつが「CARNIVAL」ですか。
MARVY:そうですね。僕は一度社会に出て、そこで学んだことをこのイベントの中で活かしていきたいし、そうすることで同じ価値観、志をもつ人たちと有意義な時間が作れると思っています。

#3に続く……
なお、MARVYが主催する「CARNIVAL」の第三弾が新宿ZEROTOKYOにて3月13日(金)で開催。今回は世界が注目するイタリアの美しき女性デュオGiolì & Assiaが出演!

MARVY(マーヴィー)

ハウス・テクノのDJとしての活動と並行して起業家としても活躍。SPACE GYMを設立し、2023年に株式会社Five Lineを2桁億で売却。現在はSPACE GYMを経営し、そこから本格的にDJ活動に専念。国内主要クラブでプレイしつつ、近年は世界にも展開。また、2024年からはプロデューサー活動に注力し、2025年にはArmin Van Buuren率いるArmada Music傘下のDays Like Nightsからリリース。2026年には新宿ZEROTOKYOにて“成熟した価値観と品格ある大人が楽しめるクラブカルチャー”をコンセプトとした主催パーティ「CARNIVAL」をスタートしている。
