第一弾では驚きのルーツ&学生時代に加え、EDC JAPANなどこれまでの経緯、いわば“歴史”を振り返ったYuuki Yoshiyamaインタビュー。第二弾は“今”、そして“未来”にフィーチャー!

2025年末にスタートしたグローバルイベント「PULZE TOKYO」の展望に加え、エグゼクティブ・プロデューサーをつとめる「GMO SONIC」の今後について、さらには本邦初公開となる新たなイベントの話も……。

一方で日本・東京が抱える課題についても言及。世界を識るYuuki Yoshiyamaが指摘することとは……?

※インタビュー第一弾「世界を駆けるYuuki Yoshiyamaインタビュー#1 驚愕のルーツに学生時代、そしてビジネスとカルチャーを両立する理由とは?」はこちら!

過去にはEric Pridzとも共演!

◆視線は世界…「PULZE TOKYO」スタート

――2025年末に新たなイベント「PULZE TOKYO」を立ち上げましたが、これはグローバルイベントと銘打っていますが東京から世界へと情報を発信していくということでしょうか?

Yuuki:このイベントはWE RAVE YOU(欧米のエレクトロニックダンスミュージック専門のグローバルメディア)とBOOTSHAUS(ドイツの人気クラブ)と連携し、世界展開していく予定です。すでにマイアミの「Miami Music Week」での企画を進め、イビサでの開催も調整中です。

特にWE RAVE YOUは近年存在感が増してきていて、先日もタイのフェス「808 Festival」でステージを組んだり、世界中のクラブやフェスに入り込んでいる。とても勢いがありますからね。先日もスペインから反応があり、新しい展開が生まれそうな感じです。

今回東京での初開催についてはAfterlifeからAdam Selloukを招聘し、超満員の盛り上がりでした。毎年東京でもできたらいいねという話もしています。なので、東京から何かを発信するというよりは、全世界で同時多発的に展開していく形のイベントですね。

――先のイベントではYuukiさんがWE RAVE YOUの「Asia/Japan Regional Ambassador& Official Partner」就任が発表されましたが、これは具体的にどんなことを行うんですか?

Yuuki:アジアの情報、とりわけ東京、日本のシーンの実情をブリッジする感じですね。そのあたりの情報提供や彼らのビジネスをさらにアジアパシフィックで拡大させることがミッションですね。アジアで様々なクラブのオーナーやプロモーター、イベントやフェスの主催者らとの協業を大きくしていきたいですね。

ADEでのカンファレンス

――世界中を渡り歩いているYuukiさんから見て、まだまだ東京の需要は大きいですか?

Yuuki:めちゃくちゃ注目度は高いですし、ポテンシャルはあると思います。僕ら日本人は当たり前に思うことでも海外から見れば新鮮なことが多いですし。先日もある海外アーティストのアテンドをしたんですが「東京は別格だ、欧米は死んだ」とまで言ってました。欧米は商業的になりすぎているところがあってやりにくいと。

多くの海外アーティストが東京のオーディエンスは反応がいい、そして音楽に詳しい。さらにはファンコミュニティが形成され、すごくリスペクトがあると称賛していますね。

現在これだけ円安の中でも日本には毎週のように海外アーティストが来日しており、イベントを主催している方々には本当に頭が下がります。そして、一方では海外アーティストたちが日本に行くことを熱望しているという実情もあります、僕のところにもほぼ毎日のように世界中のアーティストやエージェントからブッキング依頼が来ているような状況ですから。みんな日本に来たいんですよ。だから本音としては円安を早くなんとかしてほしいです(涙)。

実は、すでに新しい企画が進んでいまして、まだ詳細は言えないんですが2026年夏に新しい試みをやる予定です。クラブではなく、大型のイベントです。パワーブッキングしようと思っているので楽しみにしていてほしいですね。

――またさらに忙しくなるわけですね。

Yuuki:イベント事業は仕事量全体の2〜3割というところです。様々な事業との両立やバランスがあってのプロデュース業です。

ちなみに2026年はDJ活動30周年のメモリアルイヤーでして、今はいろいろなアーティストとのコラボも予定しています。常に未発表曲は20曲程度ストックするようにしていまして、作れる時に作って溜め込んでいます。そして各地のフェスやイベントでもフロアーの反応を見てチューニングしています。

――すごいバイタリティですね。

Yuuki:やっぱり心底音楽が好きなんですよね。だからできちゃうんだと思います。

大阪万博CommonGroundMusic Festivalでプレイ

◆もっとカルチャーへの理解を…日本の課題

――先ほど東京は世界から注目されているとおっしゃっていましたが、問題点を挙げるとすると何かありますか?

Yuuki:例えば、オランダ・アムステルダムでは、おじいちゃんもDJ、お父さんもDJと世代を超えてカルチャーが理解されているところがある。一方で日本はお父さん世代ですらわかっていない。そうなるとパーティやフェスに対してセンシティブになって寛容さがなくなる。カルチャーへの理解度という意味ではまだまだ希薄だと思います。

しかも、若い世代でもいまだに“クラブは危険”と思っている人がいますし、依然としてステレオタイプな固定観念が残っている感覚があります。海外ではパーティをすることは当たり前、DJカルチャーも日常の中に当たり前にある。日本はまだまだそういったグローバルスタンダードからは遠いですね。

それは行政や自治体のレギュレーションにも要因があると思いますが、それはナイトタイムエコノミーの観点から鑑みても機会損失は大きいんですよ。世界に向けて文化振興をしていくならば、まずインフラを整えるべきなのにそこもできていない。その辺りは非常に遅れていると思いますね。

――歴史的には日本はまだまだ浅いですからね。それに、日本は遊びの選択肢が多すぎるという話もよく聞きます。

Yuuki:そうなんですよね。あとは若者の可処分所得が上がっていない一方で、イベントやフェスのチケットのみならず物価が高騰し続けている。経済的問題は非常に大きく、もっともっと誰もが気軽に楽しめるような環境が整わないと、目の前の生活について困窮している状態では心から楽しめないと思います。

GMO SonicでMartin Garrixと

Swedish House Mafia初来日は突然に…

――Yuukiさんがプロデュースしているフェスのひとつ「GMO SONIC」が2026年も1月17日(土、18日(日)に開催されますが、今年の目玉はなんといってもSwedish House Mafiaですね。

Yuuki:彼らのことは昔から呼びたいと思っていたんですよ。(彼らの)エージェントはFisherをはじめ数多くのトップスターを手がけているんですが、実は昔から仲良くしていまして先日、彼がプライベートで日本に来ていた時に「Swedish House Mafiaを呼びたいんだ」って言ったら「お前のためならすぐやるよ!」と快諾してくれて(笑)

――2025年はAnyma、そして今年はSwedish House Mafiaと次々にビッグネームを招聘していますが、ブッキングのセレクトはどうしているんですか?

Yuuki:マーケットは日々変わり続けます。そのためにも常に各国へ飛び回り、世界のシーンを見ることに注力していますが、やはり日本は世界の潮流に比べると若干遅れている部分や独自性があると思います。それらのバランスを鑑みて、毎年そのためのウィッシュリスト、呼びたいアーティストのリストを作り、チームでコンセンサスをとって進めています。

あとはセレクト基準も個人的に見たいアーティストというのもありますが、「日本に来たらみんな絶対に笑顔になるアーティスト」というのがベースにありますね。

――正直、Swedish House Mafiaを呼んでしまうと次が難しいのかなという気がしますが。

Yuuki:確かにそういう部分もありますが、僕らはもともとジャンルに固執してはいないんですよ。2025年もROSÉやaespaが参加しているようにK-POP含め、日本の次世代も積極的に取り入れていきたいと思っています。

それこそ「Coachella」のようにジャンルに関係なく良いものを提供していくつもりですが、ことEDMシーンにおいては現状かなり擦られてしまい目新しさがなくなってきているのは否めません。世界中で言われていますよね。そうした中で僕らはよりダイナミックなブッキングをしていくことを今は模索しています。

――YuukiさんにとってGMO SONICはどんな位置付けなんでしょう?

Yuuki:冬場はフェスが少なくなる中、今後も1年の始まりを告げる、シーンの幕開けとなるフェスとして継続していきたいと思っています。GMOがユースカルチャーを支援し、若者に元気を与え、未来に繋がるカルチャーを作っていくことが前提にありますので、そのためにも継続が何より大事だと思っています。文化創造は一日にしてならずです。

――「GMO SONIC 2026」の見どころは?

Yuuki:まず初日はEDMど真ん中……MarshmelloにAfrojack、Steve Aokiが並び、そこにJO1や新しい学校のリーダーズなど新風が加味されることで客層もミックスしますし、何より新しい音楽との出会いがある。その新たな出会いによってシーンの活性化を促していきたいですね。

2日目はSwedish House Mafiaだけでなく、Dom Dollaも初来日ですし、MEDUZAも3人揃います。さらには2019年に我々が招聘したぶりにTiëstoも来日します。

MEDUZAと

――Tiëstoはヘッドライナーではなくスペシャルゲストという立ち位置ですが、何か意味が?

Yuuki:シンプルにリスペクトを込めての“スペシャルゲスト”です。彼のような存在が出演する傍ら、Dom DollaやMEDUZAといった次世代もいる。特にMEDUZAに関しては今回メンバー3人のフルパッケージなので、これはレアですしアジア初です。単なる DJ セットではなく、オーケストラチックにハーモナイズする彼らのセットはぜひ期待していただきたいですね。

Tiësto

Y

Yuuki Yoshiyama(吉山勇樹)

1996年、高校生にしてDJ活動を開始。数々のビッグネームの初来日に関与し、多くのトップDJと共演。音楽分野のみならずビジネスパーソンとしては30社を超える企業の役員・社外取締役などを現任。著者累計は90万部超。シャンパーニュ騎士団オフィシエやOMAKASE顧問など食文化の領域にも精通する。フェスティバルプロデューサーとしても世界三大フェスEDCの日本開催の総指揮、2023年からはGMO SONICのエグゼクティブ・プロデューサーとして辣腕を振るう。大阪万博で唯一のダンスミュージックフェスとして12000人を動員したCommon Ground Music Festivalの総合プロデュースなども手掛けた。 同時にDJ・アーティストとしてTomorrowland(ベルギー)やEDV Las Vegasなどに出演するなど国内外を駆け巡るなどグローバルレベルで稀有なマルチタレント。