約11年ぶりとなる最新作「Chapter X」をリリースしたYOJI BIOMEHANIKA。
テックダンスを打ち出してきたYOJI名義からは一転、本作はハードスタイルやトランス、EDMがボーダーレスに交じり合う新たなスタイルに。
そんな新生YOJI BIOMEHANIKAが生まれるに至った経緯を4つの時代に分けて解説していく。

パンク~ロック、ミュージシャンを経てYOJI BIOMEHANIKA誕生

幼少時代から洋楽に親しみ、気がつけばパンクやニューウェイヴに目覚めバンド活動を開始。
ラフィンノーズのメンバーとしてインディー・ロックシーンの頂点まで駆け上がり、メジャーデビューも果たしながら、80年代後半にはソロでのDJ・ダンスミュージック・クリエイターへとシフト。

イギリスやドイツのレーベルからリリースし、1998年には英で自身のレーベルを立ち上げ、本格的に海外へと進出。

国内では2001年にエイベックスよりファースト・アルバム「TECHNICOLOR NRGSHOW」を発表。
NU-NRGと呼ばれた新たなサウンドは、世界のダンスミュージック・シーンに一石を投じた。

日本のレコードショップでも、当時新たにYOJIコーナーが作られ、さらにはYOJIのファッションを真似た“ハニカー”なる人種が溢れるほどの話題に。

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「TECHNICOLOR NRGSHOW」
avex trax(2001)

帝王の名を欲しいままに YOJI BIOMEHANIKA世界を蹂躙

21世紀に入ると“ハードダンス”を打ち出し、海外でのプレイが盛んになると同時に、当時世界最高峰のダンス・フェス『DANCE VALLEY』のヘッドライナーとして活躍。

その他にも『SENSATION』、『CREAMFIELDS』といったビッグ・フェスにも軒並み出演。
さらには、日本人としては極めて異例となる英DJ専門誌:DJ Magの世界ランキングに2003年初登場。
以降数年に渡りランクインするという快挙を果たす(2005年には32位を獲得)。

日本でもハードダンス・パーティ『VIVA』~『GIGA』を開催し、セカンド・アルバム「TALES FROM THE BIGROOM」をエイベックスより発表。


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「TALES FROM THE BIGROOM」
avex trax(2005)

ハードダンス~テックダンス YOJI BIOMEHANIKAからYOJIへ

2007年に突然のシフトチェンジ。名前をYOJI BIOMEHANIKAからBIOMEHANIKAを取り除きYOJIへと改め、サウンドは“ハードダンス”から“テックダンス”へ。

ハードなトラックとメロディを信条としていたところから、メロディを排除し、よりピュアなダンスミュージックのトラック、テクノを基調とした方向へと進む(とはいえ既存のテクノとは一線を画し、新たなサウンド・フォームとして話題に)。

本人曰く“ハードダンスをやりきった”、“作りたいメロディが当時のフォームにはまらなくなった”と語っているが、彼の変化とともに世界のダンスミュージックもハードな方向から、徐々に新たな方向へと進みだしていった。

テックダンス終焉、新サウンドとともに再びYOJI BIOMEHANIKAに

テックダンスを推進し、多数シングルをリリースしていたが、今年2015年、彼は再びYOJI BIOMEHANIKAへと戻り、新たなステージへ。
2月には渋谷SOUND MUSEUM VISIONにて復活祭が開催され、往年のYOJI BIOMEHANIKAファンと新たなジェネレーションが相まり、大きな盛り上がりを見せた。
彼自身、久々のYOJI BIOMEHANIKAとしてのプレイに“非常に面白かった”と話していた。

そして6月、待望のニュー・アルバム「Chapter X」をリリース。
ハードスタイル、トランス、EDM、様々なサウンドを昇華させた新たなサウンド、新生YOJI BIOMEHANIKAを見せつけた。

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「Chapter X」
avex trax(2015)