AlphaGoが世界最強の棋士を打ち破るなど、急激な進化を続ける人工知能(AI)。
一部では、2045年には人工知能が人間の知能を超える技術的特異点が訪れるという意見もあり、人間の仕事も人工知能に奪われるという懸念もある。

そんななか、AIと人間がアンサンブルを奏でるというポジティブなニュースが飛び込んできた。


このたびヤマハ株式会社が公開した動画では、5月19日に東京藝術大学奏楽堂で開催されたコンサート「音舞の調べ~超越する時間と空間~」の模様が取り上げられている。

コンサートでは、1997年にこの世を去ったピアニスト:リヒテルの演奏を再現したAIと現代の名演奏家集団:ベルリンフィル・シャルーンアンサンブル(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)が共演。

実のところ、単にピアニストのタッチを再現するだけなら現代の自動演奏ピアノだけでも可能だという。
AIが担っているのは共演者との“合奏”の部分。

マイクとカメラを用いて共演者の演奏音や演奏時の動きを検知、分析し次の演奏を予想。リアルタイムにピアノ演奏を変化させることで、共演者と弾き始めるタイミングを揃える仕組みとなっている。

動画のなかではAIを使わず合奏した映像も紹介されているが、AIを用いた場合と比較すればその差は歴然。阿吽の呼吸というべきか、息の合ったアンサンブルとなっている。

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先日公開された『ローリング・ストーン』誌の記事によれば、スティーヴ・アオキは死後、自身の死体を22万ドル支払って冷凍保存し、200年後の未来に復活する野望を抱いているらしい。

この世を去ったアーティストが死という概念を無視して、ライヴやコンサートをしてくれる……そんな未来はファンにとって夢のようだが、それは絵空事ではなく現実のものになろうとしている。