記念すべき10回目を経て、新たなタームへと向かうULTRA JAPAN。その船出はまさかのドゥージェン(台風25号)大接近。今年の台風の進路はなんじゃい!まさか気候変動がULTRAにまで影響を!どうなるULTRA、もしや初の……と不安がよぎるもそこはミラクルULTRA。台風直撃なんとかかわして2日間無事開催はさすがULTRA。

まず1日目。ドゥージェンはまだ海上といっても朝イチから天候不順の中、お台場は朝から人いっぱい元気いっぱいファンの熱量無限大。今年のMAIN STAGE初陣を飾るのは日本のUKガラージの屋台骨SPRAYBOX。これがまためちゃくちゃ良かった!これぞ現行UKガラージ真骨頂。4つ打ち・歌モノ随所に織りまぜとにかく踊りやすい&ノリやすくてフェス映え抜群。UKガラージのフェスでの機能性を見事実証。正直1発目にはもったいないぐらい超素晴らなセットで、いきなり雨降ったけどテンションは爆上がり。
続くはecec、そしてHEAVEN’S GATE CREWというフレッシュなMAIN STAGE。新時代感満載の令和JAPAN。特にHEAVEN’S GATE CREWは象徴的で、SPRAYBOXは叩き上げ感がある一方でテン年代以降のジャンブルカルチャーの申し子たる彼ら。ここ数年の勢いそのままに成り上がりMAIN STAGEでも魅せに魅せる。即座にピークに持っていく即効性とそこから突き進む突貫性、さらにはいつどこでも確実にお客を楽しませるフレキシブル感はULTRAでも健在で、古今東西和洋折衷飛び交い終始熱狂。とりわけラストのlivetune“Tell Your World”は胸熱。これは世界を見てもULTRA JAPAN だからこそ、JAPANカルチャーのなせる業。
そんな天国への門から一転、同じメイド・イン・ジャパンでもベースミュージックに心血注ぎ、これから海外へと飛び出さんとする若武者REXY=DEXYが今年はBOPCORNとB2B。ベースミュージックの破壊力に加え、往年の名曲をマッシュアップしたり、落差たっぷりエモさたっぷり。冷静と情熱の間的な、コントラストのあるセットで会場沸かせまくり、彼らの未来に期待しかない。

かたやJustin Bieber“Baby”のマッシュアップがたくさんかかっていたULTRA PARK STAGEは今年も気鋭&注目株が続々登場。EDM、ハウス、ベースミュージックはもちろんハイパーポップにJポップまで幅広く、相変わらず極東カルチャーの極地で独特すぎる盛り上がりに驚異の熱量。しかも、今年はF2Fありということで360°から見渡せるオープンステージになっていて、これがまたかなりよき!
そして、そのF2Fもめちゃくちゃよくて、TREKKIE TRAX CREW F2F MASAYOSHI IIMORIはとにかく濃密、圧巻の40分。F2Fとなるとかけ算の美学かと思いきや彼らは足し算というか、漸進的な構成、ビルドアップの仕方が巧みすぎ。見事なサウンドスケープ、ゲストも交えた組み立てはひとつの重厚な物語。終わった後の充実感は半端なく、もちろんしっかりと盛り上げる恐るべき完成度。
一方、TJO F2F DJ YU-KIは、一曲目の“LIGHTS GO OUT”で持っていかれつつアニョハセヨからのハードスタイル、かけ算の美学で一気に駆け上がり、そこからどうするかと思ったら、落とすのではなく熱は帯びたまま空気の入れ替え。BPMにグルーヴ、選曲で上手にフロアを導いていく、その自然さ、巧みさ、心地よさ、これぞDJ、粋だった。

粋な男はもうひとり。今や世界で引っ張りだこの¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uは、Charlotte de WitteにSwedish House Mafiaに着てるTシャツそのままにDepeche Mode、さらにはEric PrydzとMAIN STAGEで鬼無双。“Antidote”、“Pjanoo”はやっぱりアガるし、開始10分で半裸、揺れる胸筋、その姿はストイック破戒僧。令和のシャッフル感覚とは完全に文脈が違う超ダンスオリエンテッドは最高で、ULTRA JAPANのような大舞台でしっかりと体感できてよかった!楽しかった!

他にもパソコン音楽クラブやKOTONOHOUSEなど日本人アーティストが非常に面白く、続く2日目も初日以上のバッドコンディションの中、MAIN一番手テン年代の雄DJ WILDPARTYを皮切りに集まったお客さんをしっかり楽しませ、PARKはPARK でYUC’e、CLAWら奮闘。さらには今年もよかったN2、そしてPAS TASTAも新たな風を吹かせまくったりと新人類がULTRAを謳歌する一方で、RESISTANCEではKEN ISHII B2B RISA TANIGUCHI。なんとも贅沢な組み合わせで音的にどうなるのかと思ったら、お互い寄り添う絶妙なバランス感はさすがの一言。海外ゲスト並みの1時間半、“Good Life”まで王道テクノをたっぷり堪能。
こうした日本人勢の健闘、そしてその振り幅・ポテンシャルはULTRA JAPANならではで、ガラパコス、ファンコミュ主義的な面も否めないが世界に誇るべきところでもあると思う。実際、会場には海外からのお客さんも多く、彼らもめっちゃアガってたし、大きな可能性を感じるし、他にもまだまだたくさんのアーティストがいるし、もしかしたらこれが今後のひとつの指針になるのかも。
そんなDJ JAPANに続く海外勢もやっぱりさすがで、台風が来ているとは思えないほど熱狂活況絶好調。初日、ULTRA JAPAN御用達のAfrojackは今回R3HABと親日家B2B=R3JACK。結構ナツい曲もかけててメロいし(ただ3代目はビビった&やっぱ“Reload”は盛り上がる!)、覚えたてっぽい日本語もかわいいし、終盤にはなにゆえTinie Tempah、そしてまさかの“Miami 2 Ibiza”。

初日のラストはZedd B2B Knock2。みんな大好きZedd、少し前にSNSで手術すると明かしていただけに無事来日&プレイできて何より。冒頭、いつものイントロに侵食するKnock2風味。“Beautiful Now”に“Spectrum”、“Stay The Night”、“Stay”、“Break Free”などあいかわらずZeddのヒット曲が飛び交う中、そこにぶち込むKnock2。一度で二度おいしいB2B。最後は“Clarity”と思いきやそうじゃなかったB2B。こうしたいつもと違う感じもいいんだけど“Clarity”で締めてほしいという気持ちも……。最後はどう締めるべきなのか、これも永遠のテーマだなと思いつつ初日終了。
そして2日目の海外勢も強烈で、まず感じたのはハードテクノ人気。Lilly Palmer、Sara Landryの熱気ヤバすぎ。特にSara Landryは悪天候もなんのその鬼ハード。そんな中、RESISTANCE で唯一の後悔はJoris Voornを見逃したことで、ISHIIさんの“Extra”に加え、“Incident”もかけていたみたいで一生の不覚。


ヤバさでいえば超絶ハードパンチャー、盛り上げ上手のTimmyさんも。のっけから号砲代わりにトランペット吹きまくり、とにかくアゲまくり、雨の中でも盛り上がりまくり。ただ、欲を言えば今回は邦楽のチョイスは……前回は“サライ”とか斜め上の選曲に萌えたけど、今回はミセスにVaundyなど……それこそ今なら“Love Somebody”とかかけてくれたら……。

かたやしびれまくったWORSHIPの男気ドラムンベース。ULTRAのMAINで大観衆と爆ぜるドラムン感無量マジ卍。これをドラムンにするか!みたいな曲も一興で“Pjanoo”とか“Insomnia”、“Tokyo Drift”、初めて聴いたよ“Block Rockin Beats”に“Talk To You”。もはや王者の風格、ドリームチームの遊び心、懐深さ。とにかくこれを機に日本でもドラムンを!強く願う所存。

そして、Alan WalkerとAlessoの頃にはもう別世界というか、暗がりの大雨にレーザーが映えまくり幻想的で、お客さんも肉体が精神を超え始めてネクストレベル。そんな中、両者ともに自身のヒット曲を惜しみなく披露し、フィナーレに向けてラストスパート。特に大トリAlessoは、まさかのJohn Newman登場は熱すぎたし、“Under Control”に始まりラスト“If I Lose Myself”まで相変わらずのかっこよさで涙。やっぱAlessoも涙なくして語れない。

走り切った2日間、みなさんお疲れ様様。終わってみればドゥージェンもまたいい思い出ULTRA JAPAN。悪天候という神の試練も込みで楽しむお客さんの姿には本当に頭が下がるし、一方でそれはこの10年間で培ってきたブランド力の賜物。ULTRA JAPANだから嵐の中でもみんな朝から会場に足を運んで楽しみ、演じる側もどんな環境であれ客の期待にしっかり応えるULTRA JAPAN。
トレンドにしっかり目配せSara Landry、安定の実力派Peggy Gou。そして、Afrojack B2B R3HABやAlan Walker、Alessoといったみんな大好きアーティストも手堅く抑えつつ、WORSHIPやZedd B2B Knock2などのレア組まで、なんだかんだ海外ゲストの選定は間違いないULTRAにB2B、F2Fという新たなオプションが加わり、さらには日本人アーティストのバラエティとポテンシャルという新たな兆し、光明がチラホラする中、来年の開催も無事決定。2027年は9月18日(土)・19日(日)。またお台場で会いましょう!

