今年も3日間でのべ10万人を動員し、大盛況で幕を閉じた『ULTRA JAPAN』。
それは5周年の節目にふさわしく、実に素晴らしいドラマの連続。

そんな本祭の中で、特に感動&印象深かった“ウルトラ”トピック、5周年にちなんで5つピックアップ!

① 眩い笑顔に隠された狂気…やっぱり“ネ申”


数多くのアーティストが出演するなか、今年最も印象に残っているのは2日目のMAIN STAGEに登場したアーミン・ヴァン・ブーレン。これはもう、スゴいというか、エグいというか……。

今回はどんなセットを披露してくれるのか(EDM寄りなのか、トランスなのか)、スタート前から楽しみだったわけだけど、フタを開けてみれば猛烈鬼トランス

海外ではトランスが今、というか以前から盛り上がっているけれど、こと日本は……。そんな懸念を払拭するどころか、亡きものにするかのような怒濤のセットに大観衆が阿鼻叫喚。

ステージ上のアーミンは、ホント素敵な笑顔を振りまいていて、超いい人そうなんだけど、繰り出される音はビッキビキのウルトラハード(それがもうギャップ萌え(むしろ燃え!))。

笑顔の裏に潜む狂気というか(本人は至って天然なんだろうけど)、その破壊力たるや人間のダンスに対するプリミティブな欲求を刺激しまくり、オーディエンスが無我夢中でアーミンのサウンドを貪る姿は本当に印象的だった。

最近のトランスはサイケデリック的なエッセンスもたっぷりなので、そんなハイブリッドさも大爆発の要因だったけど、もちろんそれだけじゃなくトランスが持つ本来の魅力……エネルギッシュで、高揚感たっぷりで、美しいメロディ、ビート感、楽曲の持つストーリーも見事に表現する、なんとも濃密でアンタッチャブルなパフォーマンスは確実に『ULTRA JAPAN 2018』のハイライト。

プレイ中は度々オーディエンスを煽り、最後の最後も“Blah Blah Blah”でひたすら引っ張るアーミンの姿は実におちゃめで、本当にDJ(現場)が好きなんだなと愛を感じたし、こんなハードなセットもアーミンだからこそきっと成立するんだろうなと感服。あの享楽・至福の一体感を生で体験できたことは幸せだった。

すでにプレイムービーがアップされていて、これもスゴイんだけど、現場の盛り上がりは映像で見る100倍増し。

やっぱり現場で体験しないとね、と改めて感じさせてくれたアーミン、やっぱり“ネ申”だった。

② 雨のお台場、涙にくれる…“Clarity”感動のフィナーレ


『ULTRA JAPAN 2018』、MAIN STAGEの大トリを飾ったのはゼッド。
あいにくの雨だったけど、悪天候をものともしない盛り上がりはホント強烈。

彼の場合はセットうんぬんよりも、とにかく楽曲の強度がスゴ過ぎ……。
お台場に轟いた“Stay”の大合唱も素晴らしかったけど、それ以上に“Find You”や“Stay The Night”といった初期〜中期のカラフルで、ポップなエバーグリーンな楽曲がえも(エモ)言われぬ感じで、極めつけのラスト“Clarity”はもう感涙もの。

これまでのゼッドのセットを鑑みれば、ほぼほぼシメは“Clarity”が既定路線。日テレの24時間テレビにおける“サライ”みたいなもので、コレを聴かないと終われない感。わかっているんだけど感動してしまうこの魅力……。

フィナーレがゼッドで本当によかった!

③ 2019年のリスタートを前に、これが日本最後のプレイかも!?


今年、本家マイアミ『Ultra Music Festival』の話題をかっさらったスウェディッシュ・ハウス・マフィアのリユニオン。
『ULTRA JAPAN 2018』でも、アクスウェル・イングロッソとスティーヴ・アンジェロが揃って出演ということで期待した人がいたかもしれないけど、出演日が別日だし、そう簡単にはね……。

でも、スティーヴ・アンジェロ曰く、スウェディッシュ・ハウス・マフィアが2019年にリスタートするわけで、来年はぜひ見たい、見たすぎる。

ただ、そうなると気になるアクスウェル・イングロッソ。少し前には近々終了するとのウワサもあり、日本で見られるのもこれが最後!?

そんなわけで彼らのセットを注目していたんだけど、やっぱりスゴイ匠の技。
ヒット曲もたっぷりあって、もちろん選曲やミックスもうまいんだけど、構成力というか、まるで映画やドラマのような安定感抜群のストーリーラインは何度体験してもオツなもの。

これがスーパースターたる由縁だし、DJの醍醐味でもあると再確認。
あとは、やっぱり彼らがかけるスウェディッシュ・ハウス・マフィアは最高(“Don’t You Worry Child”もいいけど、やっぱり“One (Your Name)”は格別)。

ちなみに、今回はリユニオン効果か、多くのアーティストが“Don’t You Worry Child”をプレイしていたのも印象的だった。

④ 改めて感じる喪失感…天国へと捧げられたアンセム・大合唱


前述の通り、今年はスウェディッシュ・ハウス・マフィアの楽曲がヘビープレイされていたけれど、それ以上だったのがアヴィーチーの楽曲群。
4月に急逝した彼の偉大さ、そして喪失感の大きさが改めて浮き彫りに……。

特に“Levels”と“Wake Me Up”はマッシュアップされまくりで、ざっと名前を挙げるとアフロジャック、スティーヴ・アンジェロ、オリヴァー・ヘルデンス、ギャランティス、ゼッド、ジョナス・ブルーなどなど。

なかでも、ニッキー・ロメロは曲を止めて天国のアヴィーチーに惜別のメッセージを贈り“Heaven”から“Levels”へ。
また、初日のトリを務めたアクスウェル・イングロッソは終盤、“Don’t You Worry Child”から“Wake Me Up”へのマッシュアップ。これも今年を物語る感動的ワンシーン。

アヴィーチーは永遠に多くの人の記憶の中に生き続ける……。

⑤ 無尽蔵…悪天候もものともしないパワフル・ジャパン!


最後はオーディエンス。
“お客様は神様です”じゃないけど、やっぱり盛り上がるみんなの存在があってこそ。

初日、雨のなかでも早くから駆けつけた大勢のオーディンエンス、2日目アーミンにDJスネイクと超ド級のセットが続いたにも関わらず一心不乱に踊り続ける無尽蔵のスタミナをみせたオーディエンス、3日目悪天候の中でも最後まで熱気を絶やさなかったオーディエンス……。

出演した海外アーティストのSNSを見ても、みんな日本のオーディエンスに感謝しきり。連日本当に素晴らしかった!


このほかにも、最終日のResistanceのニーナ・クラヴィッツもものスゴイ盛り上がりを見せていたし、初登場のジョナス・ブルー、想像以上に盛り上がったキャッシュ・キャッシュ、ハウシーな初日に輝きを放ったオリヴァー・ヘルデンス、一番最悪なコンディションだったにも関わらず最後までオーディエンスを牽引し続けたアフロジャック……振り返れば思い出いっぱい。

さらには、アートな空間が疲れたカラダに心地よい安らぎを与えてくれたOnitsuka Tiger Street in ULTRA JAPAN、ホスピタリティもさすがだったし……今年も『ULTRA JAPAN』は最高だったことは間違いない!