そして、あたりには心地よい風が吹き込み、空も夕闇へと包まれるころ、その絶妙なタイミングで待ちに待ったカイゴが登場。
大歓声で迎えられた彼は1曲目からヒット曲“Stole The Show”でスタートし、いきなりオーディエンスの心をジャック。そこから自身の楽曲や手掛けたリミックスを交えつつ、ギャランティスやOokay、シガラなどの曲もプレイ。
トロピカルだけでなく、思いのほかハウシーな選曲でオーディエンスを揺らしていたのだが、ラストには“ステイ”や新曲も飛び出し、永久不滅のトロピカルアンセム“Firestone”で締め。
この頃には完全に陽が落ち、フロアがライティングで輝きを放ち、一方スクリーンにはカイゴの来日&その見事なプレイに感涙している人の姿が映し出されていたのだが、その気持ちも頷ける見事なシチュエーションでのステージだった。
そんなカイゴの心地よい余韻に誰もが浸っているなか、それを一気にぶち壊す圧倒的なサウンドでスタートからブチかましたのはDJスネイク。
まさかまさかの“Propaganda”は強烈すぎて、気持ちよく揺れていたはずのオーディエンスが猛烈な勢いで亡きものに。その様は大地が揺れるかのごとく沸きに沸き、狂騒とも言える世界へと導いた。
そして終盤、このころになると歩くのもままならないほどにフロアはオーディエンスで溢れ、そんななかメジャー・レイザーとの共作“Lean On”でクライマックス。この日一番と言ってもいいほどの大合唱となり、続く“Let Me Love You”も闇夜にオーディエンスの声が鳴り響く。
そして、一端仕切り直しのごとく静謐が訪れたかと思えば、最後は“Middle”。一時の狂騒が嘘のように穏やかな時間が過ぎ、曲の終わりとともに日の丸を掲げたスネイクが“ありがとう!”の一言で締める。なんともかっこいいラストだった。
その後、初日の“ULTRA MAIN STAGE”のトリをつとめるデッドマウスは相変わらずのネズミ頭で登場し(そういえば、会場には彼の真似をするネズミのかぶりものをしたお客さんもちらほら)、自身の楽曲“Avaritia”を皮切りに壮大なプレイを披露。
これまで“ULTRA MAIN STAGE”に登場した他アーティストとはまた違うテッキーなサウンドは、すごくフレッシュで、気持ちを新たに最後踊り明かすオーディエンスも続出。
最後はおなじみの花火で大円団となったのだが、その花火がまた初日なのに例年以上に豪華で、さすが『ULTRA JAPAN』と感動。
初日の“ULTRA MAIN STAGE”はそれこそ音楽的にはかなり多様で、EDMに固執せずあらゆるダンスミュージックを標榜する『ULTRA JAPAN』の本質さながらのラインナップだったようにも思われる。
明日以降も、2日目にはナイフパーティからのハードウェル、ジョーズ、マシュメロからのネロ、そしてマーティン・ギャリックスにティエストというスーパースターリレーもまた楽しみだ。
今年は3日間でトータル12万人の動員を目論む『ULTRA JAPAN2016』。その出だしは天候も味方しまさに上々。このまま天気さえよければそれも実現することだろう。
ダンスミュージックの祭典『ULTRA JAPAN2016』がいよいよ開幕。今からでも遅くない、ぜひともこの至高の饗宴を味わうべきだ。