Metro Boomin

母とともに車で8時間かけての移動
オンラインとリアルで生んだアーティスト間の絆

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米ヒップホップシーンで最も影響力があるプロデューサーのひとりであるメトロ・ブーミン。U25の括りでなくてもその売れっ子っぷりはトップクラスだと言えよう。
ドレイクとフューチャーの“Jumpman”やヤング・サグ“Some More”、カニエ・ウエスト“Facts”など数多くのビルボードヒットを送り出している。

彼はミズーリ州のセントルイス生まれ。13歳の頃にラッパーを目指すがトラック作りにのめり込み、結果としてトラックメイカーとして頭角を現していく。
高校生の頃にはオンライン上で知り合ったアーティストとコラボレートするために、セントルイスからアトランタまで車で8時間以上をかけて何度も往復したという。車は母親が運転してくれた。主婦業をしながらの移動は並大抵のものではないはず。母は強し。息子の夢を叶えるために最大限のサポートをしてくれたのだ。

全米にその名を馳せるきっかけとなったのが、2013年のミックステープ「19 & Boomin」のリリースだ。19歳の気鋭プロデューサーの初ミックステープにも関わらず、参加アーティストにはフューチャー、ヤング・サグ、グッチ・メイン、エース・フッドなど錚々たる面々が集った。

メトロ・ブーミンはオンラインを通じて全米のラッパーたちと連絡を取り合い、実際に会うことで刺激的なコラボレーションを重ねていった。その実績こそが新たな出会いを生み、輪が広がり、大きな渦となって全米にまで波及していった。結果として、大学在籍中にニッキー・ミナージュ、リュダクリス、ウィズ・カリファ、ジューシー・J、ウィークエンドといった名だたるアーティストとのコラボレーションを成し遂げたのは、才能はもとより“積み重ね”の要素も大きいと思われる。

数々のプロデュースワークで名を馳せたメトロ・ブーミンは、2016年には初EPやシングルもドロップ。ヒップホップシーンをリードする若き才能が今後どのような驚きを世界に与えてくれるのか、期待したい。

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