2014年の日本初上陸以降、絶えず日本のダンスミュージックファンを歓喜させてきた「ULTRA JAPAN」。今年も開催が間近に迫った今日この頃ということで、TJOのインタビュー、ラスト第三弾のテーマは「ULTRA JAPAN」。
なぜかといえば、驚くなかれTJOは過去10回全て出演してるから!そんな日本屈指のULTRAマスターに訊く今年の見どころ。
今年のラインナップが証明しているULTRA JAPANの英断とは? そして、メインステージ見るべきアーティストに世界最強のお祭り野郎Timmy Trumpetの注目点、さらには今年初登場のF2Fについても! 9月19日(土)、20日(日)の開催を控えるULTRA JAPANの予習にぜひ!
➡️#1 TJOインタビュー#1 DJデビューは意外にも…!? モラレスにコールドカット…人生を変えた3曲紹介
➡️#2 ポストEDM、ハウス復権、多様化するテックハウス…TJOインタビュー#2世界の時流、今、注目のサウンドは?
◆TJOも絶賛!11年目を迎えたULTRAの英断
――いよいよ「ULTRA JAPAN 2026」が9月19日(土)、20日(日)に開催されますが、TJOさんなりの今年の見どころは?
TJO:ULTRA JAPANが節目となる10周年を無事に終え、今回は確実に“次を見据えたブッキング”をしていますね。このラインナップは絶対に見た方がいいと思います。
――“次を見据えたブッキング”とは?
TJO:そもそもフェスは毎年同じラインナップというわけにはいかないですよね。だから回を重ねるごとに難しくなってくるわけですが、その中で今回は“B2B”の文字が目立ちます。“なぜわざわざB2Bなのか”という意見もありますが、僕はこれがシーンをより盛り上げていくと同時にULTRA JAPANという存在自体を高めていく、ひいては長く続けていくために必要な変化なんだと思います。
――つまり、ULTRA JAPANの新たな仕掛け・取り組みということ?
TJO:そうですね。10年もやっていれば有名なアーティストはほぼ出演していますし、呼びたくても様々な事情で呼べないアーティストがいるのも事実。そうした中で新しいことに取り組むか、もしくはお馴染みのアーティストを並べて同窓会に振り切るか。二者択一だと思うんですが、ここで前者に踏み切ったのは本当に英断だと思います。
――TJOさんが最も楽しみにしているアーティストは?
TJO:WORSHIPですね。このドラムンベースの最強チームは、めちゃくちゃ見たいです。あとはTimmy Trumpetが2年前に出演した際にSMAPの曲や“サライ”をかけていて、今年は何をかましてくれるのか楽しみ(笑)。
ーーTimmy Trumpetの爆発力はスゴいですよね。あれだけエンターテインメントに特化したDJは他にいない。フェスで重宝されるのもわかります。
TJO:あれもひとつの才能ですよね。エンターテイナーとしての。ああいったDJがいることでフェスやシーンがより盛り上がる。
――一方で日本でドラムンベースはどうなんでしょう。メインステージがどうなるのか予想できないんですが。
TJO:それは僕も正直わからないです。ドラムンベース自体は以前に比べてかなり広がりを見せていると思いますが、それでもWORSHIPをメインステージに持ってきたことは英断だと思います。過去にNetskyがメインステージでやってフロアを盛り上げていたので全然大丈夫だと思いますし、何よりWORSHIPを日本で見られるのはすごく幸せなこと。本当にひとりひとりスゴいアーティストなので。
――世間的な注目度でいえば、一番はZedd B2B Knock2ですよね。
TJO:それは間違いないです。
――日本人はみんなZedd好きですよね。なぜなんでしょう?
TJO:まずはヒット曲の多さがありますよね。それはかなり大きいと思います。ただ、今回はKnock2とのB2Bなので、いつものZeddとはちょっと違います。そこもぜひ注目してほしいですね。より盛り上がると思います。
――日本人人気でいえばAfrojackもスゴいですが、彼もまた今回はR3habとのB2B。これは世界的な潮流と言っていいんでしょうか?
TJO:当事者からすると単純にやっていて面白い、新鮮なんだと思いますが、これは一時代を築いたトップアーティストが次のステージを模索した中で出したひとつの結論なのかなとも思います。
アーティストたるものずっと同じスタイルでやっていくわけにはいかないし、路線を変えたら変えたで物足りなく思われることもある。そうしたジレンマの中で既存のスタイルと新しさを両立させ、なおかつフレッシュさを保つひとつの手段としてB2Bがあるのかもしれないですね。
◆ULTRA初登場のF2F、その醍醐味&面白さとは?
――今回ULTRA PARKではB2Bを超えるスペクタクル“F2F”が初登場。これは並列に並んで相談しながら行うB2Bに対し、向かい合わせのDJブースで相談なしにDJしていくスタイル。今年、TJOさんが挑戦されますが過去に経験は?
TJO:ありますよ。去年ZEROTOKYOでSAKOくんとドラムンでやりました。
――やっぱり大変なんですか?
TJO:大変ですね。直接コミュニケーションが取れないし、相手の手元を見ることもできないので(相手が)次に何をかけるのかもわからない。
――ある種、バトルのような感じですね。
TJO:そうかもしれないですね。緊張感もハンパないです。僕の経験上、F2Fはユニット同士でやった方がいいかもしれない。なぜなら、F2Fはいつも以上にDJに集中するのでマイクを握るのを忘れちゃう。ひとりだとオーディエンスを煽ることができないので。気づいたらマジで向かい合って囲碁や将棋をしてるみたいな感じ(笑)。
――見ている方は面白いと思いますけどね。
TJO:それは確実に面白いと思います。どんな曲が飛び出すのかわからないですし。
――DJ力みたいなものが問われますね。
TJO:そうなんですよ。でも、それによって普段のプレイとは違ったことができるというメリットもあります。
――事前に準備とかするんですか?
TJO:例えば何曲ずつかけるかとかは決めておきますし、ハンドサインはいくつか決めてます。「低音下げるよ」とか「次の曲で変わるよ」とか。普段のDJとは違う要素が入ってきて大変ですが、それはそれで楽しいです。
――当日はどんなところに注目してほしいですか?
TJO:今回の相方となるDJ YU-KIくんとは、ひとりではできないことをやろうと話していますが、正直何が起きるか自分でも予想できないんですよね。確実にその日だけのサプライズ、その日だけのスペシャルなセットになると思うので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。
――TJOさんは記念すべき1回目、2014年から毎年出演されていますが、ULTRA JAPANとはどんな存在ですか?
TJO:僕にとっては“紅白歌合戦”というか1年の集大成であり、ULTRA JAPAN前後で自分のDJスタイルが変化する、それぐらい大きな出来事だと思います。その年のダンスミュージックの潮流、時代の流れが垣間見えますからね。それに、これだけの規模感でダンスミュージックを浴びられる機会はなかなかない。僕らにとってもファンにとっても、とても貴重なものだと思います。
――本流にはマイアミのUltra Music Festivalがあるもののダンスミュージックオンリーのフェスをこの規模感で10年続けるというのは本当にスゴいことだと思いますし、日本のダンスミュージックシーン、フェスシーンに大きな影響を与えていると思いますがいかがでしょうか?
TJO:その通りだと思いますね。ULTRA JAPANがなければ存在していないフェスは数多くあると思いますし、後世に与えた影響は大きい。それに、ULTRA JAPANのラインナップがその他のフェスやシーンにも少なからず影響を与えていますよね。今の日本で10年以上も愛され続けているダンスミュージックフェスはこれだけですし、もしULTRA JAPANがなくなったら……その影響は本当に大きいと思います。今後も続いてほしいですね。

TJO
幼少時から蓄えてきた膨大な音楽知識、今なお劣ることない音楽への情熱を糧にあらゆるジャンルを縦横無尽に行き交う日本屈指のオープンフォーマットDJ。令和における日本ダンスミュージック界の生き字引にしてトップキュレーター。全国各地のクラブで熱狂を生み出し、海外の大型イベント・フェスでも活躍。また、ラジオ・パーソナリティー、音楽プロデューサーとしても辣腕を振るうマルチタレント。
