東京での開催は今年で3年連続3回目。その間、昨年末にはシンガポールでも実施され見事大成功。今秋にはサウジアラビアでの開催も予定されるなど、世界的な注目度も確実に増している「STAR ISLAND」。

今年の舞台はこれまでのお台場から豊洲へと移り、会場がより広大に。その分、フードやドリンクブースが充実し、キッズエリアも増設するなどホスピタリティも強化。そして、本祭が提唱する他の花火大会では体験できない“花火の楽しみ方”もさらにパワーアップ。
また、今年も花火が打ち上がる前には「STAR ISLAND」が誇るパフォーマーの技を間近で見て、さらには彼らと触れ合えたり、弦楽三重奏のライヴやLicaxxx、Naoki Serizawa、SHINICHI OSAWAといった人気DJたちのプレイが楽しめたりとエンタメ性も健在。

とはいえ、圧巻だったのはやっぱり花火。最先端テクノロジー:3Dサウンドやパフォーマンス、ライティングなど様々な要素が加味された日本の伝統文化は、既存のモノとは一線を画す珠玉の一大スペクタクル。
長引く梅雨の影響が心配されたが、ちょっとやそっとの雨などモノともせず……誰もが「STAR ISLAND」の壮大な世界観に没入するその強度もさすがだった。

パフォーマンスにおいては、STAR PERFORMERSやFIRE PERFORMERS、WATER PERFORMERS、AIR PERFORMERSに加え、ACROBATIC PERFORMERSが初登場。演者も元体操オリンピック選手からBMXフリースタイルのプロライダーまで随所に超一流のパフォーマーを配備し、その見事な演舞に誰もが目を奪われたはず。

一方で、見上げればベイブリッジと絶好の夜景をバックに音楽にあわせて大輪の花火が。しかも、今年は客席と花火の距離が一段と縮まり(その距離なんと200m)、よりダイナミックに花火が感じられ、音楽とのシンクロ率も脅威的で視覚と聴覚を一度に刺激。

ザ・プロディジーやマーティン・ギャリックス、さらにはショウテックまでかかっていたけれど、なかでも感動的だったのはアヴィーチー。ニッキー・ロメロとの“I Could Be The One”には思わずウルウル。

もちろんマイケル・ジャクソンやイル・ディーヴォなどポップからクラシックまで流れる音楽は様々で、その違いによって花火の捉え方が……例えば、ダンスミュージックはやっぱり享楽的な気持ちになるし、ポップなサウンドでの一体感、クラシックとのコンビネーションによる荘厳さなど、沸き上がる感情の変化も実に興味深かった。

その他にも、花火や音楽に連動して輝くLED BANDで会場がひとつになったり、様々な体験をすることができたが、総じて思ったのは冒頭のナレーションにもあった“想像を創造する”こと。

これは決して何かを現実に創造する=生み出すことではなく、あくまでそのためのきっかけというかイマジネーション。様々な“気付き”があったし、物語を感じ、妄想をかきたてられた。

例えば、開催日となった7月20日は、奇しくも50年前に人類が初めて月面に降り立ったメモリアルな日。それだけに今回は“2019: A SPACE ODYSSEY”というテーマが掲げられ、プロローグからして宇宙へのアプローチ、音楽面でもエルトン・ジョンの“Rocket Man”が用いられるなど至るところでリンク。
] そして、それは全編通して見てみると、東京というリアルの延長線上に現実とバーチャルが融解した「STAR ISLAND」の世界が投影され、さらにその先にある、まだ見ぬ世界=宇宙への思いもかき立てられることに。同時に、地球という大きな舞台の中で機能する「STAR ISLAND」のポテンシャルの高さも改めて感じさせられた。

また、時間軸という意味でもプリミティブなサウンドやパフォーマンスが人類の誕生を想起させ、かと思えば目の前に広がる非現実的な現実を謳歌し、最先端のテクノロジーに未来を馳せる。そんな精神的タイムリープ感もまた心を振るわせる一助に。

そのうえ、花火という一瞬の煌めきにも無限の可能性を感じ、それは人生に置き換えても様々な要素を加えることでより煌めきが増す、そんなことまで感じた「STAR ISLAND」。

ちなみに、新天地・豊洲は埋め立て地。いわば人工的に作られた場所であり、地球開拓、フロンティアスピリッツ溢れる場所。これまでのお台場も同じだけど、その精神も伝統×最先端でまだ見ぬエンタメに挑戦し続ける「STAR ISLAND」に合致している場所だと思ったし、しかも豊洲は“豊かな場所になるように”との願いを込めて命名された場所であり、豊かさという意味では、様々な想像をかき立てられる「STAR ISLAND」はまさに人生を豊かにしてくれる、無理矢理ながらそんな親和性さえ感じるところ。

とにもかくにも、今年はこれまでと違い5月から7月へと開催日も変更していた「STAR ISLAND」。それだけに浴衣姿の来場者も数多く、いかにも花火大会感たっぷりで、でも中身は既存の花火とは全然違う……そんなアンビバレントな「STAR ISLAND」が日本の夏の新たな風物詩として定着することを願うばかり。

STAR ISLAND 2019
http://www.star-island.jp/