REXY=DEXYインタビュー第一弾では、彼らのルーツ、そして一歩一歩着実に成長する様を追いかけたが、第二弾ではよりディープに、令和のアーティストの深層にダイブ。
まずは、いまや幅広なんでもありのベースミュージックを2人はどう捉えているのか。加えて、楽曲制作におけるREXY=DEXYの信条とは?
キーワードは、“解放”、“感情”、はたまた“エモ”。
さらには今春、彼らの楽曲がCoachellaを沸かせた裏舞台について。
そして、海外での評価を高める一方で抱える大きなジレンマ……今を生きるアーティストが直面する歯痒さとは……。大きな喜びと苦悩の果てに、彼らが決断する未来とは?
第一弾「令和のアーティスト進化論…日本のベースミュージックを刷新するREXY=DEXYインタビュー #1」はこちら!
https://floormag.net/rexydexy001/
◆解放に感情…ベースミュージックの真髄
――楽曲制作はどのように行なっているんですか?2人で一緒に?
高橋:最近は僕がまずアイデアを出して叩き台を作り、それを大輝が構成・修正していく形が多いんですけど、状況にもよりますね。ただ、以前に比べると分担ができるようになったと思います。
――今は年間どれくらい作っているんですか?
高橋:正直、最近はちょっとペースが落ちてきていて昔ほど作れてないんですよ。というのもイベントとか他に考えないといけないことも増えて……。
前田:Patreonも始めて、その準備や投稿もあってなかなか……。
高橋:ペースとしては多くて月1〜2曲。本当はもっと作りたいんですけどね。でも、その時のメンタルや置かれている状況によっては作れない時もあるし、最近はモチベーションはあるのになかなか波に乗れなくて……。昔は月5曲とかできたのに。
ただ、締切が決まってると意外とできたりするんですよ。この前Flosstradamusと作った曲は「Coachellaでかけたいから曲作ろう!」みたいなノリで始まって、かなりタイトなスケジュール、3日くらいで完成させました。
――前田さんも同じような感じですか?
前田:僕は完全に作りたい時に作る、思い立った時に作る感じですね。僕の役割としては基本的にミックス、マスタリングなので楽曲制作の終盤に関わることが多いんですが、(高橋が)全然できない時は逆に僕が作るという感じです。
――ベースミュージックはとても幅広く、なおかつ年々更新されている感がありますが、2人はベースミュージックを知らない人に伝える時、どう説明していますか?
前田:説明する人にもよりますね。例えば“Skrillexみたいな音楽”って言ったり、ダンスミュージックが詳しくない人には自分たちの曲を聴かせます。言語化するのが難しいので。
高橋:僕も基本同じなんですけど、あえて言葉にするなら“解放”ですかね。ベースミュージックには激しさやエモさなど様々な側面があって、自分の心中にある様々な感情、“嬉しさ”、“怒り”、“悲しさ”などを解き放ってくれる感覚があります。
前田:そういう意味では、僕もベースミュージックは“感情”がハッキリしている音楽だと思います。例えばかっこいい曲には激しさや怒りがあって、エモい曲には感動や悲しみがある。1曲の中に色々な感情を詰め込むことができて、DJでも色々な感情を表現することができる。僕はそれを体現していきたいと思ってます。
高橋:僕らの楽曲もハードな曲もあればエモい曲もあって、例えば“HARD LIFE”や“WHERE DID YOU GO”といったエモい曲は“悲しみ”や“切なさ””怒り”の要素が入っている。個人的にそういう表現は好きですね。
――日本人は“切ない”ものが好きですよね。あとは“情緒”とか。
高橋:それはすごくわかる気がします。僕自身、その言葉、その要素の中に美学を感じるというか、美しさみたいなものを感じますね。それに“感動”を引き起こす部分もあると思う。
あとは、その状態を受け入れて前に進むことに意味があるというか、“悲しみ”や“切なさ”って僕らの音楽に必要な要素だと思うんですよ。切なさがあることで激しさも倍増する、その対比が解放とも捉えられるし、その相関関係は好きですね。
――いわゆるギャップですね。
高橋:そうですね。そこは知らず知らずのうちに意識しているかもしれないです。
◆海外での評価は確実に高まるも…
――近年、「GMO SONIC」や「ULTRA JAPAN」といった大型フェスにも出演されていますがどうでしたか?
前田:やっぱりフェスは楽しいですね。
高橋:昔から憧れていたステージなので、そこでできることは純粋に嬉しいです。解放感も半端なくて夢のようでした!
大学受験の時の休憩時間にULTRA JAPANの中継を見て楽しんでたのが懐かしいです!
前田:まだ未成年の時、ULTRA JAPANの音漏れを会場外に聴きに行ってたくらい好きだったので、そんな自分がこの舞台に立てたのがすごく嬉しかったです。
――大舞台でも緊張することはないですか?
高橋:しなかったですね。なぜかといえば(フェスでプレイすることを)ずっと想像して活動していたから。ステージに立つ前はちょっと緊張しましたが、ブースに立ったら平常心でできました。
前田:僕は緊張するどころか逆に楽しみすぎて、(プレイ中に)2人でやろうとしていたことを忘れて相方にブチギレられました(苦笑)。
――フェスといえば、今年のCoachellaではDJ SNAKE x RL GRIME x Flosstradamusが2人の曲をかけてましたよね。
前田:Flosstradamusとは以前コラボしていて、今回Coachellaで1曲はかけるって言われていたんですけど、まさか3曲かけるとは思わなかったので驚きました。
――中継はリアルタイムで観てました?
高橋:観てました。何かあるかもと思って(笑)。DJ SNAKEも以前から僕らの曲をかけてくれていましたし、Flosstradamusもコラボしたばかりなので。
前田:今年も嬉しかったですけど、個人的には去年のCoachellaの方がインパクトは大きかったですね。MAU Pが僕らのリミックスをかけてくれて。
高橋:Coachellaで僕らの曲が流れるのはあれが初めてだったからね。そこからの今年、2年連続で流れて、「自分たちの楽曲が世界に通用するんだ」って強く思えるようになりました。
――世界でも徐々に評価されてきている実感、手応えはありますか?
高橋:以前よりは感じてます。海外でも自分たちの楽曲がだいぶ流れるようになってきているので。ただ、同時に『それでも……』みたいなギャップも感じますね。結局フェスやクラブで曲が流れても一瞬のもの、その後もみんな覚えているわけではないし、自分たちの魅力を伝えるためには他人からでなく、自分たちでやらなくちゃいけないんだなと思いました。なので今、そのための行動、今までとは違うステージに行くための準備をしていて……。
#3に続く……
REXY=DEXY
高橋遼平と前田大輝、2人のDJ・プロデューサーからなるベースミュージック/トラップデュオ。2021年に活動を開始し、国内外のクラブでプレイすると同時に近年はGMO SONICやULTRA JAPANといった大型フェスにも出演。また、2024年にはYellow Clawが主宰するBarong Familyから楽曲をリリース。海外アーティストからの信頼も厚く、Yellow ClawやFlosstradamusなど様々なアーティストとコラボ。2026年のCoachellaでは、DJ Snake x RL Grime x Flosstradamusが彼らの楽曲を3曲もプレイしたことが話題に。
