――次がラストだと思うと非常に残念です……が、とはいえ今作も素晴らしい仕上がりになっていますが、アルバムのテーマ、そしてタイトルにはどんな意味が?

N:このタイトルはキュートに聞こえるかもしれないが、神話っぽいものでもあるんだ。“Mount Ninji”とは俺のことで、俺は人間として山のようにしっかりしていて頼れる存在でありたいと思ってる。だから、ヨランディは俺にこのニックネームを付けてくれた。

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そして、彼女は俺にとって親友であり、兄妹であり、子どもの母親でもある。彼女には常にハッピーでいてほしい。だから“Da Nice Time Kid”なんだ。このタイトルにはアルバムを完成させたという達成感が込められていると同時に、作品のコンセプトでもあるのさ。

――楽曲にはどんな思いを込めました?

N:どの曲も深い意味があり、俺たちが経験したアドベンチャーが題材になっている。俺たちはその出来事を振り返り、今生きていることを確認しながら曲を作ったんだ。

――あらゆるサウンドと感情が入り交じる中、強いメッセージも感じましたが。

N:今の音楽シーンはピラミッドのようなヒエラルキーになっている。そして、その頂点に立っているアーティストたちは互いにコラボし、それは一種の近親相姦状態だ。

それだけに他のアーティストはトップに入り込めない。俺たちはそれをぶっ壊したいんだ。システムを変えて、本当にかっこいいものがトップにいけるようにしたい。

そのためには、まず自分たちで模範を示すべきだと思う。そうすれば他のヤツらもついてこれるわけだしな。同じ音楽を繰り返すのではなく、本当に新鮮で、奇抜で、実験的で、楽しいポップミュージックが評価されるようになってほしい。

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俺たちは自分たちのことをポップバンドと思っているが、パンクのエネルギーを使ってる。いわばポップとパンクのハイブリッドだ。俺たちが言うポップとは“ポピュラー”という意味で、あくまで大衆のためのもの。誰でも共感できるが、なおかつ新しいものを作りたい。俺たちは新鮮だけどパンクエネルギーがあるポップスが好きなんだ。

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