今年も大成功を収めた『ULTRA JAPAN』。
では、実際に出演していたアーティストたちはどんな思いでステージにあがり、そこで何を感じたのか。
編集部では、本祭に出演したDJ をはじめ、LJ にVJ、さらにはダンサーの方々に『ULTRA JAPAN 2015』の印象や意義、さらにはベストアクトについてインタビュー。
その模様を前後編に分けて紹介していく。

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01 Satoshi Tomiie

ベストアクトは、クラウドたち!
新たな世界への入り口として期待

——『ULTRA JAPAN 2015』の印象は?

会場全体がお祭りのようなヴァイブで、昼間から盛り上がってるなあ! という印象でした。
そして、メインステージを見て日本でのEDM人気もすごいな、と思いました。
DJの選曲で踊るという、いわゆるクラブ・ミュージックの楽しみ方というより“コンサート”という印象が強かったですね。

実際、僕のプレイ中にフロアにいた明らかにEDMファンと思われる女の子たちが“ここでかかってる曲一曲も知らない〜!”と言っているのを友人が聞いたそうです(笑)。
聴いたことないけど“カッコイイ選曲で踊るのって楽しい!”ということも発見してほしいですね!

——トミイエさんが選ぶ、『ULTRA JAPAN 2015』のベストアクトは?

出演者よりもこの日のために準備したと思われるコスチュームのクラウドですね。
ハロウィンか!と思いつつ(笑)、見ていて面白かったです。

——『ULTRA JAPAN 2015』の開催意義はどんなところにあると思います?

お祭り騒ぎももちろんいいですが、“エレクトロニック・ミュージックのあなたの知らない世界”への入り口としても機能すれば、東京のシーンにもいい影響があるかもしれませんね。

Satoshi Tomiie
若くしてNYに渡り、フランキー・ナックルズ&デヴィッド・モラレスら擁するアメリカの超名門プロダクション:DEF MIXの一員として活躍。プロデューサー・DJとして世界的な評価を受け、過去にはDJ Mag Top 100 DJsで27位を獲得。現在も世界中でプレイする傍ら、今年は約15年ぶりとなるオリジナル・アルバム「NEW DAY」をリリース。近年新たなレーベルAbstract Architectureも設立している。
http://www.satoshitomiie.com>

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02 m-flo(☆Taku Takahashi)

昨年の問題点を見事に克服
いつかは日本がリーダーシップを…

——『ULTRA JAPAN 2015』の印象は?

日本の運営はまだ2年目ですが、日本人は学習能力が高いと思いました。
海外のフェスを日本で行うのは難しいことなのですが、去年の問題点を修正し、海外とのやりとりもうまくなったように感じます。

まだまだ改善点はあるのかもしれませんが、来年はさらに運営がうまくなり、いつかは日本がフェス運営のリーダーシップをとれる時代が……という期待さえ感じました。

——ステージにはどんな意気込みで望みましたか?

Verbalと僕らしさを凝縮して挑みました。
TC“Get Down Low”のマッシュアップをかけて、みんなが爆発してくれた瞬間は快感でした。

——☆Takuさんが選ぶ『ULTRA JAPAN 2015』のベストアクトは?

三日間全部見てはいないのですが、DJスネイクがよかったと思います。
僕が出演した二日目は、メインのステージもド直球なEDMというより、ベースミュージックの影響が強いアーティストがプレイしていたと思います。

——『ULTRA JAPAN 2015』の開催意義はどんなところにあると思います?

世界と接点を増やす、開催してノウハウを習得する、ダンスミュージックでマネタイズできる環境を作る。
この3つだと思います。

m-flo
VERBALと☆Taku Takahashiからなるプロデュース・ユニット。99年にメジャー・デビューし、以来数多くのヒット曲をリリース。
また、両者ソロとしての活動も盛んで、プロデューサー、DJ、その他様々な形で活躍。最近ではVERBALはEXILE HIRO、DJ MAKIDAIらとともにPKCZとして、☆Taku Takahashiはダンスミュージック専門インターネットラジオblock.fmの主宰、映画のサントラのプロデュース等も行っている。
http://m-flo.com/

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03 TJO

シーンの多様性を提示した今回
ベストアクトはダッシュ・ベルリンに!

——『ULTRA JAPAN 2015』の印象は?

日本のダンスシーンに大きな衝撃を与えた『ULTRA JAPAN』に2年連続、しかも今年はメインステージに立たせて頂けて光栄でした。
オープニングから人の入りもスゴくて、フェスに対する期待値や浸透具合を改めて感じました。

——TJOさんが選ぶ『ULTRA JAPAN 2015』のベストアクトは?

DJスネイクかダッシュ・ベルリンで悩みましたが、『ULTRA EUROPE』でファンになり、今回も素晴らしいプレイを見せてくれたダッシュ・ベルリンに軍配を。
高揚感溢れるセルフリミックスのオンパレード、多幸感満載の選曲、なにより見ている我々をハッピーな気持ちで巻き込むような大胆な動きやパフォーマンスに心奪われ、自分もこんなプレイをしてみたい!と思いました。

——『ULTRA JAPAN 2015』の開催意義はどんなところにあると思います?

世界中で盛り上がっているダンスミュージックのムーヴメントをここ日本で、大きな場所で体感できること。
海外フェスに参加することは難しいですし、インターネット越しに見るのとは確実に違う経験になる、それが大きな意味を持つと思います。
そして、昨年以上に世界と日本のシーンの流れを汲んだラインナップでシーンの多様性を提示してくれたことが嬉しかったです。

TJO
TJOことTakeru John Otoguro。2003年からDJ、オーガナイザーとして活躍し、ジャンルを問わず様々なスタイルのパーティに参加。
近年では☆Taku Takahashi主宰のblock.fmでディレクター、ナビゲーターとしても活躍。DJとしては国内でもトップクラスの現場稼働率を誇り、『ULTRA JAPAN』や『electrox』にも参加。さらに、今年はクロアチアで開催された『ULTRA EUROPE』にも出演。
https://twitter.com/tjo_datasci

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04 KSUKE

何かが変わりはじめている……
ダンスミュージックが広がるキッカケに

——『ULTRA JAPAN 2015』の印象は?

会場全体から“楽しむぞ!”というパワーを昨年以上に感じました。
DJプレイ中にも会場からブースに向かってくる歓声、エネルギー、突風(笑)、とにかく半端じゃなかったです!!
言葉では表現しづらいのですが、DJとして会場と一体になれて素直に気持ち良かったし、楽しかったです。

——『ULTRA JAPAN 2015』のベストアクトは?

スクリレックスですね! DJプレイはもちろん、演出、パフォーマンス全てにおいて圧倒されましたし、僕はいろんな意味で半泣きでした(笑)。
意外性溢れるユーモアなDJプレイの中にも、しっかりと日本のリスナーの心を掴むギミック、素晴らしいエンターテイメント性を感じました。

——『ULTRA JAPAN 2015』の開催意義とは?

これによって、まだ日本ではメジャーとは言えないダンスミュージックという文化が必然的に広まると思います。
同時に、日本独自の新しいカルチャーが生まれるキッカケになるのではと思いました。
最終日のデヴィッド・ゲッタのステージを見ながら、“すごい!日本じゃないみたいだ!”と思いましたし、何かが変わり始めている!と強く感じました。

KSUKE
2011年よりDJ活動を開始。するとすぐさま頭角を現し、国内外で活躍。2014年にはマイアミの『ULTRA MUSIC FESTIVAL』に大抜擢され、その後『ULTRA KOREA 2014』、そして『ULTRA JAPAN 2014』のメインステージでもプレイ。
現在は活動拠点をラスベガスへと移し、よりワールドワイドな展開を目指すなか『Ultra Europ』にも出演。また、3月にはデビュー・アルバム「SPACE SHOUT」をリリース。
http://ksukejpn.com

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05 XXX$$$(XLII & DJ SARASA)

『ULTRA』で繋がった新たな出会い
世界中の人々がみんなひとつに

——『ULTRA JAPAN 2015』の印象は?

音楽は幸せ!という印象が強いです。
アングラから出てきた私たちからすると、11時オープンなのに朝9時半から既に人が遊ぶ気満々で待ってるところが素晴らしいと思いました。
あとは、お客さんの反応がとても素直。ステージからお客さんとの距離は結構あったのに、私たちのテンションもダイレクトに伝わっていたし、お客さんのエネルギーもガッツリ届いてさらにいいプレイができました。
また、プロダクションの完成度も高く、気遣いが隅々まで行き渡っていたので、私たちアーティストはプレイに集中できました。

——『ULTRA JAPAN 2015』のベストアクトは?

素晴らしいアクトがいっぱい過ぎて難しいですけど……個人的にDJ Shintaroのセレクションの良さとDJスキルが素晴らしいと思いました。

——『ULTRA JAPAN 2015』の開催意義とは?

世界中のシーン、人が集まり、みんなひとつになっていたと思います。
今まで“音楽”での居場所を探していた人たちも、ここで新しい出会いがあり、『ULTRA』のおかげで日本全国の楽しい人たちが繋がったと思います。
これを機に一般層にまで様々なダンスミュージックが浸透していくと思います。

XXX$$$
ベース・ミュージック系気鋭レーベル:Civil Musicで活躍するXLIIと、DJとして世界を股にかけ活躍するDJ SARASAによるユニット。
XXX$$$(エクセス)とは“EXCESS(やりすぎ)”を意味し、その名の通りステージ上で見せるリアルタイムに繰り広げられるミックス&コントロールや大胆なパフォーマンスで世界中を魅了。
マイアミ『ULTRA MUSIC FESTIVAL』や『ULTRA KOREA』にも出演。ファーストEP「Starburst」も大きな話題を呼んだ。
https://twitter.com/djsarasa

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