今年新たにスタートした“RESISTANCE”。
そこでは、アンダーグラウンドなハウス〜テクノを追求するものたちが集い、新たな世界観を構築していたわけだが……
EDM全盛の今、『ULTRA』があえて繰り出すこの一手は、何を意味していたのか。

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本家マイアミの『ULTRA Music Festival(以下UMF)』で今年産声をあげたステージ:RESISTANCEが早くも日本に上陸。
しかも、そのラインナップが唯一のレジデントであるニック・ファンシウリをはじめ、ジョン・ディグウィードにサシャ、そしてゴーゴン・シティといった気鋭まで、メイン・ステージにひけを取らないその顔ぶれに喜んだテクノ/ハウス・ファンは多かったはずだ。

そもそもRESISTANCEとは何か。
以前、ニック・ファンシウリに話を聞いたところ、
“アンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージックを推進するものだ”と言い、さらには、
“EDMとアンダーグランド・ミュージック、好きな音楽を選んでほしい”と話していた。

RESISTANCE、直訳すると“抵抗”“反抗”という意味だが、そうではない。EDMにしろ、ハウスにしろ、それは同じダンスミュージック。
その幅広い音楽の中で、そこに選択肢を与えることの重要性を彼らは知っているのだ。

そんなRESISTANCEだが、現場ではメインステージとは全く異なるピュアなハウス〜テクノが終始展開され、その空間もある種真逆と言えるものだった。
派手な映像やレーザーを伴いエンターテインメント性豊かで刺激的、まるでライヴ・コンサートのようなわかりやすい音楽と演出だったメインステージに対して、RESISTANCEでは過度な肉体的刺激を与えることなく、むしろ精神に訴えかけるような内省的な空間があった。

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誤解を恐れずに言うならば、オーディエンスが全員で歓喜する、その一体感を求めるメインに対し、それぞれが自身の中で快楽を見いだし、心を開放していく。
それは音楽性に関しても言えることで、ニックは両者の違いについて
“メインステージはリアクション重視だけど、僕らがやっているのは音楽の旅。
コンセプトが全く違うんだ。僕らは、時間をかけて物語を作り上げる”

と語っている。

確かに、瞬発力が大きく左右するメインステージに対し、RESISTANCEは勢いではなく空間性や流れで勝負する。
また、メインは踊るだけでなく歌うことに喜びを見いだしていたが、RESISTANCEはただただ踊ることに特化。

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これはEDMのセット化にも起因することだが、メインでは誰もが知っている曲が機能する。
いわばライヴのような側面があるが、そこでは在りし日のDJたちが持っていたセレンディピティ(素敵な偶然性や予想外の発見)がものを言う。
次にどんな曲がかかるのかはもちろん、その曲が誰の曲なのかもわからない。それだけに新しい発見があり、そこに喜びを見いだす。

それが大きな違いであり、ニックの言うところの“旅”に通じるものなのだろう。

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こうも言ってしまうと、RESISTANCEはマスには向かないと思われるかもしれないが、そうでもない。
RESISTANCEのDJたちも、もちろんアンダーグラウンド・シーンのアンセムをかけ、会場の一体感を生んできた。

しかしながら、シーン、マーケットの規模感から、メインステージに比べればそれもまだまだマイノリティ。
実際、双方の動員数を比較してみると差があったことは否めない。

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ただ、内容、クオリティの部分ではそんな差はなかったと思う。
『ULTRA』が新たに立ち上げた新たなブランドは1つの選択肢として音楽、そしてフェスの幅を大きく広げていた。同時に、『ULTRA』というアイデンティティをより一層高め、広げることにも貢献していたと思う。
そして、なにより彼らはそこに未来を感じていることを今回のステージを見てひしひしと感じた。

最後に、ニックはこうも言っていた。
“僕は、いつかはレジスタンスのステージが、メインになることを願っている。そう信じているよ”

RESISTANCEの未来は如何に……。