今年もいよいよスタートした「ULTRA JAPAN」。

本家マイアミ「Ultra Music Festival(UMF)」でも今年新設されたばかりのLIVE STAGEが早くも日本上陸と、話題にこと欠かさない本祭。もちろん、その他にも音楽面のみならず、ホスピタリティをはじめとする様々な面でレベルアップ。改めて進化するフェス「ULTRA JAPAN」を感じさせた。

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EDMシーンのビッグスターたちがこぞって登場するMAIN STAGE。アンダーグラウンドなハウス、そしてテクノに焦点をあて、深淵なるダンスミュージックの神髄を体現するRESISTANCE、そして多くの気鋭が他ステージに負けじと己のスキルを誇示するULTRA PARK。そして、新たに加わったLIVE STAGEと、今年は4つのステージが組まれるなか、その規模感と熱狂度においてやはり目を見張るものがあったのはMAIN STAGE。

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とりわけ最初のハイライトとなったのはサム・フェルト。
マイアミ「UMF」でも、陽光差し込むなか持ち前のトロピカリーなサウンドにハウスのエッセンスを多分に含んだサウンドはとにもかくにも気持ちよかったが、それがそのま日本でも味わえることに!“Show Me Love”や“Been A While”など自身の楽曲を中心に時に自らリミックスしているアビーチーの“Waiting For Love”で大合唱と、序盤から大きな盛り上がりを見せた。

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さらにはデオロが続き、そしてオーディエンス待望のニッキー・ロメロ。会場には相変わらずアノニマスマスク姿の熱狂的ファンも散見し、日本での人気っぷりを改めて証明。そして、プレイでもヒット曲満載。“I Could Be The One”の盛り上がりもスゴかったが、やはりニッキーと言えば“Toulouse”。そのメロがかかった瞬間の爆発力たるや、怒濤というのはまさにこのこと。
その後もビッグアンセムの数々を投下したニッキーだったが(ときにトラップ、ハードスタイルも!)、ラストは自身が手掛けたザ・チェインスモーカーズ“Young”のリミックスでまったりと。そして、その背景には早くも花火が。

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そんなMAIN STAGEの一方で、新設されたLIVE STAGEでは小室哲哉擁するPANDORAやちゃんみなといったこれまでの「ULTRA JAPAN」にはなかった顔ぶれが。さらには水曜日のカンパネラ〜ポーター・ロビンソンというミラクルリレー。メインとはまた違ったサウンドも好評で軒並み大盛況。初のLIVE STAGEも成功だったと言えるだろう。

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特にポーターは自身の楽曲“Sad Machine”を皮切りに、ダンスな“Easy”などを披露しつつ、はやり山場はマデオンとの“Shelter”で、MAIN STAGEとはまた異なる感動を生み出していた。

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そして、RESISTANCEもストイックにハウス、テクノを追求し、それを求めるオーディエンスで絶えず埋め尽くされていた。この日は無念にもイーツ・エブリシングと石野卓球が急遽キャンセルになってしまったが(体調不良と飛行機の遅延により)、その分Sugiurumn、そしてセス・トロクスラーがまさかのロングセットを披露。キャンセルは悲しいことだが、セスのロングセットはファンにとっては格別なもの。アンラッキーがラッキーとなり、それもオーディエンスの特別な時間になったはず。

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初日の大円団に向け各所盛り上がりを見せるなか、やはり凄まじかったのはMAIN STAGE。徐々に天候が崩れてもその熱気は冷めることなく、むしろ加速。そんなステージに登場したのはスティーヴ・アンジェロで、そのプレイは圧巻。
荘厳なイントロからタメにタメての“Rejoice”、まだまだじらすその絶妙さ。そして、そのみなぎるエネルギーが一気に解放されるが如く、“Knas”、“Slvr”、さらにはユーリズミックスの“Sweet Dreams”やフェイスレスの“Insomnia”といった往年のアンセムをマッシュアップしながら、過去に在籍したスウェディッシュ・ハウス・マフィアの“Greyhound”や“Antidote”も巧みに繋いでいく。そして、中盤には“One (Your Name)”も飛び出しオーディエンスは大歓喜。

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さらに終盤は“Children of the Wild”でセットを刷新すると、その後も至高のサウンドジャーニーは続き、ビッグアンセム“Payback”で〆と思いきや、そこで終わらないのもまたさすが。最後までオーディエンスを魅了し続けた。

そして、初日のMAIN STAGEのラストを飾ったのはアレッソ。
第一回、第二回と出演し、2年振りの出演で見事トリに抜擢されたEDM界のスーパースターは“Take My Breath Away”で幕を開け、序盤はトライバルなテイストでこれまでとは違った一面を見せつつも、徐々に自らのビッグアンセムを投下。やはり、彼の美しいメロディは大舞台でこそ映えるもので、今回もまた“Sweet Escape”や“Heroes”ではオーディエンスあげての大合唱。雨の中でも大きな歌声がお台場に鳴り響く。

その後もヒット曲が続々とプレイされ、終盤には今年最大のヒット曲のひとつ、ザ・チェインスモーカーズ&コールドプレイの“Something Just Like This”からの“I wanna know”と続き、盛大な花火とともに大円団。

悪天候に見舞われながらも、それをものともしない「ULTRA JAPAN」。ダンスミュージックファンにとって最高の3日間が盛大に幕を開けた。