12月1日〜3日まで、東京・渋谷の5会場で開催された『TOKYO DANCE MUSIC EVENT(TDME)』。今回は“カンファレンス(国際会議)”、“セッションズ(音楽制作)”、“ライヴ(パフォーマンス”の3つのコンテンツで構成され、3日間にわたり各会場には多くのお客さんが詰めかけた。

日本のダンスミュージックシーンの未来を見据えた“カンファレンス”

とりわけ注目を集めていたのはカンファレンス。ダンスミュージックにフォーカスしたものとしては日本初の試みとなったが、国内外から有識者総勢50名以上が参加し、絶えず熱い議論が繰り広げられた。

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渋谷区長の挨拶を皮切りにスタートした初日はフェス、コンサート、クラブ、ブッキングをテーマに10のセッションを展開。なかでも、「日本のプロモーターにおる音楽フェス事情」では、『FUJI ROCK』、『SUMMER SONIC』という日本を代表する二大フェスに加え、来年初開催が決定した『EDC JAPAN』の代表者も登壇。
ここ数年、音楽フェスが大きな注目を集めているだけに、会場には関係者のみならず若い世代も詰めかけ、登壇者たちが話す現状、そしてフェスの未来について真摯に耳を傾けている姿が印象的だった。

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その後も様々なトークが行われ、終盤にはニーナ・クラヴィッツと宇川直弘がセッション。宇川ならではのある種パラレルでマニアックなトーク、それに応えるニーナ。そのやりとりは他では聞くことのできない貴重な時間だった。

そして、この日のラストは今年の本邦クラブシーンにおける最大の出来事であり、長きに渡る日本のクラブ史の中でもターニングポイントとなった風営法改正に関して。その足跡を振り返りながら、今後のシーンのあり方を問うトークは実に興味深かった。

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続く2日目のテーマは、今後ますます重要視される音楽マーケティング、ストリーミング配信、インターネットラジオ、プロモーションなどについて。
世界にその名を轟かすUltra RecordsのCEOパトリック・モクシー氏は、カイゴやマーティン・ギャリックスといった今をときめくトップアーティストたちを手掛けたその経験談を披露。これには、訪れたお客さんも興味津々の様子。また、『The FADER』、『DJ Mag』といったグローバルなメディアの編集長・エディターと、インターネットラジオblock.fm主宰の☆Taku Takahashiの白熱したセッションも今後日本が世界に文化を発信していく上で考えさせられる部分が多い実のあるものだった。

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今回のカンファレンスでは2日間で計19のセッションが行われ、そのいずれも登壇者たちが自由に意見を交わし合い、日本のシーンを検証していった。こういった舞台だからこそ浮き上がることも多々あり、なおかつ多くの人と意見を共有するという意味では、実に有意義な時間だったと思う。

<次ページ> 次代のクリエイターがここから……世界的アーティストも参加した“セッション”

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EVENT INFORMATION

TOKYO DANCE MUSIC EVENT -CONFERENCE-

2016年12月1日(木)・2日(金)

渋谷ヒカリエ ヒカリエホールA

NINA KRAVIZ, PATRICK MOXEY, TOBY ANDREWS, 長谷部健, ZEEBRA, ☆Taku Takahashi(m-flo), 宇川直宏 and more

EVENT INFORMATION

TOKYO DANCE MUSIC EVENT -SESSIONS-

2016年12月1日(木)・2日(金)

Red Bull Studios Tokyo

YAMATO, sauce81, Seiho, CD HATA(Dachambo), DJ BAKU, Josh Bess (benben), JUZU a.k.a. MOOCHY, Koyas, LLLL, banvox, ☆Taku Takahashi and more

EVENT INFORMATION

TOKYO DANCE MUSIC EVENT -SESSIONS-

2016年12月2日(金)・3日(土)

渋谷ヒカリエ ヒカリエホールA, WOMB, SOUND MUSEUM VISION, contact

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