“私たちは、あなたによって行使される政治権力が世界の、
そしてアメリカ全体の調和を腐敗させないかどうか、
これから注意深く見守っていく”

(ラッセル・シモンズ)

先日、大方の予想を覆し次期大統領に決定したドナルド・トランプ。彼と長年に渡り親交があったという音楽レーベルDef Jamの創設者ラッセル・シモンズが、米リベラル系インターネット新聞「ハフィントンポスト」を通じて、今回の大統領選を批判する質問状を公開した。

そのタイトルは“ドナルド・トランプとアメリカへ祈りを ー旧友より”。

ラッセル・シモンズはこの手紙の中でトランプ氏の発言や政策、国内に広がる不穏な動きを全面的に批判した上で、彼に向けて「国民のための最良な政権運営の方法論」に関する忠告を試みている。

シモンズ氏は、
「極右とオルタナ右翼(※1)が君の忠実な支持者だが、彼らはあなたの真の意味での友人ではない。それを君はよく知っているだろう。この国における歴史上いまだかつてない、事実上独立した大統領になるチャンスを得たが、選挙期間中にあなたが突き通してきた過激なまでの信念は警告に値する」
とし、文末は
「若者は、“この国における初の独裁者が誕生したこと”を恐れているが、私はその考え方を責めることはできない」
と結びトランプ氏に警告している。

また、もし彼がルドルフ・ジュリアーニ(※2)とマイク・ペンス(※3)に耳を傾けるなら、次のホワイトハウスの4年間は信じられないほど嫌な空気に包まれるだろう、とも語っている。

※公開質問状の全文はこちら

なお、これは彼がトランプ氏に宛てた2番目の公開質問状となり、1通目は昨年エンターテイメントサイト「グローバル・グラインド」上に最初の質問状を公開。
そのときはトランプ氏に、“たわごとはやめるように!”と求めていた。

今回の衝撃的な大統領選の結果に対するエンターテイメント界や音楽シーンの著名人の反応は米音楽メディアPitchforkが報じている。

(※1)︎
ネット発の新しい右翼思想の一種。アメリカにおける主流派に反し、共和党、ドナルド・トランプを支持。多文化主義や移民、フェミニズムなどに反発している。

(※2)︎
アメリカの政治家・弁護士。1994年から2001年までニューヨーク市長を務め、凶悪犯罪の撲滅と治安改善に大きく貢献。米同時多発テロ発生時には、テロリズムとの戦いを宣言し、“世界の市長”と絶賛された。

(※3)
アメリカの政治家・弁護士。今年7月にドナルド・トランプから副大統領の指名を受けている。