1994年に初来日した際、そこで飲んだ日本酒に魅了されて以来、常々日本酒の啓蒙活動を行ってきたリッチー・ホウティン。

彼がキュレーションを務める日本酒ブランドENTER.SAKEから、このたびそのメイン商品のひとつENTER•SAKE BLACKがディスクユニオンで販売されることに。

ENTER SAKE 2016 BLACK

これは19世紀創業の愛知県の蔵元、関谷酒造株式会社が製造しているお酒で、ディスクユニオンでは720mlのボトルとイベント会場のみで販売されていた180mlのカップの2アイテムをラインナップ。
海外からの輸入ではなく蔵元から直接仕入れる形となった。

リッチーと言えば、世界中で開催している自身の主宰パーティ『ENTER.』にも、日本酒を楽しめるエリア:SAKE BARを設置。

2013年12月の来日時には『ENTER.SAKE SHIBORITATE TOUR 2013』と題し、翌年の『ENTER.SAKE』で提供するお酒のリサーチに、京都や大阪、福井、山口など各地の蔵元を訪ね圧搾されたばかりのフレッシュな日本酒を試飲。

さらに京都と福井ではテクノと日本酒が楽しめるパーティを開催し、その魅力を伝えている(その模様は以下、ドキュメンタリーにもなっている)。

そんな一連の啓蒙活動が認められ、リッチーは2014年、「酒サムライ」に叙任。
酒サムライとは日本酒のインフルエンサーのことで、若手蔵元たちによる団体:日本酒造青年協議会が立ち上げた組織である。

叙任に際して行われた酒蔵PRESSのインタビューで彼は
「日本に初めて来てナイトクラブで日本酒を飲んで、長年のDJ経験からこれは完璧な酒だと確信したよ」
と日本酒とのなれそめを話している。

さらに、味だけでなく日本酒の作法、文化的な側面についても
「日本酒の一番の魅力はみんなで共有できることだ。お互いにおちょこを持ってお酒を注ぎ合う。こういった習慣はほかにないよ。
 この習慣がとても好きなんだ。心がとても暖かくなって、そのおかげで友人たちととても親しくなれたよ」

と熱弁している。

また、今年1月に公開されたClubberiaの独占インタビューでは、
「酒については、最初は友人と飲んでいるときに知ったんだけど、すぐに酒の文化や慣習、シンプルでありながら独特の味、酒瓶のデザインすべてが僕の心に深く響いたんだ」

「今は、ふたつのとんでもなく深い情熱、エレクトロニック・ミュージックに対するそれと、酒に対するそれを胸に毎日を過ごしている。
 そしてどんな時も、僕が心底惚れ込んでいるその両方の文化の育成を手助けするために、そのふたつを絡み合わせる道を探そうとしているよ」

と日本酒とダンス・ミュージックへの飽くなき思いを綴っている。

ENTER•SAKE BLACKは7月上旬より、ディスクユニオンの一部店舗ほか、オンラインショップで発売。