「創造性」「選曲」「スキル」「ステージ映え」「フロアの盛り上がり」の5項目を審査員が判定し、世界一のDJを決める大会『Red Bull 3Style』。各国の代表が激突する世界決勝が2月5日(月)〜11日(日)にかけてポーランドで開催され、日本代表のDJ RINAが女性DJとして大会史上2人目となる、上位6名によるグランドファイナル(最終戦)進出を果たした。

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世界決勝初戦、イタリア代表、フィリピン代表、機材トラブルに見舞われたフランス代表、幅広い選曲をみせたアゼルバイジャン代表に続き、DJ RINAはグルーヴィな選曲で観客を盛り上げて健闘。しかし、この夜の最後に登場したチリ代表の堂々としたパフォーマンスに惜しくも初戦敗退。

しかし、その後、過去の『Red Bull 3Style』世界チャンピオンたちが選ぶ、ワイルドカード枠(敗者復活)でグランドファイナルへと駒を進めることに。

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『Red Bull 3Style』はテクニックのみならず、選曲やステージ映え、観客の盛り上がりも採点対象。彼女の選曲&プレイスタイルは大きな可能性を秘めていたのだという。

最終戦でDJ RINAは、カナダ、チリ、ベルギー、イタリア、南アフリカという強豪国(カナダは過去に世界王者が2名)の代表たちと対決。

ステージでは、映画『天使にラブ・ソングを2』で有名なゴスペル“Oh Happy Day”のアレンジ曲で観客を大合唱させ、その後も和テイストの音ネタで日本代表のアイデンティティを表現。ヒップホップ、R&B、アフロビート、さらにはオアシスの名曲“Wanderwall”まで織り交ぜ、これまでの『Red Bull 3Style』のテクニック重視の型を破り、歌モノからリスニング曲まで彼女ならではのオリジナリティ溢れる選曲を丁寧に繋ぎ、グルーヴを紡いだ。

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同じくワイルドカード枠で勝ち進んできたイタリア代表のダミアニートが、プレイ開始直後からヒップホップ〜エレクトロで観客を盛り上げ、さらに楽器で声を再現するトーク・ボックスを巧みに使ったパフォーマンスで圧倒し優勝を勝ち取った。

2010年にスタートした『Red Bull 3Style』の歴史のなかで、女性DJによるグランドファイナル進出は2人目。世界チャンピオンの座こそ逃したものの、DJ RINAは大会の歴史に名を残すことに。

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大会を終えたDJ RINAはこう語っている。
「自分らしい選曲とスタイルを表現することができました。今大会で集まった24ヵ国のDJたちは、いいライバルであり友達です。同じ目標に向かっているDJたちと共に1週間を過ごしたことは初めてで、緊張ではなく楽しさで一杯でした。勝負も大事だけど、DJとして音楽を楽しむことが大切なんだと改めて気付けたことは、とてもいい経験です。

そして最後に審査員&DJのNINA LAS VEGAS(ニーナ・ラスヴェガス)が表彰式の場で、女性DJとしての活躍を讃えてくれたことは、ある意味、優勝を掴み取ったと同じ気持ちでした」