2012年の結成以来、ネット上でのブレイクと同時に老舗名門レーベルNinja Tuneから作品を発表。そして、2014年リリースの公式デビュー作「In Return」でエレクトロニックミュージックシーンでの存在を確たるものとした、アメリカはシアトル発のユニット・オデッザ。

ハリソン・ミルスとクレイトン・ナイトからなるこの2人組がなぜこうも注目を集めたかといえば、その音楽性こそ彼らの強み。エレクトロ〜ポップを基調にしながら哀愁たっぷり。アンビエントやチルアウトの要素もありつつ、もちろんダンスフロアでの機能性も忘れない。それもEDMとの親和性がちらほら散見されるという絶妙なバランス感で。現行のシーンに目配せしつつも、決してそこに傾倒することなく、彼らはただただオンリーワンなサウンドを構築し、あらゆる音楽ファンを魅了してきた。

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その証左に、当初コアなダンスミュージックファンの拠り所たるHype Machineで注目を集めたものの、すぐさまYouTubeやSpotifyといったマスな動画サイトでも躍進。現在ではなんとYouTubeの総再生回数は4億回以上。Spotifyでは5億回越えと大きな成功を収めている。
また、リアルにおいても『Coachella』をはじめとする世界最高峰のフェスに数多く出演。2015年以降の単独公演は軒並みソールドアウトとなるほどの人気を博し、ひいては第58回グラミー賞(2016年)の最優秀リミックス・レコーディング賞にノミネート。まさに、その実力は世界が認めるところなのである。

そんな彼らが前述の出世作「In Return」以来となる最新作「A Moment Apart」を9月8日に発売することが決定した。
そして、そのリリースに先立ち現在は計4曲の新曲が公開中となっている。

まず手始めに“Line Of Sight”が4月に、翌月には“Late Night”が公開。対照的とも言えるようなこの2曲だけでもそのジャンルレスな魅力、彼らのポテンシャルの高さを充分に感じさせてくれるところだが、このたび追加で公開された2曲はさらにスゴいことに……。

荘厳な世界観のなか響き渡るライXのファルセットボーカル、その調べの美しさたるや……。“Corners Of The Earth (feat. RY X)”では、オデッザのさらなる高みを感じさせ、一方インストの“Meridian”ではまた別のベクトルに振り切られた多幸感に加え、生命の神秘さえ感じさせるこれまた壮大な1曲に。

この4曲だけでも大きな期待を寄せてしまうが、待望の新作「A Moment Apart」には第58回グラミー賞の最優秀R&Bアルバム部門にノミネートされたリオン・ブリッジズや、同じく第56回グラミー賞の最優秀映像メディア楽曲賞にノミネートされたレジーナ・スペクターら錚々たる顔ぶれが参加予定となっており、さらなる音楽世界が待ち受けている模様。

そして、今夏彼らはキャリア最高規模のワールドツアーも控えているということだが、ぜひ日本でも彼らの勇姿が見たい。

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ODESZA
「A Moment Apart」

Counter Records / Beat Records
9月8日発売