まさに「文化の日」にふさわしい芸術祭が日本に初上陸。モントリオール発祥のメディアアートと電子音楽の祭典「MUTEK」。

渋谷スペイン坂のWWWとWWW X、そしてレッドブル・スタジオ東京を舞台に3日間にわたり繰り広げられた本祭は、兎にも角にも文化的偏差値が高かった。そこに集まったのは音楽的マイノリティばかりで、ビートとノイズを主食にした愛好家か、音楽か映像のクリエイター、もしくはシャープなラインを綺麗に整えたテクノカットたち。彼らの目当ては非音楽とも取れる実験性の高いオーディオビジュアルのインスタレーションだ。

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なかでも注目度が高かったのは、20周年を迎えた実験音響レーベルRaster-Notonのショーケース。
心電図の波形や幾何学的な模様がミニマルに交差する映像に荒れ狂うハードなビートとノイズが押し寄せる圧巻のパフォーマンスを魅せるレーベル総帥カーステン・ニコライことアルヴァ・ノト。

無機質で非感情的だが、身動きが取れないくらい超満員の会場は静かに昂奮しているようだった。その狂気的な音像は、視覚と聴覚を越えて右脳を刺激しているような不思議な感覚をもたらした。

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カーステン・ニコライとともにRaster-Notonを立ち上げた立役者バイトーン(二人でダイアモンド・ヴァージョンとしても知られる)のライヴは、黒をベースにしたモノトーンな映像を背景に歪んだシンセ音と立体的に飛び交うビートとノイジーな映像がシンクしたミニマルなプレイを敢行し、後半はアルヴァ・ノトを筆頭にレーベル所属アーティストがステージに加わり貴重なセッションが披露された。

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<次ページ> 『MUTEK.JP』他にも実験性の高い催しが

EVENT INFORMATION

MUTEK.JP

2016.11.2-4(WED-FRI)

WWW / WWW X / レッドブル・スタジオ東京

ALVA NOTO, ANNE-JAMES CHATON, BYETONE, DASHA RUSH, ENA, HERMAN KOLGEN. INTERCITY-EXPRESS, MAOTIK & METAMETRIC, MARTIN MESSIER, MAX COOPER, MIDNIGHT OPERATOR, PHEEK, ROBERT LIPPOK, ROBIN FOX, SHINGO SHIBAMOTO × MMM, UENO MASAAKI

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