全てのジャンルにおける日本人の中でも、最もワールドワイドに活躍する男のひとりKen Ishii。

彼がいよいよ世界最高峰の舞台に立つことに。それは毎回300組以上のアーティストが出演し、壮大なスケールが織りなす圧倒的世界観であらゆる者を魅了。ひとたびチケットが発売されれば18万枚もの数が瞬く間に捌かれる地上最強のフェスティバル『Tomorrowland』。

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今年は7月21〜23日、28日〜30日と2週にわたり開催される中で、彼は23日の“DAVE CLARKE & FRIENDS”ステージでプレイすることが決定。共演するのはデイヴ・クラークを筆頭に、ベン・クロックやレン・ファキといった実力者たち。ちなみに同日、別ステージではディミトリ・ヴェガス&ライク・マイクやマーティン・ギャリックス、ディクソン、リカルド・ヴィラロボスら錚々たる顔ぶれが……。

とはいえ、そんな面々に臆すことなく、その腕前を存分に披露してほしいところだが、開催まで残りわずかとなった今、改めて彼に『Tomorrowland』への思いを直撃した。

——まずは、『Tomorrowland』に出演が決まったときの率直な感想は?

ついに来たか!と思いました。規模、知名度、動員……その他、どこをとってもあらゆるフェスティバルの中で世界一らしいので、ちょっと武者震いが……(笑)

——開催国のベルギーは、かつてIshiiさんがデビューした国でもありますよね。

ベルギーは僕にとって第二の故郷です。今まで何度も、それこそ数えきれないほど行った場所だし、今でも年に3〜4回は必ずステイしています。二十年来の友人もたくさんいるし、素敵な僕好みのビールがたくさんある素晴らしい国ですね。

——ちょうどこの5月にもベルギーで2回もギグを行なっていますよね。これは偶然?

ベルギーでツアーが入っていたんですよ。もしかしたら、『Tomorrowland』出演が決定した影響もあったかもしれないですけど。

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——『Tomorrowland』には豪華なアーティストが数多く出演されますが、Ishiiさんが個人的に注目しているアーティストは?

やはり僕と同じ日にステージでプレイするアーティストですね。ファブリス・リグはこれまで何度もコラボした友人だし、レン・ファキ、ベン・クロック、デイヴ・クラークの流れはテクノ的にはめちゃくちゃ豪華だし。

——音楽以外の部分で楽しみにしていることはありますか?

遊園地のようなあの世界観をエンジョイしたいです。普段フェスティバルに参加するときはプレイする前後しかステイしないんですが、今回は少し早めにベルギーに入ってみようかなと思ってます。

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——当日はどんなプレイをするか、もう考えています?

やっぱりフェスティバル・セットかな〜。流れを作るよりも、ひたすら突っ走る感じで。

——参加者に話を聞くと、会場には日本人の姿も多いと聞いていますが。

ステージは全部で15個くらいあるらしいんですが、僕がプレイする時間はぜひ“Dave Clarke & Friends”のステージに来て、日本人のパワーを見せつけてほしいですね。もし前の方で踊ってたら、オフィシャルのカメラクルーが撮影したがるかもしれないですね(笑)

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——Ishiiさんは、これまで数多くのフェスに参加していると思いますが、一番最高だったフェスは?

デビューして最初に出演したヨーロッパでのフェスティバル・ツアーかな。1996年のことですが、ベルギーのロック・フェスティバル『Pukkelpop』です。当時所属していたR&Sのスタッフや、僕のキャリアの最初のころにサポートしてくれた人がみんな集まってくれて。しかも、会場にはスゴいお客さんの数で。自分が違う世界にいるように感じたことは今でも覚えてます。

——フェスだけでなく、今なお世界各国のイベントに出演されていますが、最近プレイしたものの中で印象に残っているものは?

4月のパリ、5月の中国深圳と東京Sankeys TYOでドセムと行なったパーティです。それぞれ会場もお客さんの感じも違ったんだけど、その日に自分がしたかったことにお客さんがばっちりノってくれたという意味でとてもよかったです。

――先日最新EP「BITTER END / SKEPTICS」をリリースされましたが、KenIshii名義でのリリースは久々ですよね。今作のテーマは?

今のテクノシーンの流れを押さえつつ、自分の色を入れ込みたいなと。あと、クリスチャン・ヴァレラのPornographicからも同時期に『Reality Tunnel EP』が出たのでよろしくお願いします(笑)

——最近のダンスミュージック・シーンについてはどんな印象をお持ちですか?

日本を含め、アジアではちょっとテクノをはじめとするアンダーグラウンドなシーンに元気がないかな。でも、ヨーロッパやアメリカではそんなことはないし、その流れが日本に来ることを望んでます。

——来年はいよいよデビュー25周年。気の早い話ですが、何か企画していることがあれば教えてください。

あっという間にそんな時間が経ってしまったんですが、これまでを振り返りつつ、今はとある計画が進行中です。今年中に発表できればと思ってます。

Ken Ishii
ケン・イシイ
1993年にベルギーのR&Sレコーズよりデビュー。ヨーロッパを中心に人気を博し、95年にはビッグアンセム“Extra”を発表。その後も数多くのヒット曲を生み出し、世界的な評価を獲得。DJとしても世界中からのオファーが絶えることなく、1年の半分以上は海外でプレイ。また、Flareをはじめ様々な名義でも活躍。世界で最も有名な日本人テクノDJ・アーティストとしてテクノ・ゴッドと称されることも。