90年代から00年代前半に英華を極め、昨年待望の復活を果たしたトランス・パーティ「SOLSTICE MUSIC」がオーガナイズするビーチパーティに多国籍トランス・ユニット:ジュノ・リアクターの出演が決定した。

1993年の結成以来、音楽性、そしてメンバーも絶えず変化し、常に進化し続けてきた。
そこには、トランス〜テクノ〜サイケデリック・ロックあらゆる音楽性が混在し、誰も真似することのできないスペシャル・ワンなサウンドを表現し、何年の時が経っても世界中を魅了し続けている。

そんなジュノ・リアクターの中心人物、ベン・ワトキンスに話を聞いた。

——まずは現在のメンバーについて教えてください。

メンバーは、曲のコンセプトによって常に入れ替わり、今後も自分の音楽性によって変わっていくと思う。
そんな中でもSUGIZOは今年で在籍9年目を迎え、考えてみたら彼が一番在籍暦が長いメンバーということになるね。
ドラマーは90年代トランス全盛期のヨハン・ブレイに始まり、ハリウッドでサントラを制作した時期にはグレッグ・エリスに参加してもらっていた。
ただ、ここ5年ぐらいはスージー&ザ・バンシーズのバッジィに加入してもらっているね。

そして、4年前にイスラエルで出会ったマリ・マゼル。パワフルなパフォーマンスをする彼女のエナジーに惚れ込み、メンバーに誘ったよ。

SUGIZOは、LUNA SEAやX JAPANの活動もあるので、ヨーロッパなどのツアーには参加できないこともあるが、現在ジュノ・リアクターはこの4人が中心となっている感があるね。

ヴォーカルに関しては曲ごとに違っていることが多いな。そして、ツアーでは直近のアルバムに参加してくれたヴォーカリストを起用してきた経緯がある。

——音楽性は、よりオーガニックな方向へと向かっている感がありますが。

何をもってオーガニックなのかという解釈にもよるが、僕らがやってきた音楽は常にオーガニックな要素を持っていると思ってる。

そんな僕らの音楽が、単に今の時代の流れの中でオーガニックなサウンド趣向と波長があってきただけだね。僕の中では何も変わってない。

——オーガニックなサウンドは、確かに現在ムーブメントの兆しを見せていますが、そのサウンドの魅力はどんな部分にあると思いますか?

時代はオーガニックなサウンド趣向になり、世の中の興味そのものもその方向にシフトしていると思う。

エレクトリック・ミュージックは、この先もテクノロジーの進化と共に発展していくと思うけど、それはある意味、機材を使えば誰でもそれなりのものを作れてしまうということでもある。そして、それらは画一的なものになってしまいがちだ。

もしも、オーガニックなサウンドというのが生楽器や民族音楽を指すのだとしたら、それこそ今一度“温故知新”、人間の手によって感情を紡ぎ出すサウンドを人々が求め始めているんだと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=F3cxox41I4w
——ただ、ジュノ・リアクターは単純にオーガニックなサウンドとは言えない、様々な音楽性がブレンドされたフィジカルなサウンドでもあると思います。

人類には根源的に太古から“踊る”という欲望があり、それはDNAとしてみな生まれながらに備えている。

ただ、昨今の“4つ打ちのビート”だけがダンス・ミュージックとしてフィーチャーされるような状況は、僕にとっては好ましくないね。それは植え付けられた先入観だ。
クラシックにしろ、ビートが全くない音楽にしろ、ダンス・ミュージックにはなり得るということだ。

1 2