世界各地で開催され、のべ50,000人以上を動員。開催のたびに話題となっているジェフ・ミルズとオーケストラのコラボ公演。
昨年日本で初開催されたさいも大きな反響を呼んでいたが、昨日ついにその大阪公演が行われた。現地に潜入した取材部隊からレポートが到着したので、早速その模様をお届けしよう!

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ジェフ・ミルズが最新アルバム「Planets」を引っさげ行われた『爆クラ!presents クラシック体感系Ⅱ -宇宙と時間編』大阪・フェスティバルホール公演。本公演は2部構成で、第1部はアンドレア・バッティストーニが指揮する東京フィルハーモニー交響楽団の演奏のもと、ジョン・アダムス作のテクノにも通ずるミニマル・ミュージック“Short Ride in a Fast Machine”で幕開け。
イタリアの若き鬼才、バッティストーニは大きな身体を揺らしながら攻撃的な指揮を振るい、長いリーチの腕から振り下ろされるタクトが凄まじいまでの破壊力を生み出していた。

そんな第1部の白眉はリゲティの“Poème Symphonique”。この曲での楽器はメトロノーム。100台のメトロノームがステージに置かれ、バッティストーニがタクトを振り下ろすと、ジリジリ、カチカチと音を出しながら一斉に動き出す怪作で、最後の1台の動きが止まるまで演奏は終わらない。昨年3月に行われたジェフ・ミルズ×東京フィルの初公演では、演奏時間中、一切音を出さないジョン・ケージの“4分33秒”を披露していたが、今やこうした問題作コーナーは「爆クラ!」名物となった感がある。

そして第1部のラストでは、ステージ上手のブースにジェフ・ミルズが登場。オーケストラ・チャイムのベルの音で始まるテクノ・アンセム“The Bells”で遂に両者が共演。高揚感と緊張感がない交ぜとなって電子音と生音が見事に融合していた。

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20分の休憩を鋏み、第2部がスタート。セットリストはジェフ・ミルズが初めてオーケストラの為に書き下ろしたこの日リリースの最新作「Planets」の全曲。

「Planets」は太陽系の8つの惑星、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星と準惑星の冥王星をテーマにしたアルバムで、オーディエンスを60分の宇宙の旅に誘う。ジェフが繰り出す小刻みのビートをゆったり鷹揚に受け止めるオーケストラ。時には寄り添い、時には大きく乖離しながら両者が作り出すグルーヴは本公演の真骨頂。

クラシック音楽は譜面に沿って演奏するのが常だが、バッティストーニは事前に決めておいたいくつかのフレーズを随所に即興で盛り込み、ジェフのDJに応酬。なんともスリリングな展開でフェスティバルホールが巨大なフロアに転じる。

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中盤からはジェフの電子音か、オーケストラの生音かすら判別つかないほどに両者が渾然一体となって溶け込み、60分の圧巻のパフォーマンスは、オーディエンスを茫然自失とさせる程、圧倒し続けていた。

くしくもこの日NASAは、太陽系からおよそ40光年の距離に地球に近いサイズの7つの惑星を発見したと発表。中でも3つの惑星は生命誕生に適した領域:ハビタブル・ゾーンにあり、そこには生命が存在する可能性もあるというが……この発見が宇宙から多大なインスピレーションを得てきたジェフ・ミルズのこれからの活動にどんな影響を与えるのか、彼の今後にますます期待がかかる。

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そして2月25日(土)には、東京・Bunkamura オーチャードホールでジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団のコラボ公演が開催。前売りチケットは完売しているが、若干数の当日券が出る模様。詳細はDISK GARAGEをチェック!

EVENT INFORMATION

爆クラ!presents ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団×バッティストーニ クラシック体感系Ⅱ -宇宙と時間編-

2017.2.25 Sat

OPEN/START 17:30/18:00

Bunkamuraオーチャードホール(Shibuya)

SS席:¥8,800 S席:¥7,800 A席:¥6,800

ジェフ・ミルズ(DJ)/ アンドレア・バッティストーニ(指揮)/ 東京フィルハーモニー交響楽団(オーケストラ) / 湯山玲子(ナビゲーター)

インフォメーション

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JEFF MILLS
『PLANETS』

¥2,800(税抜)
2017年2月22日発売