NYのラジオ局HOT 97が1994年にスタートしたアーバンミュージック・フェスティバル『HOT 97 SUMMER JAM』。

本国ではこれまで、ジェイ・Zやドクター・ドレー、カニエ・ウエストにスヌープ・ドック、さらにはデスティニーズ・チャイルド、クリス・ブラウン、ニーヨ、リアーナ、ドレイク、ケンドリック・ラマーといったヒップホップ〜R&Bシーンのスターたちが出演。5万枚以上ものチケットが毎年即完するという人気フェスだ。

そしてこのたび、アメリカ国外で初の『HOT 97 SUMMER JAM』がここ日本で『HOT 97 SUMMER JAM TOKYO』と題し7月29日にZEPP TOKYOで開催された。

_DSC0787

まずは日本語ラップの現在最高峰とも名高いバイリンガルラッパーのAKLOや、タイはバンコクを中心に活躍するパーティロック・クルー:バンコクインベーダーズ&ダボーイウェイ、さらに先日名門レーベルDef Jamと契約し話題を呼んだAK-69といった国内〜アジアのアーティストたちが会場のボルテージを上げていく。

_DSC1583-1

そしていよいよ登場したのが、2004年に解散したR&B グループ:B2Kのオリジナルメンバーで、現在はソロR&Bシンガーとして活躍するオマリオン。

B2K時代の名曲“Bump, Bump, Bump”や“Let me hold you”に“O”(しかもアカペラ)など、キャリア初期の楽曲も交えパフォーマンス。

オマリオン

その甘い歌声とセクシーなダンスでオーディエンスを魅了。ラストに披露した“Post To Be”では会場の照明を暗くし、観客のスマホのフラッシュをライト替わりにする美しい演出が光る。

FABOLOUS

続くファボラスは“Can’t Let You Go”や“Make Me Better”、“Into You”といった往年のヒット曲を披露し、そのパフォーマンスは貫禄たっぷり。

また、ステージの途中ではAK-69が登場し、2人のコラボ曲“Oh Lord”をサプライズでパフォーマンスしたのもこの日のハイライトのひとつ。

PUSHA-T

その後登場したのはカニエ・ウェストからレーベルG.O.O.D. Music代表の座を譲り受けたプシャ・T。

かつて所属したユニット:クリスプ時代の“Grindin’”(ファレル・ウィリアムスのザ・ネプチューンズがプロデュース)といった不朽の名曲から、ラッパーのフューチャーとファレルが参加した“Move That Dope”などを投下。

カニエとのコラボ・アンセム“Runaway”でオーディエンスの大合唱が起こる一幕も。

フレンチ・モンタナ

トリを飾ったのは2010年代に大ブレイクしたヒップホップスター:フレンチ・モンタナ。

2011年から2015年まで客演で参加した楽曲は160曲以上と数多くのアーティストたちが一目置く実力者の初来日とあってかオーディエンスの期待もひとしお。

なかでも一際盛り上がったのは中毒性たっぷりの名曲“Ocho Cinco”。
そこでは会場全体が「オチョ・シンコ」の大合唱に。

その後も“Pop That”や“Off The Rip”といったアンセムをドロップし、さらには近年発表の“No Shopping”や宇多田ヒカルの楽曲をサンプリングした“Sanctuary”などを披露し最後までオーディエンスを盛り上げた。

_DSC1363

その後、HOT 97でレギュラーを手掛けるトップDJ、DJ イナフをはじめ、日本人として初めて同局で番組を請け負ったDJ LEADら、ライヴアクトの合間のDJタイムに観客を盛り上げていたDJ陣と、HOT 97のパーソナリティたちがステージに登場し挨拶。

DJ LEADが「来年はこの5倍になって帰って来ます!」とコメントし、来年の再会を誓った。

_DSC2703

『HOT 97 SUMMER JAM』は今回初上陸となったが、当日、ZEPP TOKYOエントランス前の広場には物販エリアのほかにバスケットゴールが設置されるなど、NY発のアーバンフェスならではのストリート感ある演出も。

_DSC4181

週末金曜の夕方というオープン時間ながら、開場した16時ごろには多くの人々が集い、音楽ファンの本フェスへの期待と注目度の高さが伺えた。

観客は20代〜30代が中心で、男女比は半々ほど。さすがに全てがそうではなかったものの、公演中もライヴアクトのコール&レスポンスに応じたり、やや古めの曲でもシンガロングが起こったりと当然のことながらアーバンなサウンドに関心が高いオーディエンスが集まったようだ。

世界最大級のアーバンミュージックフェスとも呼ばれる『HOT 97 SUMMER JAM』だが、ここ日本では近年MCバトル番組が人気を博し、また伝説的ヒップホップイベント『さんピンCAMP』が20年ぶりの復活を果たしたりとヒップホップに大いに注目が集まっている。

本祭がそんなムーブメントを牽引する起爆剤となるかもしれない。

ZEPP-TOKYO

EVENT INFORMATION

HOT 97 SUMMER JAM

2016.7.29.FRI

OPEN 22:00

ZEPP TOKYO

FRENCH MONTANA / PUSHA T / FABOLOUS / OMARION / AKLO / AK-69 / BANGKOK INVADERS & DABOYWAY
EBRO DARDEN / PETER ROSENBER / LAURA STYLEZ / NESSA / MEGAN RYTE / TT TORREZ
DJ ENUFF / DJ KAST ONE / DJ BOBBY TRENDS / DJ CAMILO / DJ LEAD

インフォメーション