12月25日、奇しくもクリスマスに53歳の若さで他界したジョージ・マイケルが、恵まれない子供たちのためのチャリティー活動の中で、生涯を通して密かに約1億5000万円にものぼる寄付をおこなっていたことが明らかになった。

英の慈善団体Childlineの創設者であるエスター・ランツェン氏によると、ジョージは、長きに渡り多額の寄付をChildlineに対して行い、誰にも公言することはなかったという。ランツェン氏は「公にしなかったことで、ジョージがどれほどまでに子供たちのために尽力してきたかということは、知られていませんでした。しかし彼は最高に素晴らしく、寛大な慈善家であったということに間違いありません」と語っている。

そしてChildlineは、創立30周年を迎えるにあたって、ジョージの長年に渡るチャリティー活動に対する功績と音楽界における多大な貢献を讃える大規模なトリビュート・コンサートイベントが企画されていたという。

さらに、ヨーロッパ、米、オーストラリア、香港、日本、台湾など、世界各国で放送されているテレビのゲーム番組『Deal Or No Deal』でエグゼクティブ・プロデューサーを務めたリチャード・オスマン氏によると、
「出演者の女性が不妊治療のため、体外受精を受ける費用として15,000ポンドが必要だと話していた。ジョージは、内密に彼女に電話をかけ、その費用を贈った」
とTwitterで明らかにしている。

その他にも、ホームレス支援施設でボランティアをしていたエミリン・モンド氏も似たような話を。
それは、彼女が働いていたホームレス・シェルターで、ジョージは匿名でボランティアをしていたが、自分の身分や名前を明かさないようにと頼まれていたという。

また、ジャーナリストのサリ・ヒューズ氏は、英のクイズ番組『Who Wants To Be A Millionare?』における、“もしも全財産を失うくらいなら、全て寄付するよ”というジョージの発言を覚えているわとツイートしている。

ジョージは、1984年に起こったエチオピアでの飢餓を受け、英とアイルランドのビッグ・アーティストたちによって結成された”Band Aid”、“1985年に1億人の飢餓を救う”というスローガンの下、アフリカ難民の救済を目的として行われた20世紀最大といわれるチャリティーライブ『Live Aid』の一員としても活動していた。

2016年の終わりに届いた、この偉大なアーティストの訃報に心から哀悼の意を表すとともに、多方面にわたる多大な功績を決して忘れることはないだろう。