“世界で最も稼いだDJ”をはじめ様々な長者番付、ランキングでおなじみの世界最大のビジネス誌「Forbes」が、このたび『2015年最も成功した世界の音楽フェス トップ10』を発表した。

The Highest-Grossing Music Festivals Of 2015
http://forbesjapan.com/articles/detail/10966

いまやフェス(ライヴ・ビジネス)と言えば、CDや配信などに変わる音楽事業における最大のコンテンツとなり、それは世界各地で毎週のように開催。
しかも回数が増えるとともに、中身も最先端の技術が続々投下され、エンターテインメントの粋を集めた一大産業となり、それに比例するようにチケットの売上は年々増加。

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そんな年々盛り上がりを見せるフェスだが、本誌読者にしてみるとやっぱりトップはベルギーのあのビッグフェスでしょ! と思うかもしれないが、その結果はというと……。

まずは、そのランキングを発表してみよう。

1. Coachella

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(アメリカ・カリフォルニア州インディオ)
売上:8426万ドル
動員人数:19万8000人

2. Outside Lands

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(アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ)
売上:2430万ドル
動員人数:21万2000人

3. Stagecoach

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(アメリカ・カリフォルニア州インディオ)
売上:2188万ドル
動員人数:7万人

4. Electric Daisy Carnival

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(アメリカ・ニュージャージー州イースト・ラザフォード)
売上:1118万ドル
動員人数:9万1400人

5. Byron Bay Bluesfest

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(オーストラリア・バイロンベイ)
売上:982万ドル
動員人数:10万5500人

6. Bravalla Festival

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(スウェーデン・ノルチェピング)
売上:965万ドル
動員人数:4万6500人

7. Osheaga

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(カナダ・モントリオール)
売上:925万ドル
動員人数:13万5000人

8. Southside Festival

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(ドイツ・ノイハウゼン)
売上:920万ドル
動員人数:6万人

9. Hurricane Festival

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(ドイツ・シューセル)
売上:868万ドル
動員人数:6万5000人

10. Lollapalooza Brasil

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(ブラジル・サンパウロ)
売上:732万ドル
動員人数:12万5000人

トップはなんと毎年4月にカリフォルニアで行われるロック・フェス『Coachella』
1999年の初開催以来、基本ロック系アーティストがメインだったが、近年はEDM系のアーティストたちも多々出演し、2015年はデヴィッド・ゲッタアクスウェル・イングロッソなどが参戦。
先日、2016年のヘッドライナーが発表され、カルヴィン・ハリスが抜擢されたことでも話題になったばかりだ(その他、ガンズ・アンド・ローゼズにLCDサウンドシステムがヘッドライナーをつとめる他、ジャックUやアンダーワールド、ディスクロージャー、ゼッド、メイジャー・レイザーらEDM、ダンス系も多々出演)。

チケットの売上だけで8400万ドル(約99億円)と、2位とは大きく差を離しているが、これは2週にかけて計6日間開催されていることも大きい。
とはいえ、1日換算でも単純計算1400万ドルと桁違いの売上を誇っている。

2位には『Outside Lands』
これは日本ではあまりなじみがないかもしれないが、ロック〜ポップ〜カントリーまで様々なアーティストが出演する一大野外フェスで、2015年はエルトン・ジョン、マムフォード&サンズ、ザ・ブラック・キーズ、ケンドリック・ラマー、サム・スミスらが出演。また、3位の『Stagecoach』も屋外カントリーフェスだ。

そして、4位になってようやくEDM系、世界三大EDMフェスのひとつと称される『Electric Daisy Carnival(EDC)』がランクイン。
上位4フェス、ここまですべてアメリカで開催するものだったが、5位にようやくオーストラリアで最も人気のあるフェスのひとつ『Byron Bay Bluesfest』が登場し、その後はロック〜ポップ中心のビッグフェスが名を連ねた。

この結果を見てみると、バブルと言えどもEDM系はまだまだと言うべきか、一方で『Coachella』におけるEDMの台頭や4位に『EDC』がランクインしているというところは、歴史が浅いならがもEDMの躍進は立派と見るか、正直難しいところ。

ただ、1つ確実に言えることはフェス、ライヴ・ビジネスの覇権はエンターテインメント大国アメリカが握っているということ。
1位〜4位はアメリカが独占し、その他フェスの開催数においても世界トップ。
今後もやはり世界の流れはアメリカが中心になっていくことだろう。
そして、現在徐々に盛り上がりつつあると言われているアジア圏が今後どのようになっていくのか注目だ。

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それにしても今回のこのランキング、2015年も18万枚のチケットが即完だったヨーロッパ最大のEDMフェス『Tomorrowland』がなぜランクインしていないのか(チケットの価格が€94〜482(日本円にして約12,000円〜62,000円)単純計算€94のチケットが18万枚売れたとして1827万ドル)、少々疑問に残るところ。