エミネムはいまだかつて……、とりわけ最近で、これほどまでに遠慮なくはっきりと個人に対する政治的発言を繰り返し言い放ったことはなかったかもしれない。

ラッパーのビッグ・ショーンのニューアルバム「I Decided」に収録されている“No Favors”でビッグ・ショーンとの初共演を果たしたエミネムは、このリリックの中で、ドナルド・トランプ大統領を標的とする数々の暴言を以下のように吐き捨てている。

「俺はお前のアンチだよ。お前は特殊部隊を自在に扱えるような代物じゃないだろうな。お前はお呼びじゃないんだよ。トランプはただのビッチ。お前の名声やブランドの神話性を地の底まで突き落としてやるさ」

ちなみに、エミネムがラップの中で政治的な発言を行うのは、これが初めてではない。2009年にリリースされたシングル曲“We Made You”の中で、共和党の政治家:サラ・ルイーズ・ペイリンに対しても悪態をついていた。

ビッグ・ショーンはTwitter上で、
「“No Favors”は、あなたの破壊力抜群のバースによって、連続ホームランを打ったような感じになってるよ! このアルバムに参加してくれて本当に感謝してる!」
と、エミネムに対し感謝のコメントをアップしている。

就任式典でのアーティストたちのボイコット、世界中を大混乱に導いている入国禁止の大統領令や、これを支持しなかった政権内のキーパーソンの更迭劇など、波乱続きのトランプ大統領には、音楽シーンからも強い風当たりがまだまだ続くこととなりそうだ。