人間だれもが生まれながらに備えている個性。それは強烈であればあるほど、そのあまりの刺激に目を覆い……思わず敬遠してしまう者も多い。
しかし、彼らは“強烈”をも上回る唯一無二の閃光を放ち 触れるもの全てを感化する。その名は待望の新作『Mount Ninji And Da Nice Time Kid』を発表したMCのニンジャ、ヨランディ、そしてDJのゴッドからなるダイ・アントワード。
彼らの魅力を語るべく、まずは欠かすことのできない5つのキーワードから紹介していこう。
ダイ・アントワードの表現における 全ての根幹となるキーワード
彼らが主宰するレーベル名にもなっている“Zef(ゼフ)”。
それは、アフリカにおける貧困白人層の間で生まれたある種の思想であり、カウンターカルチャー。
彼らのサウンドの軸となるヒップホップもそもそもはカウンターカルチャーあってのことだが、その源となるものが異なれば、中身はオリジナルと違うのは明らか。
しかも、ダイ・アントワードはそこにさらなるレイヤー……様々なジャンルの音楽的要素やアーティカルなコンテクスト、そして個性を加味することで単純にカテゴライズできない、彼らならではの音を生みだしている。
それはときに激しく、ときにディープで、ときにグロテスク。かと思えばセクシーであり、ファニーでもあったり……様々な形で発露している。
ニンジャ曰く、ゼフとは元はディスな意味合いがあったものの、それを逆手にとり作った独自の言葉。
他人がどう思うかなんて気にせずに自分らしく生きろ、はたまたオリジナリティという意味が込められていると語っている。
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