identity

絶対的スターをも一刀両断 誰にも媚びずに我が道を行く

他の追随を許さない彼らの超個性は確実に全世界で注目を集めているが、同時にそれがブレないことでも有名だ。

上記のゼフの思想にあるように自らがいいと思うものを突き詰め、とにかく自分らしく生きているのだが、その過度な姿勢はときに何かと軋轢を生むことも。

その一例が彼ら同様に個性の塊とも言えるレディ・ガガとの確執
ことの発端は 2012 年。ガガがダイ・アントワードの3人にツアーのサポートを依頼したことから始まるのだが、当時のガガと言えばまさに絶頂の時代。にも関わらず彼らはその依頼をガガが“ダサい”からと一刀両断。
そして、その後もガガをディスったMVを制作したりとやりたい放題。

しかも、ガガだけでなくピットブルやニッキー・ミナージュ、カニエ・ウエストといったスターをも自身のMVでやりだまにあげるなど、その強固な姿勢には恐れ入るところ。

ambivalence

五感を揺さぶる狂気と美、彼らが紡ぐアンビバレントな世界

彼らの表現で顕著なのは美しき狂気であり、狂気的な美しさ。つまり相反する要素がその魅力をさらに高めている。

音楽面で言えば、ハードなサウンドにのるヨランディのかわいくもアンニュイなラップは、えも言われぬセクシャルな妖しさを放ちつつ、それが彼らのひとつの個性として確立。

また、MVでもグロテスクな場面が多々ありながらも、それが不思議と不快ではない。
その証拠に、彼らの代表曲でもある“I FINK U FREEKY”のMVはすでにYouTube上で8000万回以上の再生回数を誇り、他にも“UGLY BOY”は6500万回、“BABY’S ON FIRE”は4800万以上と驚異的な数字を叩き出している。そして、新作『Mount Ninji And Da Nice Time Kid』に収録の“Banana Brain”はMV公開からわずか1週間にして500万再生を記録。
このMVもまた狂気的であるのだが、その映像美には誰もが刺激を受けるはずだ。

<次ページ> Charismatic|稀代の個性派をも魅了する新時代のカリスマ

1 2 3