ダンスミュージック史にその名を残すデトロイト出身の音楽家/DJ、ジェフ・ミルズ。彼がこのたび最新アルバム「Planets」を伴い、東京フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーション・コンサートを開催。
10年以上にわたりダンスミュージックとクラシックの融合に挑戦し続けてきた氏の最新形態を目撃できる絶好の機会となっている。

ダンスミュージックとオーケストラの融合で世界を席巻

近年ヨーロッパでは、ダンスミュージックとクラシックのコラボレーションが活発化。ここ数年でもカイゴによるノーベル平和賞の記念式典でのパフォーマンスや、スクエアプッシャーとサウスバンク・シンフォニアのコラボなど様々な試みが行われている。

【参考記事】
華麗なる狂宴!ジェフ・ミルズ、アーミン、カイゴ×オーケストラ、その答えは?

そんな潮流の第一人者として高い評価を獲得しているのがジェフ・ミルズだ。
彼は2005年、フランスのモンペリエ国立管弦楽団とのコラボレーションに始まり、イギリスやドイツ、オランダなど世界各地の交響楽団と共演しのべ50,000人以上を動員。昨年3月には日本に初上陸し、そのチケットは販売開始後即完売するなど、ここ日本でも大いに注目を集めてきた。

電子音楽と伝統的なサウンドのコラボ……その勇姿は地上波でも

そもそも彼はなぜコラボを始めたのか。
そのきっかけについて、彼は2016年9月11日に放送された『題名のない音楽会』に出演し
「クラシックとエレクトリックミュージックがコラボすることで、21世紀の新しい音楽が作れるのではないかと考えた」
と語っている。

同番組は1964年から続く歴史的な音楽番組で、主にクラシックを取り上げている。そんな番組に、しかも日曜朝という時間帯にアンダーグラウンドの大家ともいうべきジェフ・ミルズが出演したことがまず異例。
彼はそこで“The Bells”と“Amazon”の2曲を披露。オーケストラの演奏に合わせ、リアルタイムでドラムやクラップ音などをミックスする圧巻のパフォーマンスでお茶の間をも席巻し話題となった。

ジェフ・ミルズ史上初となるオーケストラのためのアルバムが完成

これまで幾度となくオーケストラと共演し、自身の既存の楽曲をパフォーマンスしてきたジェフ・ミルズが、初めてオーケストラのためだけに楽曲を制作。それが2月22日(水)にリリースされる最新アルバム「Planets」だ。

9つの収録曲はそれぞれ太陽系の惑星をテーマにしており(※)、『ハフィントンポスト』のインタビューによると実際の惑星の直径や質量、自転速度などを楽曲の長さや使う音のチョイスに反映しているそうだ。
なんともスケールの大きい話だが、これまでも宇宙を重要なテーマとして扱ってきた彼のキャリアを考えればうなずけるところ。

また、「惑星」といえばホルストの組曲やシンセサイザーミュージックの大家:冨田勲による同名曲を想起させるが、エレクトロニックミュージックとクラシックの交錯、その系譜といえる本作でジェフ・ミルズはどんなアプローチを見せているのか……リリースが待ちきれない。

※収録曲のうち、厳密に言えば準惑星の“Pluto”(冥王星)は惑星ではないが、その理由は上記インタビューでこう語られている。

「冥王星は重要な星であって、太陽系の外周にあるカイパーベルト(小惑星や氷・ちりなどが密集した領域)を通って、海王星の軌道の内側に入り込みます。一般的な意味での太陽系から一旦外に出てまた戻ってくるという意味で、他の惑星にはない情報を冥王星は持っているに違いない。そういう意味で外せなかったんです」
(ジェフ・ミルズ)

ジェフ・ミルズ×東京フィル、最新作「Planets」を引っさげた東京&大阪公演が決定

そんなこれまでのプロジェクトを総決算するようなアルバム「Planets」のリリース当日2月22日に大阪のフェスティバルホールで、そして2月25日(土)には渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて東京フィルハーモニー交響楽団とのコラボ公演が開催される。

コンサートでは、アメリカの現代音楽家:ジョン・アダムスやドビュッシーらの楽曲に加え、彼の普及の名曲“The Bells”と最新曲“Planets”をライヴで披露。中でも“Planets”のパフォーマンスは日本初。

コンダクターは“50年に一度の逸材”と称されるイタリア出身の若き指揮者:アンドレア・バッティストーニとのことで、テクノはもちろん、クラシック〜現代音楽も含む全ての音楽ファンにとって本公演は刺激的なものとなるだろう。

EVENT INFORMATION

爆クラ!presents ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団×バッティストーニ クラシック体感系Ⅱ -宇宙と時間編-

2017.2.22 Wed

OPEN/START 18:00/19:00

フェスティバルホール(Osaka)

2017.2.25 Sat

OPEN/START 17:30/18:00

Bunkamuraオーチャードホール(Shibuya)

SS席:¥8,800 S席:¥7,800 A席:¥6,800

ジェフ・ミルズ(DJ)/ アンドレア・バッティストーニ(指揮)/ 東京フィルハーモニー交響楽団(オーケストラ) / 湯山玲子(ナビゲーター)

インフォメーション

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JEFF MILLS
『PLANETS』

¥2,800(税抜)
2017年2月22日発売