お騒がせな覆面DJデッドマウスの身辺がまたもや騒がしい。
どうやら彼は、自身の新作がお気に召さなかったようで、その制作過程も完成した作品に対しても、嫌気がさすほど退屈で雑なやっつけ仕事のようだったと思っているという。
そして、彼はVirgin EMIとの長きに渡る契約から解放され、Kobalt Musicと新たなタッグを組み、自身のブランディングと音楽面の全てを管理していく道を望んでおり、常に自分自身のこれからについて考えていると自身のSNSで語った。

新しいアルバムがデッドマウスの思い描くような理想的なものではなかったにしろ、大多数のファンからは好評を得ており、彼にとっても重要な作品となると言われている。
しかし、デッドマウス自身はこの10年における作品づくりを考えた中で、これが頂点を極めるものとは程遠いばかりか、完璧なアルバムとは理解しにくいと考えているようだ。

デッドマウスは本作について
「周囲が満足しても自分が納得できなければ満足しない」
と語っている。

しかし、今となっては彼はメジャーレーベルのしがらみからも解放され、完成したてのアルバムを引っ提げたツアーも控えているが、近い将来デッドマウスの違った側面や新しい展開が期待できるだろう。

またデッドマウスは、未発表作品を含む550トラック余りの音源を新しいスタジオにストックしているといい、さらにはいつもの毒舌を発揮して
「メジャーレーベルと仕事してみて、奴らがどれ程までに最悪なのかがよく分かったさ。
でも今や俺は最高のチームとともに仕事する環境にいるんだ。だからいつだってこう言ってやるよ『なんでこの俺がまたクソみたいにEMIと組まなきゃならないんだよ? 奴らが俺に何をしてくれた?』ってね。
だいたいどのメジャーレーベルだって『曲を出せ、出せるものは何でも出せ』……こうだ。無知って頭にくるほど幸せなことだよな、そうだろ?」

と語っている。

これまでもダフト・パンクやポーター・ロビンソンを含む多くのアーティストたちがこういった問題を経験してきた。ダフト・パンクがVirginを離れてColumbiaと契約した際も様々なトラブルがあったというが、それぞれがよりクリエイティブな環境に身を投じることを選択した結果、現在の彼らの成功を見れば結果は一目瞭然といえるだろう。

アーティスト同士を同じケースに当てはめることは難しいが、それぞれに共通する多くのトラブルや問題があるのは確か。シンプルに考えれば、今回のデッドマウスの一件に関しても、利益ではなくクリエイティブな活動を最優先にし新時代への一歩を踏み出した彼にとって、今後の見通しは明るそうだ。