ここ数年、ダンスミュージックをテーマとした映画やドラマが数多く制作され世界中で人気を博している。

昨年公開されたN.W.A.の伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』は世界興収2億ドル以上を稼ぎ出し、音楽伝記映画史上興収No.1を記録。
また、EDM をテーマにした『WE ARE YOUR FRIENDS』や フレンチハウスをモチーフとした『EDEN』、さらにはファレル・ウィリアムスが指揮をとった『DOPE』など様々な作品が生まれている。

そんななか今回は、より気軽に音楽映画&ドラマを楽しむべく、昨今話題の定額制動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で公開されているものを中心に、ダンスミュージック・ファン必見の作品計8本を紹介していこう。

01. Steve Aoki: I’ll Sleep When I’m Dead

スティーヴ・アオキの成功に背景に 見え隠れする偉大なる父の姿

父親が偉大すぎて息子が苦労̶--このドキュメンタリーで描かれるのは、オリンピック選手で実業家で冒険家だった父親の背中を“遠くから”見つめつつ、なんとか父親に認められたいと悪戦苦闘する息子 = スティーヴ・ アオキの姿だ。
ロックバンド➡インディレーベル経営➡EDM界のスーパーDJへと躍進を果たして成功した後も、それでもガムシャラに寝る間も惜しんで仕事に勤しむ彼の原動力の源とは何なのか。

母親、恋人、デヴォンら兄妹をはじめ、ディプロやティエストら音楽ファンには嬉しい周辺人物によるインタビューなどを交えつつ、彼の半生を追っていく。
過酷なツアーライフやDJブースの裏側もたっぷり。

監督は映画『二郎は鮨の夢を見る』のデヴィッド・ゲルブ。父・子の複雑な関係を掘り下げることにかけてはお手の物、というわけで説得力は抜群だ。

とてつもなく働き者のスティーヴを観ていると誰もが刺激を受けるのは間違いない。
と同時に、自分は怠け者でいいや、と開き直ってしまった筆者のようなダメ人間も多いんじゃないかと思ったり。

02. The Get Down|ゲット・ダウン|

かのグランドマスター・フラッシュも大絶賛!ヒップホップの起源をリアルに描いた青春群像劇

1970 年代のアメリカを舞台に、ヒップホップ黎明期における若者たちの姿をフィーチャーしたNetflixのオリジナルドラマ『ゲット・ダウン』。

今作ではヒップホップの起源とともに、サウス・ブロンクスの若者たちが音楽とともにそれぞれ成長していく姿、さらには恋愛や友情なども随所に散りばめられ見所満載。

監督は『ロミオ+ジュリエット』や『華麗なるギャッツビー』などを手掛けたバズ・ラーマン。全体のクリエイティブ&監修にはナズやグランドマスター・フラッシュが参加。

ドラマ内では数々のオールドスクール・クラシックが多用され、それでいて現代のサウンドも配合されたりと、ヒップホップ・ファンには垂涎極まりない作品となっている。

<次ページ> ピート・トン監修のサントラにも注目!『XOXO』

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