本誌の前身となる「FLOOR net」で度々表紙を飾った日本が誇るバンド:BOOM BOOM SATELLITES。

ロック〜テクノを凌駕するサウンドで人気を博してきた彼らが、このたび惜しくもその活動に終止符を打つことに。

ギター&ボーカルの川島道行、ベース&プログラミングの中野雅之からなるBOOM BOOM SATELLITESは1990年結成。

1997年に、かつてはエイフェックス・ツインやKEN ISHIIなどもリリースしてきたベルギーの名門レーベルR&S Recordsからデビュー。

そのダイナミックかつ繊細なサウンドが話題となり国内外で活躍。2004年にはアニメ映画『アップルシード』のメインテーマ“DIVE FOR YOU”を手掛け、これまで9枚のアルバムをリリースしてきた。

その活動は順風満帆な一方、川島はデビュー後に脳腫瘍が発見され、その後も度々再発。
昨夏、4度目の脳腫瘍が発覚した際には予定していたツアーも全てキャンセル。

しかし、なんとか回復し楽曲制作が進められたが、川島の病状を理由に6月22日にリリースとなるEP「LAY YOUR HANDS ON ME」を最後に歴史に幕を閉じることになった。

活動終了にあたり、中野は自身のブログでその心境を綴っているが、今作については、

「祝祭と終焉、静けさ、そして新たな始まり。まるでこのバンドの生涯を22分で描ききったような壮大で美しい作品に仕上がったと思います」

とコメント。さらには彼の病状に関しても、

「言葉はゆっくりですが話せます。手足は不自由になってきて車椅子を使う機会も増えました。

正確な意思の疎通が難しいので、今彼が何を考えて何を思って毎日を過ごしているのか、僕でも少し理解しきれない時があります。

しかし、この作品を作りきった充実感や達成感は感じていると思います。
僕には本当に燃え尽きてしまった抜け殻のようにも見えます。「お疲れ様!」と声をかけてあげて欲しい」

と赤裸裸に語っている。
※全文はBOOM BOOM SATELLITES公式ブログにて。

中野のブログにもあったが、デビュー20周年を目前に控えた今、その活動を終えることにはメンバー、ファンともに忸怩たるものがあると思うが、彼らの音楽は普遍だ。

過去にインタビューを行った際も、音楽にかける飽くなき情熱に幾度となく感動を覚えたもの。

彼らのラストピースを楽しみに待ちつつ、川島道行の一日も早い回復を祈りたい。

sub1
BOOM BOOM SATELLITES
「LAY YOUR HANDS ON ME」

2016年6月22日発売