アメリカの大手音楽メディア『Billboard』による音楽賞「Billboard Music Awards」。
世界の音楽シーンのなかでも、とりわけアメリカのチャートを賑わすヒット曲やアーティストの人気のほどがわかる賞だ。
それすなわち世界の音楽シーンを制する……とまでは言えないものの、セールスやエアプレイ、ストリーミングの再生数やソーシャルでのバズなどが反映されたこの賞は音楽シーンのリアルな実態を反映しているものといえるだろう。
aaaaaaand the #BBMAs TOP ARTIST is @Adele! Congratulations! #GIPHYstudios pic.twitter.com/cdcoucEDb2
— BillboardMusicAwards (@BBMAs) 2016年5月23日
主要部門のうち、ジャスティン・ビーバーやドレイク、テイラー・スウィフトにザ・ウィークエンドを押しのけ最優秀アーティスト賞を制したのは歌姫アデル。
昨年リリースしたサード・アルバム「25」は発売初週で338万枚を売り上げる大ヒットに(アメリカでの発売1週目の売り上げの最多記録を更新)。
そのうち約168万枚がCD版のセールスというからこれまたスゴイ。
もちろん「25」は本アワードの最優秀アルバム賞も受賞。
ちなみに「25」リリースの前週にはジャスティン・ビーバーの「Purpose」(最優秀アルバム賞ノミネート)がリリースされ、発売1週間で52万2000枚を売り上げたそうで、激しいセールス争いを繰り広げていたようだ。
同アルバム賞には、2人のほかにエド・シーラン「x」やテイラー・スウィフト「1989」、そしてザ・ウィークエンド「Beauty Behind The Madness」がノミネートされていた。
また、最優秀楽曲賞にはアデルの“Hello”、フェティ・ワップの“Trap Queen”、そしてザ・ウィークエンドの2曲“Can’t Feel My Face”と“The Hills”が候補に上がるなか、ラッパーのウィズ・カリファと歌手のチャーリー・プースによるコラボ曲“See You Again”が受賞。
昨年公開の映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』の挿入歌であり、同映画の撮影が進むなか事故で命を落とした俳優:ポール・ウォーカーへ捧げる歌として映画&サントラともに大ヒットとなった。
Congrats @davidguetta for winning Top Dance/Electronic Artist at the #BBMAs! pic.twitter.com/ybFGEfsv5L
— billboard dance (@billboarddance) 2016年5月23日
Thank you @billboarddance https://t.co/q6ITlXFAF7
— David Guetta (@davidguetta) 2016年5月23日
そしてダンスミュージックラバー注目のカテゴリ、最優秀ダンス/エレクトロニック賞はご存じEDMシーンのパイオニア:デヴィッド・ゲッタが受賞。
昨年はマイアミの「Ultra Music Festival」や「TomorrowWorld」、「Coachella」といったアメリカのフェスにも多く出演、一般投票で受賞者を決める音楽賞:アメリカン・ミュージック・アワードにもノミネートされた彼は、Spotifyでも楽曲の総再生数が合計20億回に到達。
これはエミネムやエド・シーランに並ぶ記録で、EDMアーティストとしては初の快挙。
そして2014年リリースのアルバム「Listen」がロングヒットし(今年最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム部門にノミネート)、そこに新曲やミックス音源を追加した新装盤「Listen Again」も今年5月に入りダンス/エレクトロニックアルバムの週間チャートでトップを獲得。
なお、同部門にはチェインスモーカーズ、DJスネイク、メジャー・レイザー、ゼッドらがノミネートした。
Three cheers for @Zedd on winning Top Dance/Electronic Album for 'True Colors' at the #BBMAs pic.twitter.com/c9Qu2ponsn
— billboard dance (@billboarddance) 2016年5月23日
そして、スクリレックス&ディプロの「Skrillex and Diplo Present Jack Ü」やゲッタの「Listen」など並みいる強豪を抑え、最優秀ダンス/エレクトロニックアルバム賞を勝ち取ったのはゼッドの「True Colors」。
本作を引っさげた同名のワールドツアーも大成功をおさめ、アルバムからシングルカットされた“Beautiful Now”はゴールドディスクに、“I Want You to Know”はプラチナディスクを達成するなど、世界中で大ヒット。
Congrats to @MAJORLAZER & @djsnake for taking home Top Dance/Electronic Song for "Lean On" at the #BBMAs pic.twitter.com/yoJUaOfz0I
— billboard dance (@billboarddance) 2016年5月23日
一方、シングル単位で授賞される最優秀ダンス/エレクトロニックソング賞を制したのは、メジャー・レイザー&DJスネイク、ムーらによる“Lean On”。
Spotifyの最多再生数記録を塗り替え、YouTubeでは10億再生を達成した大ヒットだけに納得の受賞だ。
ちなみにスネイクは昨年リル・ジョンとのコラボ曲”Turn Down For What”でBillboard Music Awardsの最優秀ダンス/エレクトロニックソング賞を受賞しており、2年連続の受賞。
今年はアルーナジョージとのコラボ曲“You Know You Like It”でも同賞にノミネートされたほか、受賞は逃すも最優秀ダンス/エレクトロニックアーティストとしてもノミネートされていたりと、今まさに旬のアーティストと言っても過言ではないだろう(そんな彼は今年の『ULTRA JAPAN』にも出演!)。
そのほか、最優秀ダンス/エレクトロニックソング賞にはスクリレックス&ディプロ、ジャスティン・ビーバーの“Where Are Ü Now”やチェインスモーカーズの“Roses”などがノミネート。ディプロの活躍も目立つ結果に。
ほかの部門の注目ポイントとしては、今年グラミー賞の最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞にも輝いたR&Bシーンのホープ:ザ・ウィークエンド。
16部門にノミネートされていた彼は、最優秀R&Bアーティスト賞、最優秀R&Bアルバム賞など計8部門を受賞。
最優秀アーティスト賞ほか5部門に輝いたアデルを押さえ、今年の最多受賞者に。
また、昨年ジャックUとの“Where Are Ü Now”で話題をよび、その後もスクリレックスとコラボし“Sorry”をリリースしたジャスティン・ビーバーは、アルバムや楽曲賞は逃したものの、最優秀男性アーティスト賞、最優秀ソーシャルメディア・アーティスト賞を受賞している。
なお、全部門の結果はこちらで公開中。